前回はフランスの主要な産地とボルドー地方について紹介しました。今回はそのボルドー地方と並ぶ二大産地『ブルゴーニュ地方』について解説していきたいと思います。高級ワインの代名詞『ロマネコンティ』などをはじめ、世界中のワインファンが注目するブルゴーニュ地方の特徴を一緒に学びましょう。
また各産地の人気生産者などワインの勉強(テイスティング)におすすめのワインも一緒に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【家飲みにおすすめ】
ワイン定期便「ミシュラン星付きセレクション」
フランスの産地解説
【ブルゴーニ地方(Bourgogne)】
ブルゴーニュ地方はパリの東南部に位置する、ボルドー地方と並ぶ二大銘醸産地です。中心都市の『ディジョン』から南部の『リヨン』まで、南北に広がる『コート・ドール県(Côte-d’Or)』と呼ばれるエリアを中心にワインが造られています。また少し離れた『ヨンヌ県(Yonne) 』というエリアでは代表的なブルゴーニュ白ワインの『シャブリ』を生産する地域があります。AOCで認められているブルゴーニュの代表的な地区は以下のとおりです。
コート・ドール県(Côte-d’Or)
フランスの東部で『セーヌ川』の流域に広がる、ブルゴーニュ地方を代表するワインの生産地。
- コート・ド・ニュイ地区(Côtes de Nuits)
- オート・コート・ド・ニュイ地区(Haut Côtes de Nuits)
- コート・ド・ボーヌ地区(Côte de Beaune)
- オート・コート・ド・ボーヌ地区(Haut Côte de Beaune)
ソーヌ=エ=ロワール県(Saône-et-Loire)
中央高地の東部で『ソーヌ川』と『ロワール川』の流域に広がる生産地。
コート・シャロネーズ地区(Côte Chalonnaise)
マコネ地区(Mâconnais)
ローヌ県(Rhône)
フランス南東部に位置するローヌ川の流れる県。
ボジョレー地区(Beaujolais)
ヨンヌ県(Yonne)
ブルゴーニュ地方の北部や『シャンパーニュ地方』を含む県。
シャブリ地区(Chablis)
※各地区の産地については別途解説します。
【代表的なブドウ品種】
ブルゴーニュ地方の代表的なブドウ品種は以下のとおりです。
赤ワイン用
- ピノノワール(Pino Noir)
ブルゴーニュエリア全体で栽培されている品種です。 小ぶりな『果実と房』でラズベリーのような果実味と程い良い『酸味』と『タンニン』のあるワインが造られます。また『※テロワール』や『熟成』により華やかな『ブーケ』を醸し出す上質なワインへと変化します。
※テロワール=土地を意味するフランス語terreから派生した言葉。特にワイン用のブドウなどの産地の、土壌や耕作環境に関するあらゆる特性のこと指す。気候や地形のほか、生産者の人的要因なども含めていうこともある。
- ガメイ(Gamay)
南部『ボージョレー地区』で栽培されている品種です。ボージョレーヌーヴォーでも知られるように、『イチゴ』のような甘やかな果実味と穏やかな『タンニン』が特徴です。比較的ライトで口当たりの優しいワインが造られます。一部厳選された地域では『熟成タイプ』として造られるものもあります。
白ワイン用
- シャルドネ(Chardonnay)
ブルゴーニュエリア全体で栽培されている品種です。『リンゴ』のような少し酸を感じるものから『パイナップル』のようなトロピカルな果実味のものまで、気候風土により様々なタイプに仕上がります。また醸造過程で『樽』を使用するか否かで香りも味わいも異なるワインを生み出します。比較的冷涼な地域では『酸』の特徴が顕著に表れます。
- アリゴテ(Aligoté)
ソーヌ=エ=ロワール県のコート・シャロネーズ地区にある『ブーズロン』というAOCで主に栽培されています。ブーズロンよりランクが下の『ブルゴーニュ・アリゴテ』のAOCにも使用されています。『レモン』のような酸味の強い柑橘系の果実味にローストした『アーモンド』や『へーゼルナッツ』のような香ばしく『ビター』な余韻を感じるワインとなります。
【ブルゴーニュワインの格付けについて】
ボルドーワイン同様にブルゴーニュワインにも格付けがあります。しかしブルゴーニュの場合はボルドーのような『地区ごと』の格付けではなく、『畑』『村』『地域』で格付けされています。基本的に以下のとおり4つの格付けがあります。
特級畑・グランクリュ(Grand Cru)
ブルゴーニュワインの中では最上級の格付けです。各村や地域で指定された『特級畑』で栽培・収穫されたブドウ品種のみで造られたワインです。生産量は全体的には『約1%強』という希少なワインのため、大半が高級ワインとなります。
例)ロマネコンティやシャンベルタンなど。
※AOC表記は『アペラシオン・シャンベルタン・コントロレ』のようになります。
一級畑・プルミエクリュ(Premier Cru)
特級畑・グランクリュよりもワンランク下の格付けです。各村や地域で指定された『一級畑』で栽培・収穫されたブドウ品種のみで造られたワインです。生産量は全体的には『約10%』程度です。地域や村名のあとに『一級畑の名称』が付けられラベルにも表記されています。
例)ジュヴレイ・シャンベルタン(村名)+クロ・サン・ジャック(畑名)
※AOC表記は『アペラシオン・ジュヴレイ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック・コントロレ』のようになります。
村名ワイン
指定された『村内』で栽培・収穫されたブドウ品種のみで造られたワインです。畑などの指定がないため『村名』のみがラベルにも表記されています。
例)ジュヴレイ・シャンベルタン(村名)のみ
※AOC表記は『アペラシオン・ジュヴレイ・シャンベルタン・コントロレ』のようになります。
地方名ワイン
ブルゴーニュ地方内で栽培・収穫されたブドウ品種のみで造られたワインです。畑も村も指定がないため『単なるブルゴーニュワイン』という格付けになります。ラベルには『ブルゴーニュ(Bourgogne)』としか表記されていません。
※AOC表記は『アペラシオン・ブルゴーニュ・コントロレ』のようになります。
ブルゴーニュ地方の産地
ブルゴーニュ地方は前述したように『①コート・ド・ニュイ』『②オート・コート・ド・ニュイ』『③コート・ド・ボーヌ』『④オート・コート・ド・ボーヌ』『⑤コート・シャロネーズ』『⑥マコネー』『⑦ボジョレー』『⑧シャブリ』の8つの地区に分けられます。この地区の『区画』や『ブドウ畑』を『複数の生産者』で分割してワインが造られています。
※同一銘柄のワインでも『複数の生産者』が生産するため、味わいやラベルも様々存在します。(一部銘柄では区画を単独所有している生産者もいます)
コート・ド・ニュイ地区(Côte de Nuits)
ブルゴーニュの銘醸ワインの大半を生み出す『コート・ドール県(Côte-d’Or)』に位置し、『ロマネコンティ』や『シャンベルタン』など世界中のワインファン垂涎の銘柄が多数あります。北部の『マルサネ村(Marsannay)』から南部の『ニュイ・サン・ジョルジュ村(Nuits-Saint-Georges)』にかけて南北にワイン畑が広がります。代表的な産地(AOC)は以下のとおりです。
マルサネ村(Marsannay)
ディジョン市の南『パリの南東300キロメートル』に位置する産地です。コート・ドール県の中では唯一『赤・白・ロゼ』の生産が認められているAOCです。1987年にAOCに昇格しました。『マルサネ・ラ・コート(Marsannay-la-Cote)』『シュノーヴ(Chenove)』『クシェ(Couchey)』という3つの村でワインが造られています。申請中の『1級格畑』はありますが、現在認定された『1級格畑』『特級畑』はありません。
粘土質土壌から造られる『ピノノワール』の赤ワインのほかに『ロゼワイン』も有名な産地です。また『シャルドネ』による『白ワイン』も生産されていて、ブルゴーニュ地方では唯一赤、ロゼ、白、の3つのAOCを名乗ることが出来る産地です。
【村名ワイン】
AOCには『赤・白・ロゼの3つ』が認められています。赤と白のラベルにはワイン名として『村(マルサネ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
ドメーヌ・ジャンテ・パンショ(Geantet Pansiot)
ドメーヌ・ユグノ(Huguenot)
ドメーヌ・コワイヨ(Coillot)
フィサン村(Fixin)
ジュヴレ・シャンベルタン村の北、標高270~400メートルに位置する産地です。『石灰岩土壌』で造られるワインの『97%が赤ワイン』で、そのほか少量の白ワインが造られています。『8つの1級格畑』はありますが、『特級畑』はありません。
フィサンの村名ワイン(AOC)のほかは、リーズナブルな価格の『早飲みタイプ』のものが多く『コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ』というワイン名(AOC)で出荷されています。ピノノワール使用した『色調の濃さ』と『力強いタンニン』のあるミディアムフルボディのワインとなります。
【代表的な1級畑】
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(フィサン)+1級畑名』が表記されます。
クロ・ド・ラ・ペリエール(Clos de la Perriere)
クロ・デュ・シャピトル(Clos du Chapitre)
クロ・ナポレオン(Clos Napoleon)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(フィサン)』が表記されます。
※コートド・ニュイ・ヴィラージュと名乗ることも可能です。
【代表的な生産者】
ドメーヌ・ジョリエ(Joliet)
ドメーヌ・ベルトー(Berthaut)
ドメーヌ・ピエール・ジュラン(Pierre GELIN)
ジュヴレ・シャンベルタン村(Gevrey-Chambertin)
フィサンの南に位置する産地です。ブルゴーニュはもちろん『フランス』を代表する銘醸ワインのひとつです。9つの『特級畑』と『26の1級格畑』があります。特に『シャンベルタン(Chambertin)』はロマネコンティと並ぶ『ブルゴーニュ最高峰』の銘柄で、あの名将『ナポレオン』も愛飲していたことで知られています。
粘土質が多めの『石灰岩質土壌』で栽培されるピノノワールから、『非常に濃い色調』で『華やかな香り』と『力強いタンニン』のワインが造られます。また『区画』や『生産者』によっては、熟成で『複雑』なブーケと滑らかさが表れる秀逸な味わいにも変化します。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは9つの畑で生産された『赤ワイン』のみです。
- シャンベルタン(Chambertin)
- シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(Chambertin Clos de Beze)
- マジ・シャンベルタン(Mazis-Chambertin)
- リュショット・シャンベルタン (Ruchottes-Chambertin)
- グリオット・シャンベルタン (Griotte-Chambertin)
- ラトリシエール・シャンベルタン(Latricieres-Chambertin)
- マゾワイエール・シャンベルタン(Mazoyeres-Chambertin)
- シャルム・シャンベルタン (Charmes-Chambertin)
- シャペル・シャンベルタン (Chapelle-Chambrtin)
ブルゴーニュの王様と称えられ、特級畑の中では『一線を画す』畑です。
※9つのグラン・クリュ畑の中でも別格扱いされています。
シャンベルタンと並ぶ特級畑です。ラベルに『シャンベルタン(Chambertin)』と表記することも認められています。
※9つのグラン・クリュ畑の中でも別格扱いされています。
コート・ドール県で『最北』の特級畑・グランクリュです。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ジュヴレ・シャンベルタン)+1級畑名』が表記されます。
- クロ・サン・ジャック( Clos Saint Jacques)
- レ・カズティエ(Les Cazetiers)
- オー・コンボット(Aux Combottes)
- ラヴォー・サン・ジャック(Lavaux St Jacques)
1級畑・プルミエ・クリュのなかでは特に上質な畑で、特級畑に匹敵するともいわれています。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ジュヴレ・シャンベルタン)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・アルマン・ルソー(Armand Rousseau)
- ドメーヌ・クロード・デュガ(Claude Dugat)
- ドメーヌ・ドルーアン・ラローズ(Drouhin Laroze)
- ドメーヌ・トラペ(Trapet)
ブルゴーニュで特に人気の生産者のひとつで、シャンベルタンの所有は最大です。またクロ・ド・ベーズや他にも5つの特級畑を所有しています。上部と下部に分かれる畑の『リュショット・シャンベルタン』では、上部の* 『クロ・デ・リュショット』*という名前呼ばれる畑すべてを『単独所有』しています。
伝説的の造り手としても人気の生産者です。シャルム・シャンベルタン、グリオット・シャンベルタン、シャペル・シャンベルタンを所有していますが、どれも1ヘクタール未満のため『希少品』となっています。
モレ・サン・ドニ村(Morey-Saint-Denis)
ジュヴレ・シャンベルタンの南に位置する産地です。石灰質と粘土石灰質の土壌で栽培されるピノノワールから、ジュヴレ・シャンベルタンのような『力強さ』と『凝縮感のある果実味』のエレガントなワインが生産されます。また少量ですが、シャルドネやピノブランなどから造られる白ワインも生産されています。小さな村ですが 『5つの特級畑』と『20の一級畑』があります。特級畑に指定されているものは、すべて赤ワインです。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは5つの畑で生産された『赤ワイン』のみです。
- ボンヌ・マール(Bonnes-Mares)
- クロ・ド・タール(Clos de Tart)
- クロ・サン・ドニ(Clos Saint-Denis)
- クロ・デ・ランブレ(Clos des Lambrays)
- クロ・ド・ラ・ロシュ(Clos de la Roche)
モレ・サン・ドニ村と隣接するシャンボール・ミュジニー村にまたがる特級畑です。モレ・サン・ドニ村側では比較的『力強い』タイプになります。
名門生産者『モメサン家』の単独所有畑です。エレガントな仕上がりはブルゴーニュ特級赤ワインを象徴する味わいとなります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(モレ・サン・ドニ)+1級畑名』が表記されます。
- オー・シャルム(Aux Charmes)
- クロ・ソルベ(Clos Sorb)
- モン・リュイザン(Monts Luisants)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(モレ・サン・ドニ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・デュジャック(Dujac)
- ドメーヌ・ポンソ(Ponsot)
- ドメーヌ・アルロー(Arlaud)
- ドメーヌ・デュ・クロ・ド・タール( Domaine du Clos de Tart)
- ドメーヌ・デ・ランブレ(Domaine des Lambrays)
クロ・ド・ラ・ロシュとクロ・サン・ドニに畑を所有するモレ・サン・ドニを代表する生産者です。
創業100年以上の老舗生産者で、クロ・ド・ラ・ロシュの畑を最大所有しています。古くから『自然農法』によるワイン造りを行っています。
クロ・ド・ラ・ロシュとクロ・サン・ドニを所有しています。オーガニック栽培など『自然農法』を行っています。
クロ・ド・タールの畑をすべて所有している『モメサン家』のワイナリーです。
シャンボール・ミュズニィ村(Chambolle-Musigny)
モレ・サン・ドニ村の南に位置する産地です。石灰岩質土壌で栽培されるピノノワールによる 『赤ワインのみを産出』するAOCです。ワインはコート・ド・ニュイ地区では最も『繊細』で『柔らかい』果実味とタンニンが特徴です。 『2つの特級畑』と『24の1級畑』があります。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは2つの畑で生産された『赤ワイン』のみです。
- ミュジニー(Musigny)
- ボンヌ・マール(Bonnes-Mares)
シャンボール・ミュズニィ村の中で『最高のワイン』を生み出す畑です。 コート・ド・ニュイのグラン・クリュで唯一『白』もAOCとして認められています。
前述したモレ・サン・ドニ村にもまたがる特級畑です。若いうちは非常に力強いボディが特徴ですが、熟成とともに『圧倒的に広がるブーケ』と喉越しの良い滑らかな余韻が表れます。 AOCとして認められているのは『赤』のみです。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(シャンボール・ミュズニィ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・ザムルーズ(Les Amoureuses)
- レ・シャルム(Les Charmes)
- レ・ボード(Les Baudes)
- レ・クラ(Les Cras)
1級畑で特に評価の高い畑で、特級畑にも匹敵する芳香が特徴です。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(シャンボール・ミュズニィ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ(Comte Georges de Vogue)
- ドメーヌ・ジャック・フレデリック・ミュニエ(Jacques Frederic Mugnier)
- ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ(Geroges Roumier)
特級畑ミュジニーの畑の『約7割』とボンヌ・マールの畑を所有する最大の生産者です。世界中のブルゴーニュファン垂涎の生産者で非常に入手困難です。
コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエに次いで特級畑ミュジニーの畑を所有しています。他ボンヌ・マールと1級畑のレ・ザムルーズ所有しています。
僅か0.1ヘクタールの特級畑ミュジニーの畑から最高峰のワインを生み出す生産者です。生産量の少なさから『幻』ともいわれるほど希少となっています。
ヴージョ村(Vougeot)
シャンボール・ミュズニィ村の南に位置する産地です。1098年の『※シトー派修道院』の設立により発展しました。『クロ・ド・ヴージョ(Clos de Vougeot)』という 『1つの特級畑』と『4つの1級畑』があります。フランス革命まではシトー派修道院が所有していましたが、革命以後は競売にかけられ現在は50ヘクタールの畑に約80人の所有者がいます。
クロ(clos)とはフランス語で『石垣』を意味し、名前のとおりブドウ園は石垣の塀で囲われています。この石垣により『強風の被害』を避けて栽培ができるメリットがあります。栽培されるピノノワールからは深みのある『ガーネット』の色調で『木苺』や『バラの花』のようなアロマが感じられます。さらに熟成が進むとオレンジがかった綺麗な色合いと『トリュフ』のようなエレガントなブーケが表れます。
※シトー派修道院=シトー派修道会:キリスト教の修道士の団体で、1098年に中部フランスのシトーに設立公認された修道院のこと。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは1つの畑で生産された『赤ワイン』のみです。
- クロ・ド・ヴージョ(Clos de Vougeot)
ヴージョ村唯一の特級畑で、AOCとして認められているのは『赤』のみです。約80人の所有者がいるためワインの味わいも様々異なります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ヴージョ)+1級畑名』が表記されます。
- ラ・ヴィーニュ・ブランシュ(La Vigne Blanche)=ル・クロ・ブラン(Le Clos Blanc)
- クロ・ド・ラ・ペリエール(Clos de la Perriere)
- レ・クラ(Les Cras)
- レ・プティ・ヴージョ(Les Petits Vougeots)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ヴージョ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- モンジャール・ミュニュレ(Domaine Mongeard Mugneret)
- ベルトラン・アンブロワーズ(Bertrand Ambroise)
- ドメーヌ・ベルターニャ(Domaine Bertagna)
- ショーヴネ ショパン(Chauvenet Chopin)
- アラン・ユドロ・ノエラ(Alain Hudelot Noellat)
ヴォーヌ・ロマネ村(Vosne-Romanee)
ヴージョ村の南に位置する産地です。最高峰の赤ワインともいわれる『ロマネ・コンティ』や『エシェゾー』など秀逸なブルゴーニュワインが生み出されます。格付けには 『8つの特級畑』と『14の1級畑』があります。格付けワインの他、『村名ワイン』も含め AOCとして認められているのは『赤のみ』です。粘土質と石灰質の2つの土壌から、上質なピノノワールの『力強さ』と『エレガントさ』を兼ね備えたリッチな味わいのワインが造られます。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは8つの畑で生産された『赤ワイン』のみです。
- ロマネ・コンティ(Romanee Conti)
- ラ・ターシュ(La Tache)
- ロマネ・サン・ヴィヴァン(Romanee St.Vivant)
- リシュブール(Richebourg)
- エシェゾー(Echezeaux)
- グラン・エシェゾー(Grands Echezeaux)
- ラ・グランド・リュ(La Grande Rue)
世界最高峰とも称される高級ワインの代名詞の畑です。わずか1.8ヘクタールという面積を『DOC社(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社)』が単独所有しています。
ロマネ・コンティ同様にDOC社が単独所有する特級畑です。力強いタンニンの長期熟成向きのワインが造られます。
ロマネ・コンティの東側に隣接する特級畑です。フランス革命までベネディクト会に属する『サン・ヴィヴァン修道院』が所有していました。現在はDOC社が最大所有で、その他『はルロワ』や『ルイ・ラトゥール』など複数の生産者が所有しています。
ロマネ・コンティの北側に隣接する特級畑です。DOC社と複数の生産者が所有しています。
ヴォーヌ・ロマネ村の北部『フラジェ・エシェゾー村』にある特級畑です。フラジェ・エシェゾー村としてのAOCは存在しないため、ヴォーヌ・ロマネのAOCに分類されています。コート・ド・ニュイの中ではクロ・ド・ヴージョに次ぐ広さです。
フラジェ・エシェゾー村にある、エシェゾーに隣接する特級畑です。クロ・ド・ヴージョ村にも隣接しているため、非常にシッカリとした骨格のワインが造られています。
ロマネ・コンティとラ・ターシュの畑に挟まれた特級畑です。ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュが単独所有しています。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCは『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ヴォーヌ・ロマネ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・ボーモン(Les Beaux Monts)
- オー・ブリュレ(Aux Brulees)
- レ・ショーム(Les Chaumes)
- クロ・デ・レア(Clos des Reas)
- クロ・パラントゥー(Cros Parantoux)
- アン・オルヴォー(En Orveaux)
- レ・ゴーディショ(Les Gaudichots)
- オー・マルコンソール(Aux Malconsorts)
【村名ワイン】
AOCは『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ヴォーヌ・ロマネ)』が表記されます。
※フラジェ・エシェゾー村にある畑もAOCヴォーヌ・ロマネを名のることが可能。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(Domaine de la Romanée-Conti ; DRC)
- ドメーヌ・ルロワ(Domaine Leroy)
- ルイ・ラトゥール(Louis Latour)
- ドメーヌ・ジャン・ジャック・コンフュロン(Jean Jacques Confuron)
ニュイ・サン・ジョルジュ村(Nuits-Saint-Georges)
ヴォーヌ・ロマネ村の南『コート・ド・ニュイの最南端』に位置する産地です。 『特級畑』はありませんが、『41の1級畑』があります。ヴォーヌ・ロマネ村と隣接しているため、造られるワインもヴォーヌ・ロマネに似た力強くエレガントなタイプとなります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ニュイ・サン・ジョルジュ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・サン・ジョルジュ(Les Saint-Georges)
- レ・ヴォークラン(Les Vaucrains)
- ラ・リシュモヌ(La Richemone)
- クロ・ド・ラ・マレシャル(Clos de la Marechale)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ニュイ・サン・ジョルジュ)』が表記されます。
※隣りのプレモー・プリッセィもニュイ・サン・ジョルジュのAOCを名のることが可能。
【代表的な生産者】
- オスピス・ド・ニュイ(Hospices de Nuits)
- ドメーヌ アンリ グージュ(Domaine Henri Gouges)
コート・ド・ボーヌ地区(Côte de Beaune)
コート・ド・ニュイ地区の南部に位置する『コルトン・シャルルマーニュ』や『モンラッシェ』などの最高峰の白ワインと上質な赤ワインを生み出す産地です。北部の 『アロース・コルトン村(Aloxe-Corton)』から南部の『シャサーニュ・モンラッシェ村(Chassagne-Montrachet)』など南北で素晴らしい赤・白ワインが造られています。代表的な産地(AOC)は以下のとおりです。
ラドワ・セリニ村(Lodoix-Serrigny)
コート・ド・ボーヌの北部に位置する村です。『コルトン』と『コルトン・シャルルマーニュ』という 『特級畑』と『11の1級畑』があります。コルトンとコルトン・シャルルマーニュの畑は、近隣の『アロース・コルトン村(Aloxe-Corton)』と『ペルナン・ヴェルジュレス村(Pernand-Vergelesses)』を含む3つの村にまたがっています。ブドウは石灰質と粘土質の土壌で栽培されるピノノワールとシャルドネを使用しています。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。
- コルトン(Corton)
- コルトン・シャルルマーニュ(Corton Chariemagne)
コート・ド・ボーヌで唯一『赤ワイン』も認められている特級畑です。少量ですがコルトンの白ワインも生産されています。
ブルゴーニュの最高峰の白ワインのひとつです。『コルトン』と『シャルルマーニュ』の2つの畑がありますが、共通して『コルトン・シャルルマーニュ』と呼ばれています。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ラドワ・セリニ)+1級畑名』が表記されます。
※一部の1級畑にはアロース・コルトンの1級畑として販売されるものもあります。
- レ・ビュイ(Les Buis)
- ル・クルー・ドルジュ(Le Clou d’Orge)
- ボワ・ルソ(Bois Roussot)
- ラ・コルヴェ(La Corvee)
- レ・グレション(Les Grechons)
- ラ・ミコード(La Micaude)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ラドワ・セリニ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・カシャ・オキダン・エ・フィス(Domaine Cachat Ocquidant et Fils)
- コルトン・クロ・デ・ヴェルジェンヌを単独所有しています。
アロース・コルトン村(Aloxe-Corton)
ラドワ・セリニ村の南に位置する村です。ラドワ・セリニ村同様に コルトンとコルトン・シャルルマーニュの他に『シャルルマーニュ』の特級畑と『13の1級畑』があります。『褐色の石灰質土壌』でピノノワールとシャルドネが栽培されています。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。
- コルトン(Corton)※赤・白
- コルトン・シャルルマーニュ(Corton Chariemagne)※白のみ
- シャルルマーニュ(Chariemagne)※白のみ
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(アロース・コルトン)+1級畑名』が表記されます。
- クロ・デュ・シャピトル(Clos du Chapitre)
- レ・フルニエール(Les Fournierres)
- レ・シャイヨ(Les Chaillots)
- レ・マレショード(Les Marechaudes)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(アロース・コルトン)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- シャトー・コルトン (Château Corton)
- ドメーヌ・ポワゾ (Domaine Poisot)
- ジョゼフ・ヴォワイヨ (Joseph Voillot)
- ミッシェル・エ・イヴ・ロシニョール (Michel & Yves Rossignol)
ペルナン・ヴェルジュレス村(Pernand-Vergelesses)
ラドワ・セリニ村の西に位置する村です。ラドワ・セリニ村とアロース・コルトン村同様に コルトンとコルトン・シャルルマーニュの『特級畑』と『9つの1級畑』があります。石灰質土壌ではピノノワール、石灰質と粘土質の混ざった『泥灰土(でいかいど)』ではシャルドネが多く栽培されています。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。
- コルトン(Corton)※赤・白
- コルトン・シャルルマーニュ(Corton Chariemagne)※白のみ
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ペルナン・ヴェルジュレス)+1級畑名』が表記されます。
- アン・カラドゥ(En Caradeux)
- クロ・ベルテ(Clos Berthet)※白のみ
- レ・フィショ(Les Fichot)
- イル・デ・ヴェルジュレス(Ile des Vergelesses)
- レ・バス・ヴェルジュレス(Les Basses Vergelesses)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ペルナン・ヴェルジュレス)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ボノー・デュ・マルトレイ(Bonneau du Martray)
- ドメーヌ・デュブルイユ・フォンテーヌ(Domaine Dubreuil-Fontaine)
サヴィニ・レ・ボーヌ村(Savigny-les-Beaune)
ペルナン・ヴェルジュレス村の南に位置する村です。 特級畑はありませんが、『22の1級畑』があります。白ワインの生産が多いコート・ド・ボーヌの中で『90%が赤ワイン』を生産する村です。石灰質と粘土質の中間土壌でピノノワールとシャルドネが栽培されています。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サヴィニ・レ・ボーヌ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・シャルニエール(Les Charnieres)
- オー・フルノー(Aux Fourneaux)
- オー・グラヴァン(Aux Gravains)
- レ・マルコネ(Les Marconnets)
- レ・ルヴレット(Les Rouvrettes)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(サヴィニ・レ・ボーヌ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- シモン・ビーズ・エ・フィス(Simon Bize & Fils)
- ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ (Domaine Chandon de Briailles)
サヴィニー・レ・ボーヌを代表する生産者です。4代目当主のパトリック氏は1998年に日本人の千砂さんと結婚しました。奥様の提案もあり2008年より自然農法の『ビオディナミ』に転換しています。
シャンパーニュの『モエ・エ・シャンドン』と血縁関係のあるシャンドン・ド・ブリアイユ伯爵より継承されたワイナリーです。
シュレイ・レ・ボーヌ村(Chorey-les-Beaune)
アロース・コルトン村の南に位置する村で、サヴィニー・レ・ボーヌにも隣接しています。 特級畑、1級畑はなく『村名のAOC』のみで比較的カジュアルな赤と白のワインが造られていま。サヴィニー・レ・ボーヌ同様に、ピノノワールを使用した赤ワインが中心です。 『AOCコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ』として格を下げて名乗ることも可能です。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(シュレイ・レ・ボーヌ)』またはコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ(Cote de Beaune-Villages)が表記されます。
【代表的な生産者】
- トロ・ボー(Tollot-Beaut )
- シャトー・ド・ショレ(Ch. de Chorey)
ショレイ・レ・ボーヌ村で最も有名な生産者です。コルトンやコルトン・シャルルマーニュも所有しています。
ボーヌ村(Beaune)
サヴィニ村とシュレイ村の皆に位置する村で『ブルゴーニュの中心都市』です。 特級畑はありませんが、『44の1級畑』があります。造られるワインの約80%がピノノワールを使用した赤ワインです。毎年11月の第三日曜日に開かれる『オスピス・ド・ボーヌ』のオークションには世界中のワイン関係者が集まるのも名物です。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ボーヌ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・ブレッサンド(Les Bressandes)
- クロ・デ・ムーシュ(Le Clos des Mouches)
- オー・クラ(Aux Cras)
- レ・グレーヴ(Les Greves)
- レ・マルコネ(Les Marconnets)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村(ボーヌ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
中心都市のボーヌには大手の有名生産者が多数拠点を構えています。
- アルベール・ビショー(Albert Bichot)
- ブシャール・ペール・エ・フィス(Bouchard Pere et Fils)
- ジョゼフ・ドルーアン(Joseph Drouhin)
- カミーユ・ジロー(Camille Giroud)
- オスピス・ド・ボーヌ(Hospices de Beaune)
- ルイ・ジャド(Louis Jadot)
- ルイ・ラトゥール(Louis Latour)
- アルベール・モロー(Albert Morot)
- ルモワスネ(Remoissenet)
ポマール村(Pommard)
ボーヌ村の南に位置する村です。ポマールのAOCで認められているのは 『赤ワインのみ』です。粘土質土壌で栽培されるピノノワールからボーヌ村では珍しいくらいの『力強く』どっりとしたフルボディタイプが造られます。上級クラス銘柄になると長期熟成に耐えうる素晴らしいものもあります。 特級畑はありませんが、『28の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ポマール)+1級畑名』が表記されます。
- レ・プティ・ゼプノ(Les Petits Epenots)
- レ・グラン・ゼプノ(Les Grands Epenots)
- レ・リュジアン(Les Rugiens)
- レ・フルミエ(Les Fremiers)
- レ・シャポニエール(Les Chaponnieres)
【村名ワイン】
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ポマール)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ジャン・マルク・ボワイヨ(Jean Marc Boillot))
- ドメーヌ・パラン(Domaine PARENT)
1985年に設立した『※ドメーヌ』です。後述するピュリニー・モンラッシェやムルソー、ヴォルネイなどを所有しています。
ヴォルネイ村(Vonlnay)
ポマール村の南に位置する村です。AOCで認められているのは 赤ワインのみです。力強い赤ワインのポマール村に対して、『繊細』で『滑らかなタンニン』となるのがヴォルネイ村の特徴です。石灰質土壌で栽培されるピノノワールから、少し濃い『ロゼ色』で透明感のある色調となる傾向があります。 特級畑はありませんが、『35の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ヴォルネイ)+1級畑名』が表記されます。
- カイユレ(Les Caillerets)
- シャンパン(Champans)
- サントノ(Santenots)
- タイユ・ピエ(Taille Pieds)
- レ・ザングル(Les Angles)
- クロ・ド・ラ・バール(Clos de la Barre)
※スパークリングワインのシャンパーニュとは関係ありません。
【村名ワイン】
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ヴォルネイ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ラ・プス・ドール (La Pousse D’Or)
- ミシェル・ラファルジュ (Michel Lafarge)
かつてはフランス王家やDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)が所有していたこともあるドメーヌです。
モンテリ村(Monthelie)
コート・ド・ボーヌ地区の中間に位置する村です。 赤・白両方がAOCに認められていますが、生産される『約90%が赤ワイン』となります。ヴォルネイ村のような繊細で柔らかいタンニンのミディアムボディで、価格も比較的リーズナブルなものが多くあります。 特級畑はありませんが、『11の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(モンテリ)+1級畑名』が表記されます。
- ル・カ・ルジョ(Le Cas Rougeot)
- レ・リオット(Les Riottes)
- レ・デュレス(Les Duresses)
- レ・クロ・ゴティ(Le Clos Gauthey )
【村名ワイン】
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(モンテリ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ポール・ガローデ(Paul Garaudet)
- シャトー・ド・モンテリ(Ch. de Monthélie Monthélie)
AOCモンテリー協会の会長ポール・ガロデ氏。
サン・ロマン村(Saint-Romain)
モンテリ村の南に位置する村です。ブルゴーニュで最も標高が高く、約300~400mの冷涼なエリアに石灰質と粘土質が混ざった土壌が広がっています。 特級畑、1級畑はなく『村名のAOC』のみで、白ワインのほうが有名です。シャルドネからスッキリとした『酸』のある辛口タイプとなります。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サン・ロマン)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- シャソルネイ/フレデリック・コサール(Chassorney / Frederic Cossard)
『ビオディナミ』など自然農法を取り入れる生産者です。サン・ロマン以外にも、オークセイ・デュレスやニュイ・サン・ジョルジュなどに畑を所有しています。
オクセイ・デュレス村(Auxey-Duresses)
サン・ロマン村に隣接する村です。 赤・白両方がAOCに認められていますが、生産される『3分の2が赤ワイン』となります。石灰質と粘土質の中間の土壌です。特級畑はありませんが、『9つの1級畑』があります。
【1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(オクセイ・デュレス)+1級畑名』が表記されます。
- ラ・シャペル(La Chapelle)
- レ・デュレス(Les Duresses)
- バ・デ・デュレス(Bas des Duresses)
- クリマ・デュ・ヴァル(Climat du Val)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(オクセイ・デュレス)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- メゾン・ルロワ (Maison Leroy)
1868年に『ネゴシアン』として創業した生産者で、かつては『DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)社』の共同経営者としても知られています。現在は自身の経営する『ドメーヌ・ルロワ』と『メゾン・ルロワ』にて、ロマコンティと双璧をなす素晴らしいワインを生み出しています。
ムルソー村(Meursault)
コート・ド・ボーヌの南部の村です。赤・白両方がAOCに認められていますが、圧倒的に『白ワインの銘醸地』として有名です。特級畑はありませんが、『30の1級畑』があります。粘土質土壌で栽培されるシャルドネから、『ミネラル感』と『厚みのあるボディ』の上質な辛口タイプとなります。ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエールという1級畑で特に素晴らしいワインが生み出され、世界中のワインファンも注目しています。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ムルソー)+1級畑名』が表記されます。但しムルソー村の『サントノ(Satenotes)』という区画で生産された『赤ワイン』は、前述した『ヴォルネイ』の村名AOCを名乗ります。
- ペリエール(Perrieres)
- シャルム(Charmes)
ムルソーを代表する1級畑のひとつです。濃いミネラルと凝縮感のある長期熟成タイプの辛口が特徴です。
ペリエールと並ぶ1級畑のひとつです。ペリエール同様に深みのある力強い白ワインが生み出されます。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ムルソー)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- コシュ・デュリ(Coche Dury)
- コント・ラフォン(Comtes Lafon)
- シャトー・ド・ムルソー(Chateau de Meursault)
- ヴァンサン・ジラルダン(Vincent Girardin)
- アルベール・グリヴォー(Albert Grivault)
- フランソワ・ミクルスキ(Francois Mililski)
『白ワインの神様』や『ムルソーの魔術師』などと称される、世界中のワインファンを魅了する生産者です。生産量が非常に少なく世界的に希少なため、常に入手困難です。
ブラニィ村(Blarney)
ムルソー村の南に位置する村です。AOCで認められているのは赤ワインのみです。白ワインも生産されますが、ムルソー側の畑で造られたものは『AOCムルソー』となり、後述する『ピュリニー・モンラッシェ村(Puligny-Montrachet)』側では『AOCピュリニー・モンラッシェ』となります。赤と白でAOCが異なるため、分かりやすく『AOCコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ』として生産される場合もあります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCの赤ワインはラベルに『村名(ブラニィ)+1級畑名』、『白ワインは村名(ムルソーまたはピュリニー・モンラッシェ)+1級畑名』が表記されます。
- ピエス・スー・ル・ボワ(La Piece Sours Le Bois)※ブラニィ/ムルソー
- ラ・ジュヌロット(La Jeunellotte) ※ムルソー
- アモー・ド・ブラニ(Hameau de Blagny) ※ピュリニー・モンラッシェ
【村名ワイン】
AOCには『赤のみ』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ブラニィ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ティエリー・エ・パスカル・マトロ(Thierry et Pascale Matrot)
- ドメーヌ・マルトレ・ド・シェリジー( Domaine Martelet de Cherisey)
ピュリニイ・モンラッシェ村(Puligny-Montrachet)
ムルソーと並ぶ世界屈指の白ワインを生み出す村です。『最高峰の白ワイン』とも称される『モンラッシェ』をはじめ、素晴らしいワインが多数あります。格付けには 『4つの特級畑』と『17の1級畑』があります。1級畑と村名ワインは赤・白両方がAOCに認められていますが、 特級畑のAOCは『白ワインのみ』です。石灰質土壌で栽培されるシャルドネから、『華やか香り』と『ナッツ』のような香ばしい風味とミネラル感豊かな辛口タイプとなります。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは4つの特級畑で生産された『白』のみです。
- モンラッシェ(Montrachet)
- シェヴァリエ・モンラッシュ(Chevalier-Montrachet)
- バタール・モンラッシュ(Batard-Montrachet)
- ビアンヴニュ・バタール・モンラッシュ(Bienvenues-Batard-Montrachet)
ピュリニー・モンラッシェ村と隣接するシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる特級畑です。ワインファンなら知らない人はいない『世界最高の白ワイン』といっても過言ではない逸品です。
ピュリニー・モンラッシェ村だけにある特級畑で、モンラッシェに隣接しています。レ・ドゥモワゼルやラ・カボットという特別な区画名のついたものもあります。
ピュリニー・モンラッシェ村と隣接するシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる特級畑です。
ピュリニー・モンラッシェ村だけにある特級畑です。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ピュリイ・モンラッシェ)+1級畑名』が表記されます。
- レ・コンベット(Les Combettes)
- クラヴァイヨン(Clavaillon)
- レ・フォラティエール(Les Folatieres)
- レ・ピュセル(Les Pucelles)
- レ・ペリエール(Les Perrieres)
- ル・カイユレ(Le Cailleret)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ピュリイ・モンラッシェ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ルフレーヴ(Domaine Leflaive)
- エティエンヌ・ソゼ(Etienne SAUZET)
ムルソーのコント・ラフォンやコシュ・デュリと並ぶ『世界三大白ワイン』の生産者として称されています。
ドメーヌ・ルフレーヴとともに、ピュリイ・モンラッシェ村の『二大生産者』といわれています。
シャサーニュ・モンラッシェ村(Chassagne-Montrachet)
ムルソーとピュリイ・モンラッシェと並ぶ『ブルゴーニュ白ワインの銘醸地』です。ピュリイ・モンラッシェ村とまたがる モンラッシェ、バタール・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェだけにある 『クリオ・バタール・モンラッシェ(Criots-Batard-Montrachet)』の『3つの特級畑』があります。また コート・ド・ボーヌ地区では最多の『51の1級畑』もあります。特級畑以外は赤・白両方がAOCに認められていて、『約20%は赤ワイン』が生産されています。近年では上質なピノノワールから素晴らしいワインも多数生み出されています。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは3つの特級畑で生産された『白』のみです。
- クリオ・バタール・モンラッシェ(Criots-Batard-Montrachet)
- モンラッシェ(Montrachet)
- バタール・モンラッシュ(Batard-Montrachet)
シャサーニュ・モンラッシェ村だけにある特級畑です。生産量が少ないため、大変希少なワインとなります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(シャサーニュ・モンラッシェ)+1級畑名』が表記されます。
- カイユレ(Cailleret)
- モルジョ(Morgeot)
- ラ・マルトロワ(La Maltroie)
- レ・グランド・リュショット(Les Grandes Ruchottes)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(シャサーニュ・モンラッシェ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ラモネ(Domaine Ramonet)
ルフレーヴ、コシュ・デュリ、コント・ラフォンと並ぶ白ワインの生産者です。モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビヤンヴニュ・モンラッシェなどの特級畑と複数の1級畑を所有しています。
サン・トーバン村(Saint-Aubin)
ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村に隣接する村です。 赤・白両方がAOCに認められています。かつては赤ワインの生産量が多く、一時は『ガメイ種』のブドウも栽培されていたこともありました。近年では
ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村の影響もあり、白ワインの生産比率が高くなってきました。 特級畑はありませんが、『29の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サン・トーバン)+1級畑名』が表記されます。
- ラ・シャトゥニエール(La Chateniere)
- レ・コンブ(Les Combes)
- レ・シャンプロ(Les Champlots)
- レ・ミュルジェ・デ・ダン・ド・シヤン(Les Murgers des dents de chien)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サン・トーバン)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- マルク・コラン(Marc Colin)
サン・トーバン村のほかにもシャサーニュ、ピュリニーなどにも畑を所有している生産者です。減農薬農法などの有機農法にも取り組んでいます。
サントネー村(Santenay)
コート・ド・ボーヌ南端部に位置する村です。赤・白両方がAOCに認められていますが、生産量の『約80%は赤ワイン』です。 特級畑はありませんが『13の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュn(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サントネー)+1級畑名』が表記されます。
- ラ・マラディエール(La Maladiere)
- ラ・コム(La Comme)
- レ・フルノー(Les Fourneaux)
- レ・グラヴィエール(Les Gravieres)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(サントネー)』が表記されます。
- ロジェ・ベラン(Roger Belland)
- ドメーヌ・バシェ・ルグロ (Domaine Bachey-Legros)
マランジュ村(Maranges)
コート・ド・ドール県のAOCですが、厳密にはソーヌ・エ・ロワール県に位置する村です。『1988年にAOCに認定』された一番新しい村です。赤・白両方がAOCに認められていて、白ワインの生産量が40%あります。特級畑はありませんが、『10の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュn(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(マランジュ)+1級畑名』が表記されます。
- クロ・ド・ラ・ブティエール(Clos de la Boutiere)
- クロ・デ・ ロワ(Le Clos des Rois)
コート・シャロネーズ地区
コート・ド・ボーヌの南に位置する『ソーヌ=エ=ロワール県(Saône-et-Loire)』に広がる生産地です。泥灰土と粘土の混ざった土壌で、栽培されているブドウ品種は赤ワイン用はピノノワール、白ワイン用はシャルドネと『アリゴテ』です。 特級畑はありませんが、上質なワインを生み出す『1級畑』があります。
ブーズロン村(Bouzeron)
コート・シャロネーズ地区で最も北に位置する村です。1997年にAOCに認定された産地で、認められているのは『アリゴテ』を使用した白ワインのみです。特級畑、1級畑はなく『村名のAOC』のみとなります。ピノノワールやシャルドネのワインも生産されていますが、区画上では『AOCブルゴーニュ・コート・シャロネーズ』となります。
【村名ワイン】
AOCにはアリゴテ種を使用した白ワインのみが認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ブーズロン)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ(Domaine de Villaine)
- ドメーヌ・ラモネ(Domaine Ramonet)
- ポール・エ・マリー・ジャクソン(Paul et Marie Jacqueson)
DRCロマネコンティ社の共同経営者『オベール・ド・ヴィレーヌ氏』のワイナリーです。
リュリー村(Rully)
リュリー村とシャニイ村の2つが区画上の『AOCリュリー』となります。 赤・白両方がAOCに認められていますが、生産されるワインの3分の2が『シャルドネによる白ワイン』です。ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン『クレマン・ド・ブルゴーニュ』を最初に生産した村でもあります。 『23の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(リュリー)+1級畑名』が表記されます。
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(リュリー)』が表記されます。
- レ・サン・ジャック(Les St Jacques)
- レ・シャン・クルール(Champs Cloux)
- ラ・ブレッサン(La Bressande)
リュリーで最も有名な一級畑です。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ(Domaine de Villaine)
メルキュレ村(Mercurey)
コート・シャロネーズ地区北部に位置する村です。赤・白両方がAOCに認められています。コート・シャロネーズ地区で最も生産量が多く、その大半が赤ワインになります。 『30の1級畑』があり、上質なものは『コート・ドール県』の上級クラスに匹敵するワインもあります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(メルキュレ)+1級畑名』が表記されます。
- クロ・パラディ(Clos de Paradis)
- レ・シャン・マルタン(Les Champs Martin)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(メルキュレ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- フェヴレ(Faiveley)
- ドメーヌ・ ミシェル・ジュイヨ(Domaine Michel Juillot)
特級畑『シャンベルタンやモンラッシェ』など多数の自社畑を所有する、ブルゴーニュ地方最大級の生産者です。
ジヴリ村(Givry)
コート・シャロネーズ地区中部に位置する村です。赤・白両方がAOCに認められています。メルキュレ同様に生産されるワインの大半が赤ワインになります。 『26の1級畑』があり、上質なものはコート・ド・ボーヌ地区の『ヴォルネイ』のようとも表現されます。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには『赤と白の両方』が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ジヴリ)+1級畑名』が表記されます。
- セリエ・オー・モワンヌ(Clos du Cellier aux Moines)
- クロ・デュ・ヴェルネイ(Clos du Vernay)
- ラ・ブリュレ(La Brulee)
- クロ・デュ・クラ・ロン(Clos du Cras Long)
【村名ワイン】
AOCには赤と白の両方が認められています。ラベルにはワイン名として『村名(ジヴリ)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ドメーヌ・ジョブロ(Domaine Joblot)
モンタニー村(Montagny)
コート・シャロネーズ地区の南端に位置する村です。AOCに認定されているのは『シャルドネ』を使用した白ワインのみです。モンタニィ・レ・ビュクシー、ビュクシー、サン・ヴァレラン、ジュリー・レ・ビュクシーという4つの村に畑が広がっています。格付けには『52の1級畑』があります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
AOCには白ワインのみが認められています。ラベルにはワイン名として『村名(モンタニー)+1級畑名』が表記されます。
- スー・レ・フイユ(Sous les Feilles)
- レ・シャニオ(Les Chaniots)
- ラ・グランド・ロッシュ(La Grande Roche)
【村名ワイン】
AOCには白ワインのみが認められています。ラベルにはワイン名として『村名(モンタニー)』が表記されます。
【代表的な生産者】
- ルイ・ラトゥール(Louis Latour)
- フィリップ・コラン(Philippe Colin)
- カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ビュクシー(Cave des Vignerons de Buxy)
マコネ地区(Maconnais)
コート・シャロネーズ地区の南に位置する生産地です。石灰質に火打石が入り混じった土壌で栽培されるシャルドネを使用した白ワインが約80%生産されています。ガメイとピノノワールから少量の赤ワインとロゼワインも造られています。これまで特級畑、1級畑はありませんが、2020年産からプイイ・フィッセ村のワインが1級に承認されました。大きく『村名AOC』と『地域名AOC』があります。
【村名AOC】
マコネ地区の更に細分化された村名のAOCです。
プイイ・フィッセ村(Pouilly-Fuisee)
マコネ地区で最も高い評価を得ている村です。AOCに認定されているのは『シャルドネ』を使用した白ワインのみです。『AOCプイィ・フュイッセ』を名乗れるのは『Solutre-Pouilly ソリュトレ・プイィ』『Fuisse フュイッセ』『Vergisson ヴェルジソン』『Chaintre シャントレ』の4つの村の畑です。他にもプイィ・ロシェ(Pouilly-Loche)や、プイィ・ヴァンゼル(Pouilly-vinzelles)などの村名AOCがあります。
ヴィレ・クレッセ村(Vire-Clesse)
マコネ地区の中央部に位置する『ヴィレ村』と『クレッセ村』を中心に広がる産地で、1999年に新しくできたAOCです。
サン・ヴェラン村(Saint-Veran)
マコネ地区の南端に位置する村です。プイイ・フィッセ村同様にAOCに認定されているのは『シャルドネ』を使用した白ワインのみです。北部の村『ダヴィエ、プリセ、ソリュトレ・プイィ』と、南部の村『シャンヌ、シャスラ、レイヌ、サン・タムール、サン・ヴェラン』がAOCサン・ヴェランに認められています。赤ワイン用品種『ガメイ』からもワインが造られていますが、区画上のAOCは隣接した村『ボージョレ』のワインとなります。
【地域名AOC】
マコネ地区全体的な地域名AOCで、以下のようなものがあります。
- マコン(Macon)
- マコン・シューペリュール(Macon Superieur)
- マコン・ヴィラージュ(Macon Villages)
- マコン+村の名前
※『マコン』『マコン・シューペリュール』『マコン+村名』のAOCでは『赤、白、ロゼ』の生産が認められていますが、『マコン・ヴィラージュ』のAOCでは『白のみ』となります。
ボージョレ地区(Beaujolais)
マコネ地区に隣接する『ブルゴーニュ地方最南部』に位置する生産地です。花崗岩質土壌で栽培される『ガメイ』で造られる赤ワインが中心ですが、一部の地域ではシャルドネを使用した白ワインも造られています。AOCには以下のようなものがあります。
クリュ・デュ・ボージョレ(Cru du Beaujolais)
ボージョレ地区の『10の村のみ』が名乗れる上級AOCです。赤ワインのみ生産が認められています。
- サンタ・ムール村(Saint-amour)
- ジュリエナス村(Julienas)
- シェナス村(Chenas)
- ムーラン・ア・ヴァン(Moulin a Vent)※厳密には村名ではない
- フルーリー村(Fleurie)
- シルーブル(Chiroubles)
- モルゴン(Morgon)
- レニエ(Regnie)
- ブルイィ(Brouilly)
- コート・ド・ブルイィ(Cote de Brouilly)
マコン地区に最も近いクリュ・ボジョレーです。白ワインも生産されていて、マコネ地区の村名AOC『サン・ヴェラン』として名乗ることも可能です。
サンタ・ムールの西側に位置する村です。
10の村の中で一番『小さい村』です。隣接する『ムーラン・ア・ヴァン』のAOCを名乗ることも可能です。
シェナ村とロマンシュ・トラン村という地域のAOC名です。
ムーラン・ナ・ヴァンの南西に位置する村です。
10の村の中で一番『標高の高い』村です。
10の村の中で一番『濃厚で力強い』ワインを生産する村です。
1988年にボジョレー・ヴィラージュから格上げされた『最も新しい』AOCです。
10の村の中で一番『南端に位置する』村です。
ブルイィよりもワンランク上の村です。ワインはアルコール度も高く濃厚です。
ボージョレ・ヴィラージュ(Beaujolais Village)
限定された『38の村』が名乗れるAOCです。赤・白・ロゼの生産が認められています。以下のような村があります。
ボージョレ・シュペリュール(Beaujolais Superieur)
規定より最低アルコール度数が0.5%高いボージョレのAOCです。赤ワインのみ生産が認められています。
ボージョレ(Beaujolais)
一番生産量の多い『一般的な』ボージョレのAOCです。赤・白・ロゼの生産が認められています。
シャブリ地区(Chablis)
ブルゴーニュ地方の北部『ヨンヌ県(Yonne)』に位置する生産地です。AOCに認定されているのは 『シャルドネ』を使用した白ワインのみです。『キンメリジャン』といわれる石灰岩と泥灰岩に『牡蠣』や『貝殻の化石』などを含んだ土壌が特徴です『7つの特級畑』と『40の1級畑』があります。
【特級畑】グラン・クリュ(GrandCru)
AOCとして認められているのは7つの特級畑で生産された『白』のみです。
- レ・クロ(Les Clos)
- レ・プルーズ(Les Preuses)
- グルヌイユ(Grenouilles)
- ブランショ(Blancho)
- ヴォーデジール(Vaudesir)
- ブーグロ(Bougros)
- ヴァルミュール(Valmur)
特級畑のなかで最も大きい畑です。濃厚で力強い、長期熟成向きのタイプとなります。
南東に位置する緩やかな斜面で水はけの良い畑です。比較的優しい軽やかなタイプとなります。
特級畑のなかで最小の特級畑です。凝縮感のある果実味豊かなタイプとなります。
特級畑のなかで最東端にある畑です。綺麗な酸のあるエレガントなタイプとなります。
レ・クロの次に広い畑です。ミネラル感とキレのあるタイプとなります。
特級畑のなかで最西端にある畑です。木や土のニュアンスのような深みのあるタイプとなります。
レ・クロとグルヌイユに隣接した畑です。キンメリジャンによる力強いミネラル感のあるタイプとなります。
【代表的な1級畑】プルミエ・クリュ(1er Cru)
- フルショーム(Fourchaume)
- モンテ・ド・トネール(Montée de Tonnerre)
- ヴァイヨン(Vaillon)
- モンマン(Montmains)
【代表的な生産者】
- フランソワ・ラヴノー(Francois Raveneau)
- ヴァンサン・ドーヴィサ(Vincent Dauvissat)
- ウィリアム・フェーヴル(William Fevre)
- ラ・シャブリジェンヌ(La Chablisienne)
ワインの勉強(テイスティング)におすすめのブルゴーニュワイン8選
【コート・ド・ニュイ地区】
オート コート ド ニュイ ルージュ ミッシェル グロ
1830年ニュイ・サン・ジョルジュ村周辺『ショー村』に創業した生産者です。ヴォーヌ・ロマネ村の名門『グロ家の一族』で、ヴォーヌ・ロマネ一級畑『クロ・デ・レア』を単独所有しています。
ヴォーヌ・ロマネ村とニュイ・サン・ジョルジュ村の 2区画で収穫した『ピノノワール』をブレンドして造られています。木苺のような甘酸っぱい『酸』と穏やかなタンニンのあるミディアムボディです。
- 色:紫がかったルビー色※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:ミディアムボディ
- 産地:ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ地区
- AOC:AOCオート・コート・ド・ニュイ
- 品種:ピノノワール100%
- 生産者:ミッシェル グロ
- ALC度数:12.5%
- 飲み頃温度:13~15℃
ブシャール ペール エ フィス ジュヴレ・シャンベルタン ムッシュ ジェラール セレクション
1731年に創業した生産者『ブシャール ペール エ フィス』が造るジュヴレ・シャンベルタン村の赤ワインです。
ジュヴレ・シャンベルタン村の厳選したピノノワールをブレンドしています。ブラックチェリーやカシスのような『凝縮感』のある果実味と心地よい酸味の溶け込んだミディアムフルボディです。
- 色:紫がかったルビー色※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:ミディアムフルボディ
- 産地:ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ地区/ジュヴレ・シャンベルタン村
- AOC:AOCオート・コート・ド・ニュイ
- 品種:ピノノワール100%
- 生産者:ブシャール ペール エ フィス
- ALC度数:12.5%
- 飲み頃温度:13~15℃
【コート・ド・ボーヌ地区】
ジャン・イヴ・ドゥヴヴェイ ブルゴーニュ オート・コート・ド・ボーヌ ルージュ
1992年に創業した生産者『ジャン・イヴ・ドゥヴヴェイ』が造るオート・コート・ド・ボーヌの赤ワインです。ムルソーの名門『コント・ラフォン』で働いた経験もある造り手です。
上質なピノノワールから、ラズベリーなどの『赤い果実』やスミレの花のようなフローラル感と程よいタンニンのあるミディアムフルボディです。
- 色:紫がかったルビー色※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:ミディアムフルボディ
- 産地:ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ地区
- AOC:AOCオート・コート・ド・ボーヌ
- 品種:ピノノワール100%
- 生産者:ジャン・イヴ・ドゥヴヴェイ
- ALC度数:12.5%
- 飲み頃温度:13~15℃
メゾン・ジョセフ・ドルーアン サヴィニ・レ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー
1880年ボーヌに創業した生産者『メゾン・ジョセフ・ドルーアン』が造るサヴィニ・レ・ボーヌ村の赤ワインです。
サヴィニ・レ・ボーヌ村で収穫したピノノワールから、ラズベリーに『バラ』のような香りとスパイシーさのあるタンニンの溶け込んだミディアムフルボディです。
- 色:紫がかったルビー色※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:ミディアムフルボディ
- 産地:ブルゴーニュ地方/コート・ド・ボーヌ地区/サヴィニ・レ・ボーヌ村
- AOC:AOCサヴィニ・レ・ボーヌ
- 品種:ピノノワール100%
- 生産者:メゾン・ジョセフ・ドルーアン
- ALC度数:12.5%
- 飲み頃温度:13~15℃
【コート・シャロネーズ地区】
アー エ ペー ド ヴィレーヌ ブーズロン
ロマネ・コンティの共同経営者である『オベール・ド・ヴィレーヌ』が造る、コート・シャロネーズ地区最北端に位置するブーズロン村の白ワインです。
ブーズロン村で収穫した『アリゴテ』を使用しています。グレープフルーツのような爽やかさに白桃などのアロマと余韻にビターな辛さが感じられます。
- 色:澄んだ淡いイエロー※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:辛口
- 産地:ブルゴーニュ地方/コート・シャロネーズ地区/ブーズロン村/li>
- AOC:AOCブーズロン
- 品種:アリゴテ100%
- 生産者:アー エ ペー ド ヴィレーヌ
- ALC度数:12.0%
- 飲み頃温度:10~13℃
【マコネ地区】
ルイ ジャド マコン ヴィラージュ グランジュ マニアン
1859年に創業した生産者『ルイ・ジャド社』が造るマコネ地区の白ワインで、マコンの上位規格のワインです。
マコン地区の中でも優良な畑のある『ヴィレ村』と『リュニィ村』近郊の畑『グランジュ マニアン』で収穫したシャルドネを使用しています。リンゴのような『蜜』と程よい酸味のバランスの取れた口当たりの優しい辛口タイプです。
- 色:やや深みあるイエロー※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:辛口
- 産地:ブルゴーニュ地方/マコネ地区/li>
- AOC:AOCマコン・ヴィラージュ
- 品種:シャルドネ100%
- 生産者:ルイ・ジャド社
- ALC度数:12.0%
- 飲み頃温度:10~13℃
【ボージョレ地区】
ルイ ジャド ボージョレ ヴィラージュ コンボー ジャック
1859年に創業した生産者『ルイ・ジャド社』が造るボージョレ地区の赤ワインです。
ボージョレ地区の中の厳選した『村(ヴィラージュ)』で収穫した『ガメイ』を使用しています。フローラルな果実味に程よいタンニンが溶け込んだミディアムボデです。
- 色:やや明るいルビー色※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:ミディアム
- 産地:ブルゴーニュ地方/ボージョレ地区/
- AOC:AOCボージョレ・ヴィラージュ
- 品種:ガメイ100%
- 生産者:ルイ・ジャド社
- ALC度数:12.5%
- 飲み頃温度:13~15℃
【シャブリ地区】
ウィリアム フェーブル シャブリ
1850年シャブリ地区に創業した生産者『ウィリアム・フェーブル社』の造る辛口白ワインの代名詞『シャブリ」です。
『キンメリジャン』といわれる石灰岩と泥灰岩に『貝殻の化石』などを含んだ土壌から収穫されるシャルドネを使用しています。土壌由来の『ミネラル分』とフレッシュな『柑橘系』の酸味とキレのある辛口タイプです。
- 色:やや緑がかったイエロー※ヴィンテージにより異なります
- 味わい:辛口
- 産地:ブルゴーニュ地方/シャブリ地区/li>
- AOC:AOCシャブリ
- 品種:シャルドネ100%
- 生産者:ウィリアム・フェーブル社
- ALC度数:12.0%
- 飲み頃温度:10~13℃
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はボルドー地方と並ぶ、 フランスの2大生産地のひとつ『ブルゴーニュ地方』の特徴を解説させて頂きました。ブルゴーニュ地方は範囲が広く、土壌や地形の違いなど『畑や地域』より細かく規定されています。恐れく一番複雑な地域なのではないでしょうか?しかしフランスワインを学ぶには外せない産地です。一度に覚えるの難しいと思いますので、少しずつ何度も繰り返し学んでいきましょう。
次回はスパークリングワインの最高峰『シャンパーニュ地方』を解説したいと思います。