今回はフランス北部の『シャンパーニュ地方』について解説していきたいと思います。シャンパーニュ地方は『シャンパン』でも知られている、上質なスパークリングワインを産する地域です。
高級スパークリングワインの代名詞ともいわれる『シャンパーニュ』と、その他スパークリングワインとの違いを学んでいきましょう。また、ワインの勉強にも最適なおすすめシャンパーニュも一緒にご紹介しています。
目次
- シャンパーニュ(Champagne)とは?
- シャンパーニュ地方の歴史
- シャンパーニュ(Champagne)の特徴
- 気候と土壌
- 栽培ブドウ品種
- シャンパーニュの製法
- 1.収穫(ヴァンダンジュ Vendange)
- 2.選果(エプルシャージュ Epluchage)
- 3. 圧搾(プレスラージュ Pressurage)
- 4. 清澄<せいちょう>(Debourbage デブルバージュ)
- 5. 一次醗酵(フェルマンタシオン・アルコーリックFermentation alcoolique)
- 6. 調合(アッサンブラージュAssemblage)
- 7. 瓶詰め( ティラージュTirage)
- 8. 瓶内二次醗酵(ドゥジェム・フェルマンタシオン・アン・ブテイユ Deuxieme Fermentation en Bouteille)
- 9. 熟成(マチュラシオン・シュール・リー Maturation sur lie)澱と共に熟成
- 10. 動瓶(ルミアージュ Remuage)
- 11. 澱抜き(デゴルジュマン Degorgement)
- 12. リキュール添加(ドザージュ Dosage)
- 13. 打栓(ブシャージュ Bouchage)
- 14. ラベル貼り(アビヤージュ Habillage)
- シャンパーニュ地方の格付けについて
- シャンパーニュ地方の生産地区
- シャンパーニュ地方の非発泡性ワイン
- ワインの勉強にも最適!おすすめシャンパーニュ7選
- まとめ
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シャンパーニュ(Champagne)とは?
まずシャンパーニュとは、フランスの『シャンパーニュ地方』で造られる『発泡性ワイン=スパークリングワイン』のひとつです。
一般的には『シャンパン』と呼ばれますが、フランスの『シャンパーニュ委員会(CIVC)』によると、地方名でもある『シャンパーニュ(Champagne)』と呼ぶことを推奨しています。英語読みでは『シャンペイン』となります。ちなみに、かつて明治時代頃の日本では『三変酒(シャンパン または シャンペン) 』と当て字で呼ばれていたそうです。
シャンパーニュ地方の歴史
9世紀頃にシャンパーニュ地方のワイン造りが盛んになりました。特にシャンパーニュの中心地である『ランス』は王の戴冠式用のワインを生産していたことで栄えてきました。1680年頃にはキリスト教ベネディクト会の修道士『ドン・ペリニヨン(ドン・ピエール・ペリニョン)』により、発酵時の泡を瓶内に閉じ込める製法『シャンパーニュ製法=瓶内二次発酵』が確立されました。今や高級シャンパーニュの代名詞ともいわれる『ドン・ペリニヨン(Dom Perignon)』の名前の由来ともなっています。
シャンパーニュ(Champagne)の特徴
シャンパーニュを含むスパークリングワインとは、3気圧以上のガス圧を持った発泡性ワインの総称です。3気圧以下のものは弱発泡性ワインと呼ばれます。フランスのワイン法『AOC(原産地呼称管理法)では、シャンパーニュを生産するには以下のような主な規定があります。
- フランスのシャンパーニュ地方のみで生産されたもの(シャンパーニュ地方以外のものはシャンパーニュと呼称してはいけない)
- シャンパーニュ地方の指定された地域(村・区画)で生産されたもの
- 規定の方法で栽培したブドウ品種を使用する(シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエが約99%、残りはピノ・グリ、ピノ・ブランなど)
- 伝統的な醸造方法『メソード・トラディショナル(シャンパーニュ方式)』と呼ばれる『瓶内二次醗酵』を行う
その他、アルコール度数など細かい項目が規定されています。
気候と土壌
気候は大西洋の影響も受ける『大陸性気候』で、年間平均気温10度と冷涼で、降雨量は平均より少ない気候です。土壌は地域により異なりますが、主に『白亜質』『石灰質』『粘土質』『泥灰質』で構成されています。
栽培ブドウ品種
シャンパーニュのAOC法で認められている品種は8種類ほどありますが、主に栽培されているブドウ品種は『ピノ・ノワール』『シャルドネ』『ピノ・ムニエ』です。それぞれの品種が与える特徴は以下のとおりです。
シャルドネ(白ブドウ)
酸とミネラル分豊富な、切れのある辛口な味わいを与えてくれます。
ピノ・ノワール(黒ブドウ)
コクと力強い果実味で、厚みのあるボディを与えてくれます。長期熟成にも向いています。
ピノ・ムニエ(黒ブドウ)
補助的に使用されることが多く、味わいに丸みを与えてくれます。
シャンパーニュの製法
シャンパーニュの製法は『メソード・トラディショナル(シャンパーニュ方式)』と呼ばれる『瓶内二次醗酵』を行う製造方法です。一次発酵で造ったワインに『酵母を加え』、1本ずつ瓶内で二次発酵させていきます。一般的なスパークリングワインが『密閉したタンク内』で大量に二次発酵をおこなうのに対して、シャンパーニュは職人の手作業で手間暇かけて醸造をおこないます。工程も多くコストもかかるため、シャンパーニュの価格は割高となります。
シャンパーニュの製造工程は以下のとおりです。
1.収穫(ヴァンダンジュ Vendange)
9月中旬~10月初旬にかけて、手摘みによりブドウを収穫します。
2.選果(エプルシャージュ Epluchage)
収穫したブドウを選別する作業です。傷んだブドウや未熟な粒など状態の悪いものは除去されます。選別されたブドウは圧搾所に運ばれ、糖度と酸度のチェックをおこないます。その際、基準値を満たしていないものは除去されます。
3. 圧搾(プレスラージュ Pressurage)
選果されたブドウは、『果梗(かこう)』といわれる房に繋がる部分を取り除き潰す『除梗(じょこう)・破砕(はさい)』をおこないます。その後、専用の圧搾機で黒ブドウの色素がつかないように静かに搾ります。
最初の圧搾で4,000kgのブドウから、約2,000リットルを搾り取ります。これを* 『キュヴェ( Cuvée)』といい、一番搾りのことを指します。*ラ・キュヴェ(La Cuvée)やテット・ド・キュヴェ(Tête de Cuvée)とよばれることもあります。次に500リットルを搾汁してします。これを『プルミエール・タイユ(Premiere Taille)』といいます。
4. 清澄<せいちょう>(Debourbage デブルバージュ)
圧搾した搾汁の不純物を取り除く作業です。搾汁に亜硫酸を添加(上限50mg/l)すると同時に、沈殿剤(ベントナイトなど)を加えて浮遊物を沈殿させます。沈殿後、上澄みの部分を取り出し、発酵用のタンクで発酵を開始します。
※この作業をおこなわない生産者もいます。
5. 一次醗酵(フェルマンタシオン・アルコーリックFermentation alcoolique)
通常の白ワイン同様に発酵をおこないます。品種や畑など各々別のタンクで発酵をおこない、後の調合にてブレンドし味わいを仕上げます。
6. 調合(アッサンブラージュAssemblage)
一次醗酵で造ったワイン(前年~数年前に造ったリザーブワインも含む)を* 『シャンパーニュ・メゾン(メーカー)』の企業ブランドに合わせて調合し、品質の均一化*をおこないます。収穫年のブドウのみで造られたものは『ヴィンテージ・シャンパーニュ』として年号が表記されていますが、複数年のリザーブワイをブレンドした場合は『NV(ノンヴィンテージ)』としてリリースされます。
7. 瓶詰め( ティラージュTirage)
調合の割合が決定したら、瓶に詰め『二次発酵』をおこないます。その際発酵を促すための『酵母』と『蔗糖』を混ぜた『リキュール・ド・ティラージュliqueur de tirage』といわれる液体を加えます。
8. 瓶内二次醗酵(ドゥジェム・フェルマンタシオン・アン・ブテイユ Deuxieme Fermentation en Bouteille)
リキュール・ド・ティラージュを加え、瓶内で二次発酵をおこないます。糖分が酵母の働きでアルコールと炭酸ガスに分解されます。炭酸ガスはワイン中に溶け込み、シャンパーニュ特有の滑らかな泡となります。
9. 熟成(マチュラシオン・シュール・リー Maturation sur lie)澱と共に熟成
二次発酵が終わると、発酵後の酵母が『澱(おり)』となり沈殿します。その澱と共に寝かせることにより、旨味成分である『アミノ酸』がワインに溶け込みます。NVノン・ヴィンテージで瓶詰から最低15ヶ月、ヴィンテージで最低3年の熟成が義務付けられています。
10. 動瓶(ルミアージュ Remuage)
熟成期間を経て澱を取り除くために、瓶口に澱を集める作業です。ピュピトルといわれる『穴の開いた専用の板』に瓶を逆さに指します。一日1/8回転させながら、徐々に倒立させます。最終的に瓶口に澱が溜まると終了します。生産者にもよりますが、4週間から長くて4か月おこなわれます。熟練職人による手作業でおこなうことが多く、その分コストにも反映されます。近年では『ジャイロパレット』といわれる、コンピュータ制御で回転させる機械化を導入している生産者も増えています。
11. 澱抜き(デゴルジュマン Degorgement)
ルミアージュで瓶口に集めた澱を取り除く作業です。倒立し逆さになったままで、瓶口の部分だけ『-16~-20度』の『塩化カルシウム水溶液』につけ凍結させます。この状態で仮の栓を外すと、シャンパーニュのガス圧で凍結した部分が押し出され、澱が取り除かれます。
※明確な瓶詰め時期を証明するために、デゴルジュマンした日付をラベルに記載する生産者もいます。
12. リキュール添加(ドザージュ Dosage)
澱抜きの際に目減りした分を補い、味わいのバランスを取る作業です。シャンパンの『原酒』に『糖分』を加えたリキュールを加えます。『門出のリキュール(リキュール・デグスペディション)』とも呼ばれます。糖分の量により『辛口~甘口』まで6段階に分かれています。AOCの規定により以下のように表記されています。
- エクストラ・ブリュット / Extra Brut:添加される糖の量が 6 g/l 以下で、極辛口となります。
- ブリュット / Brut:添加される糖の量が 15 g/l 以下で、一般的な辛口となります。
- エクストラ・ドライ / Extra Dry:添加される糖の量が 12 ~ 20 g/lで、やや甘口となります。
- セック / Sec:添加される糖の量が 17 ~ 35 g/lで、Brutブリュットより甘めとなります。
- デゥミ・セック / Demi Sec:添加される糖の量が 35 ~ 50 g/l で、甘口となります。
- ドゥー / Doux:添加される糖の量が 50 g/l 以上で、極甘口となります。
※まったく糖分を加えない『ブリュット・ナチュール / Brut Nature』というものもあります。ブリュット・ゼロ/Brut Zeroやウルトラ・ブリュット/ Ultra Brut他、様々な表記がされています。
13. 打栓(ブシャージュ Bouchage)
ドザージュ後にシャンパンの瓶にコルク打つ作業です。圧力でコルクが飛び出さないように針金で固定されます。
14. ラベル貼り(アビヤージュ Habillage)
出荷前のラベルを貼る作業です。
シャンパーニュ地方の格付けについて
シャンパーニュにも『グラン・クリュ(Grand Cru)』と『プルミエ・クリュ(Premier Cru)』という格付けがあります。『グラン・クリュ、プルミエ・クリュ』と聞くと、前回のブルゴーニュ地方では『畑』に対して格付けが行われていましたが、* シャンパーニュ地方では『村』単位で『80〜100%』というパーセンテージ*で格付けされています。
シャンパーニュ地方のメゾン(生産者)の多くは、栽培農家から『買い付けしたブドウ』をブレンドしてシャンパーニュを造っています。かつてブドウは『栽培農家』と『メゾン』の間で取り決めした『価格』をもとに取引されていました。取り決めした価格に対して、収穫した村ごとの格付け『80~100%』で計算された額が『ブドウの売買価格』とされていました。
『100%=取り決め価格の満額』がブドウの売買価格です。この* 100%に格付けされた村が『グラン・クリュ』として認められいて、 99〜90%の村が『プルミエ・クリュ』*とされています。この取り決め価格でブドウの売買価格を決定するシステムは『自由競争を阻害する』として1999年に廃止されましたが、現在も『品質の指標』として伝統的に機能しています。
グラン・クリュには17、プルミエ・クリュには44の村があります。グラン・クリュの『ブドウのみを使用』したシャンパーニュには、『ラベルにGrand Cru』の表記することが認められています。
シャンパーニュ地方の生産地区
シャンパーニュ地方はパリから北東約140kmに位置する産地で、フランス最北のワイン生産地となります。マルヌ県、オーブ県、オート・マルヌ県、エーヌ県、セーヌ・エ・マルヌ県の5つ県にワイン生産地が広がっています。ブドウの栽培地区は大きく5つに分けられ、以下のような地区があります。
モンターニュ・ド・ランス地区(Montagne de Reims)
マルヌ県に属し、シャンパーニュの中心地である『ランス市周辺』に広がる地区です。フランス語でMontagneモンターニュは『山』を意味し、その名のとおり『ランス山』といわれるシャンパーニュの代表的な地区のひとつです。
格付けは『グラン・クリュ(Grand Cru)=特級畑が9つ』『プルミエ・クリュ(Premier Cru)=1級畑が22』あります。シャンパーニュ地方では特級畑が一番多い地区です。また、* 『大手有名シャンパーニュメゾン』*が多数拠点を構えている、シャンパーニュの中心地でもあります。
【代表的なグラン・クリュ(村)】
- ヴェルズネイ(Verzenay):ピノ・ノワールの聖地としても知られています。栽培されている比率はピノ・ノワール86%,シャルドネ13%、ピノ・ムニエ1%です。
- ブジー(Bouzy):アンボネイの畑と隣接しています。栽培されている比率はピノ・ノワール84%、シャルドネ16%です。シャンパーニュ地方の中でも『力強くパワフル』なピノ・ノワールが産出されます。
- アンボネイ(Ambonnay):モンターニュ・ド・ランス地区の最南部に位置する、ブジーと隣接したグラン・クリュ(特級畑)です。
【代表的な生産者】
- ビルカール・サロモン (Billecart-Salmon)
- ブルーノ・パイヤール (Bruno Paillard)
- シャルル・エドシック (Charles Heidsieck)
- クリュッグ (Krug)
- ローラン・ペリエ (Laurent Perrier)
- ルイ・ロデレール (Louis Roederer)
- モエ・エ・シャンドン (Moët & Chandon)
- ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン (Veuve Clicquot Ponsardin)
- テタンジェ (Taittinger)
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区(Vallée de la Marne)
シャンパーニュの主要生産地の1つで、マルヌ県、セーヌ・マルヌ県、エーヌ県に跨がって産地が広がっています。ヴァレ・ド・ラ・マルヌとは『マルヌ渓谷』を意味していて、その名のとおり『谷』の多い地区です。谷の影響により湿度が高く、病害を受けやすいため、病害にも強い黒ブドウ『ピノ・ムニエ』が多く栽培されています。
【代表的なグラン・クリュ(村)】
- アイ(Aÿ):シャンパーニュ最上のともいわれるグラン・クリュのひとつです。ピノ・ノワールの比率が高く、非常にコクのある濃厚な味わいが特徴です。
- トゥール・シュル・マルヌ(Tours-sur- Marne):こちらもぴピノ・ノワールが多く栽培されている村で、酸味が穏やかな柔らかい口当たりが特徴です。
【代表的な生産者】
- アルフレッド・グラシアン (Alfred Gratien)
- ボランジェ (Bollinger)
- ドゥーツ (Deutz)
- ゴッセ (Gosset)
- メゾン・アンリ・ジロー (Maison Henri Giraud)
- ペリエ・ジュエ (Perrier-Jouët)
- ポル・ロジェ (Pol Roger)
コート・デ・ブラン地区(Côte des Blancs)
『白い丘』を意味する、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの東南にある地区です。其の名のとおり『チョーク』のように白い『亜質土壌』が特徴です。栽培されている品種の95%以上がシャルドネで、シャルドネだけで造る『ブラン・ド・ブラン』を生み出した地としても知られています。
【代表的なグラン・クリュ(村)】
- アヴィーズ(Avize):コート・デ・ブランを代表するグラン・クリュのひとつです。ミネラル分とキレのある酸味が特徴です。
- クラマン(Cramant):アヴィーズと並び、コート・デ・ブランを代表するグラン・クリュのひとつです。ミネラル分に滑らかさと丸みのある果実味が特徴です。
- オジェ(Oger):1985年に昇格したグラン・クリュのひとつです。深みのある果実味に『優しい酸』が特徴です。
- メニル・シュル・オジェ(Le Mesnil sur Oger):こちらも1985年に昇格したグラン・クリュです。シャープなミネラル分とキレのある酸が特徴です。
【代表的な生産者】
- ドゥラモット (Delamotte)
- ジャック・セロス (Jacques Selosse)
- ニコラ・フィアット (Nicolas Feuillatte)
- サロン (Salon)
コート・ド・セザンヌ地区(Côte de Sézanne)
コート・デ・ブランの南西15kmにある、セザンヌ村周辺に広がっている地区です。栽培されているブドウの比率はシャルドネ70%、ピノ・ノワール21%、ピノ・ムニエが9%です。* グラン・クリュ(特級)、プルミエ・クリュ(1級)の格付けはありません。*
※非発泡性ワインのコトー・シャンプノワとロゼ・デ・リセが造られています。
【代表的な生産者】
- G.グルエ・エ・フィス (G.Gruet et Fils)
- ユリスコラン (Ulysse Collin)
コート・デ・バール地区(Côte des Bar)
ブルゴーニュ地方と隣接して、シャブリ地区に近い位置にある地区です。栽培されている品種のピノ・ノワール85%、シャルドネ8%にピノ・ムニエ7%です。グラン・クリュ(特級)、プルミエ・クリュ(1級)の格付けはありません。
【代表的な生産者】
- ドラピエ (Drappier)
シャンパーニュ地方の非発泡性ワイン
コトー・シャンプノワ(Coteaux-champenoi)
シャンパーニュ地方で生産される非発泡性ワイン(スティルワイン)です。赤・白・ロゼの生産がAOCで認められている。
ロゼ・デ・リセ(Rose des Ricey)
ピノ・ノワールだけで造られる、非発砲のロゼワインです。AOCにも認められています。
ワインの勉強にも最適!おすすめシャンパーニュ7選
ローラン ペリエ キュヴェ
モンターニュ・ド・ランス地区に1812年創業のシャンパンメゾン(メーカー)『ローラン・ペリエ社』の造るシャンパーニュです。1998年に『プリンス・オブ・ウェールズ』にイギリス皇太子の認証も受けました。
シャルドネを主体にピノ・ノワールとピノ・ムニエがブレンドされていて、柑橘系のような爽やかな香りと滑らかな泡立ちがある辛口タイプです。通常最低15ヶ月の熟成で出荷できますが、ローラン・ペリエはスタンダードタイプでも48ヵ月間熟成させています。
- 色:艶と輝きのあるゴールド※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/モンターニュ・ド・ランス地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ 、 ピノ・ノワール 、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルヴNV
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に1849年創業の『ポル・ロジェ社』が造るシャンパーニュです。2004年には『英国王室御用達」に任命され、ロイヤルウェディングなど国際的なイベントでも提供されています。
ほぼ同量のピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエをブレンドしています。洋ナシやマンゴーのような果実味に、蜂蜜やスパイスのニュアンスを余韻に感じる辛口タイプです。
- 色:淡いイエロー※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ 、 ピノ・ノワール 、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
ドゥラモット・ブリュットNV
コート・デ・ブラン地区に1760年創業の『ドゥラモット』が造るシャンパーニュです。毎年生産されない* 『幻のシャンパーニュ』といわれ入手困難な『サロン』*の姉妹メゾンです。サロンを生産しなかった年のブドウは、全てドゥラモットに使用されます。
シャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ20%の比率でブレンドされ、グレープフルーツのような柑橘系に、パインなどトロピカルな果実味が感じられます。余韻にバターのようなコクも広がる辛口タイプです。
- 色:艶と輝きのあるゴールド※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/コート・デ・ブラン地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ 、 ピノ・ノワール 、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
カルト・ドール・ブリュット
1808年シャンパーニュの南端、コート・デ・バール地区に創業した『ドラピエ』の造るシャンパーニュです。1989年からビオディナミ(無農薬有機農法)を開始していて、ドサージュ(補糖)が少ないのもドラピエの特徴のひとつです。
ピノ・ノワール85%、シャルドネ10%、ピノ・ムニエ5%とピノ・ノワールの比率が多いため、濃厚なコクのある果実味が感じられる辛口タイプです。
- 色:艶と輝きのあるゴールド※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/コート・デ・バール地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ 、 ピノ・ノワール 、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
ラ・ルネサンス ブリュット・フルロン・ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ
コート・デ・ブラン地区に1974年に創業した『シャンパーニュ・ド・ラ・ルネサンス』の造るシャンパーニュです。創業当初は高級シャンパーニュで知られる『メゾン・クリュッグ』と契約し、ブドウを提供していたそうです。クリュッグから懇願されましたが、現在は契約を解除して自社のシャンパーニュ造りに力を入れています。
オジェ村とアイ村の100%クリュ(特級格付け)の『シャルドネ』『ピノ・ノワール』の畑を所有しています。* リュットレゾネ(減農薬農法)*で栽培をおこなっていて、『※ミレジメ』は平均樹齢が60年の古樹から素晴らしいブドウが育成されています。フルロンはシャルドネ100%のブラン・ド・ブランで、きめ細かい泡立ちと『キレのある酸』が特徴の辛口タイプです。
- 色:艶と輝きのあるレモンイエロー※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/コート・デ・ブラン地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ 100%
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
フィリポナ・ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュットNV
16世紀から続く老舗シャンパーニュメゾン『フィリポナ』の造るシャンパーニュです。創業は1522年にシャンパーニュ地方の中心地アイ村に移り住んだことから始まります。
ピノ・ノワールを主体としていて、フレッシュな果実味の中に『厚みのあるコク』と力強い余韻を感じる辛口タイプです。
- 色:艶と輝きのあるゴールド※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
ブルーノ パイヤール エクストラ ブリュット プルミエール キュヴェ
シャンパーニュの中心地『ランス』郊外に拠点を置くシャンパーニュメゾンです。* 1981年に創業された、戦後最も新しいシャンパーニュメゾン*です。フレンチの重鎮『ジョエルロブション氏』も惚れ込む生産者としても知られています。
買い付けブドウの他、約40%の自社畑を所有しています。エクストラ ブリュット プルミエールはピノ・ノワール45%、シャルドネ33%、ピノ・ムニエ22%を使用していて、柑橘系の爽やかな果実味にピノ・ノワール由来のラズベリーのような風味も感じられる余韻の長い辛口タイプです。
- 色:艶と輝きのあるレモンイエロー※熟成により異なります
- 味わい:辛口
- 産地:シャンパーニュ地方/モンターニュ・ド・ランス地区
- AOC:シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、 ピノ・ムニエ
- ALC度数:11.5%~12%
- 飲み頃温度:8~10℃
まとめ
フランスの生産地『シャンパーニュ地方』はいかがでしょうか?スパークリングワインの最高峰ともいわれるシャンパーニュは、大量に生産されるものは違い、* 『様々な工程』や『職人の技術』*など手間暇かけて造られています。
生産コストもかかるため、シャンパーニュの価格にも反映されています。また、生産地区や品種のブレンド比率などにより『様々な味わい』が生み出されています。格付けなど少し複雑なところもありますが、学んでいくと他のスパークリングワインとの違いなど、さらに理解が深まることと思います。
次回はフランス北部『アルザス地方』の解説をしたいと思います。