有名な「ドンペリ」ですが、実はたくさんの種類があります。
今回はドンペリニヨンの種類や味の特徴などを中心に、8種類をご紹介いたします。
夜の社交場でもお馴染みのドンペリ(ドンペリニヨン)は、お酒を嗜まない方にも広く知られる圧倒的なネームバリューを誇るシャンパンです。
高価なものと認知されているので、贈り物にはもちろん、パーティなどでドンペリが出てくれば場が盛り上がること請け合いです。
誰もが知る有名なドンペリニヨンですが、実は色々な種類があり、意外とご存知ない方も多いのではないでしょうか。
この機会にドンペリニヨンの種類や特徴を知って、選ぶ時の目安としたり、飲む際の話題などにお役立て下さい。
目次
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ドンペリの正式名称や由来
通称ドンペリの正式名称は「ドン・ペリニヨン(Dom Pérignon)」。ベネディクト会の修道士ピエール・ペリニヨン(1638年〜1715年9月24日)にちなんで名付けられました。「ドン」とはフランス語の敬称で、敬愛を込めてドン・ペリニヨンと呼んでいるわけですね。
当時、修道士ピエール・ペリニヨンが修道院の酒庫係をつとめていた際に、偶然発泡性のワインを発見。これがシャンパンの発祥とされています。その後、ピエール・ペリニヨンはシャンパンの開発に尽力します。
当時、ワインは「キリストの血」と呼ばれ大切な飲み物とされていました。修道院は研究施設の役割も兼ねており、修道士たちはワインの醸造を行っていたのです。ミサでもワインが使用されていたと言われています。
ちなみに、ドンペリはフランスのモエ・エ・シャンドン社が生産しています。そうです、定番シャンパンであるモエシャンと同じメーカーがつくっているんです。
ドンペリニヨンの特徴と種類
ドンペリニヨンは、モエ・エ・シャンドン社のシャンパンブランドとして1936年に初めて販売されました。シャンパンの父と称される修道僧ドン・ペリニヨンから名前を取っています。
「シャンパンの王様」と代名詞が付くほどまでに有名となったドン・ペリニヨンの特徴を、3点以下にご紹介します。
ドンペリニヨンの特徴①「ヴィンテージシャンパンである」
通常シャンパンメゾンのスタンダードクラスは、収穫年を記載しないノンヴィンテージのものが一般的です。その理由はヴィンテージごとの出来のばらつきを抑え安定した水準を保つために、過去に収穫した年のワインをブレンドし品質を維持するため。
しかし、ドンペリニヨンはスタンダードからすべてヴィンテージシャンパンです。ヴィンテンージシャンパンは単一の収穫年のブドウのみで造られます。
ブドウが条件を満たさない年は、必ずしも造られるとは限らないため希少性が高まります。これが値段が高い理由の一つです。
ドンペリニヨンの特徴②「熟成年数が長い」
二つ目の大きな特徴は、熟成年数が長いことです。
シャンパンは通常15ヶ月瓶内で澱とともに熟成させてから出荷されます。ヴィンテンージシャンパンの場合は、最低熟成年数は3年です。
しかし、ドンペリはスタンダードのものでも
8年以上の熟成を経て出荷されます。
ドンペリニヨンはすべてがヴィンテージシャンパンであり、通常より長い年月を経てリリースされることが値段の高さの理由でもあります。
ドンペリニヨンの特徴③「当たり外れが少なく手に入りやすい」
ドンペリニヨンは、厳選された区画から採れた希少なぶどうだけを使用し、思うようなブドウができない年は製造しないという徹底した品質管理を行っています。そのため、超当たり年というものは存在するものの、どの年のヴィンテージも満足のいく品質のものが造られています。
また、生産本数は公には公表されていませんが、40万ケース前後ではないかと噂されています。1ケースは12本なので、1年間に約4,800,000本ものドンペリニヨンが製造されているという計算になります。
その生産本数の多さから、多くのワインショップやワインバーでも見かけることができる高級シャンパンとなり、一般に広まっていったことは容易に想像がつきます。
そして、驚くべきはその全てがパーカーポイント90点以上を叩き出しているという高度な醸造技術・品質管理です。
飲みたいと思った時に容易に手に入り、品質にもばらつきが少ないドンペリニヨンは、自分用としてはもちろんのこと、贈呈用としても自信を持って選ぶことのできるシャンパンです。
ドンペリニヨンのランク・グレード
ドンペリニヨンに代表されるシャンパンには、大きく以下の3つのランク(グレード)があります。
- ノンヴィンテージ:複数年のブドウから造られるワインをブレンドして造られたシャンパン。
- ヴィンテージ:単一年(年号)に収穫されたブドウのみを使って造られるシャンパン。その年のブドウの個性が表現されるシャンパン。
- プレステージ キュヴェ:各造り手が威信をかけて造る最高級シャンパン。
ドンペリニヨンの特徴でも説明したように、ランクは、全てが「ヴィンテージ」或いは「プレステージ キュヴェ」に該当します。
それでは、ドンペリニヨンの中でのランクはどのように考えられているかというと、その基準は熟成期間の長さといわれています。
以下に、熟成期間と参考価格をランク順に記載しました。
1.ドンペリニヨン ヴィンテージ(ドンペリ白)
- 熟成年数:8年〜
- 参考価格:15000円~
2.ドンペリニョン ロゼ (通称ドンペリピンク、ピンドン)
- 熟成年数:10年程度〜
- 参考価格:約26000円〜
3.ドンペリニヨン P2 (1998年以降ドンペリニヨンエノテークから名称変更)
- 熟成年数:16年程度〜
- 参考価格:約38000円〜
4.ドンペリニヨン エノテーク(通称ブラック・プラチナ)
- 熟成年数:16年程度〜
- 参考価格:約54500円〜
5.ドンペリニョン レゼルヴ ド ラベイ(通称ドンペリゴールド)
- 熟成年数:20年程度〜
- 参考価格:約87800円~
6.ドンペリニヨン P3
- 熟成年数:25年程度〜
- 考価格:約203400円~
その他にも、光る瓶のドンペリや、限定生産された特別に希少価値の高いドンペリなど、様々な種類のものがあります。次の項では、ランク順にその特徴と、様々な種類のドンペリについてご説明します。
ドンペリニヨンに当たり年はあるの?
先にもお話しした通り、ドン・ペリニヨンは、ブドウの出来が良い年にのみ造られるヴィンテージシャンパンです。
そのため、全てが当たり年と言っても過言ではないドン・ペリニヨンではありますが、その中でも群を抜いて最高の出来と言われる超当たり年のドン・ペリニヨンもあるんです。
超当たり年ヴィンテージのドンペリニヨンおすすめ4選
それでは、超当たり年と言われるヴィンテージのドン・ペリニヨンを紹介させていただきます。
1996年ヴィンテージ
1996年はフランスのシャンパーニュ地方のブドウの出来は「破格」とされた年でした。
ご参考までに、1996年ドンペリ白の平均価格は3万円程度、ドンペリロゼの平均価格は5万円程度となっています。
ドンペリ白:ワイン評論家からの評価が平均94.7点という高評価です。
ドンペリロゼ:パーカーポイントで97点を獲得しています。ワイン評論家からの評価が平均93.9点という高評価です。
2002年ヴィンテージ
2002年はフランスのシャンパーニュ地方全体としてブドウの出来が「傑出」とされた年でした。
ご参考までに、2002年ドンペリ白の平均価格は2万円程度、ドンペリロゼの平均価格は4万円程度となっています。
ドンペリ白:パーカーポイントで96点を獲得しています。ワイン評論家からの評価が平均93.8点という高評価です。
ドンペリロゼ:パーカーポイントで98点を獲得しています。ワイン評論家からの評価が平均94.2点という高評価です。
2004年ヴィンテージ
2002年同様、2004年はシャンパーニュ地方全体としてブドウの出来が「傑出」とされた年でした。
ご参考までに、2004年のドンペリ白の平均価格は2万円程度、ドンペリロゼの平均価格は3万5千円程度となっています。
ドンペリ白:ワイン評論家からの評価が平均94.6点という高評価です。
ドンペリロゼ:ワイン評論家からの評価が平均94.1点という高評価です。
2008年ヴィンテージ
2008年は少し番外編です。それは、「ドンペリ2008」はドンペリ史上初の発売時期が2009年と前後した記憶に残るヴィンテージだからです。「ドンペリ2009」は2017年に販売され、「ドンペリ2008」はその約2年後の2019年に販売されました(2018年にドンペリの最高醸造責任者交代を記念したレガシーエディションで先行販売されています)。
その理由は、2008年はシャンパーニュ地方の気候が特に冷涼だったためブドウの酸が際立っており、長期間の熟成が適していたからだといわれています。結果、2008年は2002年と並ぶ程の優良なヴィンテージとなりました。余談ですが、同様の理由で、ルイ・ロデレール クリスタルも、2009年ヴィンテージを先に発売しています。
このように、ヴィンテージシャンパンであるドンペリは、その年毎のブドウやワインの状態によって、造り手が熟成期間を調整し、最高の品質で販売をしています。質にこだわるドン・ペリニヨンの姿勢が明らかになった年とも言えるでしょう。
ご参考までに、2008年のドンペリ白の平均価格は1万9千円程度、ドンペリロゼの平均価格は3万5千円程度となっています。
ドンペリ白:ワイン評論家からの評価が平均94.8点という高評価です。ワインスペクター誌で96点を取得しています。
ドンペリニヨンを8種類ご紹介
スタンダードなものから数百万円するドンペリまで、ご紹介します。
また、ドンペリニヨンは正式名称とは別にドンペリピンク(ピンドン)、ドンペリゴールドなどの通称があります。
正式名称と合わせて、8種類のドンペリニヨンをご紹介します。
ドンペリニョン ヴィンテージ (ドンペリ白)
こちらが最も有名なドンペリニヨンのスタンダードです。瓶内熟成の期間は8年で、ドンペリニヨンの中で一番入手しやすいものになります。
入手できる最新のヴィンテージは2009年です。古いヴィンテージになると希少度が増すので、値段が高くなる傾向があります。
また、パッケージをアーティストとコラボレーションした特別仕様のデザインもあり、サイズもマグナムやジェロボアムなどがあります。
コレクターズアイテムとして付加価値がついているものもあり、チャールズ皇太子とダイアナ妃がご成婚の際のドンペリニヨンはなんと百万円以上の価格で取引されています。こちらはダイアナ妃のお父様が、ダイアナ妃の生まれた年の1961年のヴィンテージで特注した1.56リットルサイズのものです。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:白
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml ~
- 参考価格:15000円~
ドンペリニョン ロゼ (通称ドンペリピンク、ピンドン)
ピンクのドンペリなのでピンドンという通称でも知られている、女性に好まれる見た目と華やかさでは随一です。
この美しいロゼ色を出すために、原酒にピノ・ノワールから造られる良質な赤ワインをブレンドするアッサンブラージュという製法が使われています。つまり、通常のドンペリニヨン 白に比べ製造工程が増え、手間ひまをかけて造られています。
また、ピノ・ノワールの成熟が良い年のみ造られるため、稀少性が高くドンペリ白に比べ入手困難です。
熟成年数は、赤ワインの渋みを消すため、10年以上とドンペリ白よりも長めです。
熟成年数の長さとその稀少価値から、価格は、ドンペリ白より倍近くも高くなります。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:ロゼ
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml ~
- 参考価格:26000円〜
ドンペリニヨン P2 (1998年以降ドンペリニヨンエノテークから名称変更)
1998年以降、エノテークは『P2』と名称変更して販売されるようになりました。
P2のPは「プレニチュード(熟成のピーク)」の略であり、P2の2は「2」度目の熟成のピークを表します。
現在リリースされているP2の最新ヴィンテージは2000年で、こちらもロゼとマグナムがあります。
ドンペリには三回の熟成のピークがあり、一度目はスタンダードの熟成期間である8年、二度目がP2の16年、三度目はP3の25年としています。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白 ロゼ
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml ~
- 参考価格:38000円〜
ドンペリニヨン エノテーク(通称ブラック・プラチナ)
エノテークは、さらに長期の16年程度の熟成を経た黒いエチケットのもので通称ドンペリブラックと呼ばれています。
1976年以前のエノテークは「プラチナ」の通称があり、ロゼとマグナムがあります。
1998年以降、後継品のドンペリニヨン P2として販売されているため、現在販売されているものはどれも古酒になります。そのため、ヴィンテージによって価格に大きな幅があり、30万円を超える”エノテーク”も存在します。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白 ロゼ
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml ~
- 参考価格:54500円~
ドンペリニョン レゼルヴ ド ラベイ(通称ドンペリゴールド)
エチケットが金色なことから、通称ドンペリゴールドと呼ばれています。
熟成期間は20年。本国フランスと日本でのみ販売されていると言われる貴重な品です。
ゴールドのエチケットが祝賀ムードを盛り上げてくれ、さらに木箱に納められているので、お酒に詳しい方へのとっておきの贈り物としてぴったりです。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml
- 参考価格:87800円~
ドンペリニヨン P3
高級シャンパンのアイコンのような存在であるドンペリの中でも、とりわけ高価なのがこのP3です。
三度目のプレにチュード(熟成のピーク)を迎えてからリリースされます。その熟成期間はなんと25年。
長期熟成に耐えられる卓越したポテンシャルのブドウでないと造られない希少なものであり値段は跳ね上がります。ロゼとマグナムサイズもあります。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白 ロゼ
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml~
- 参考価格:203400円~
ドンペリニヨン ルミナス
瓶の底にスイッチがあり、点けると暗闇で48時間程エチケットが点灯するボトルです。
中身はドンペリニヨンヴィンテージのスタンダードですが、イベントの演出に効果的に用いれば場が一層華やぐでしょう。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白 ロゼ
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml
- 参考価格:18000円~
ドンペリニヨン ヴィンテージ1995ジェロボアム (通称ホワイトゴールド)
1995年に限定100本で生産されたジェロボアム(3リットル瓶)で、ボトルがホワイトゴールドで造られています。
世界で四番目に高いシャンパンと言われ、値段は150万円〜400万円と定かではありませんが、コレクションアイテムであり入手することが大変困難な品だと思います。
- 原産国:フランス
- 産地:AOC シャンパーニュ
- 格付け:
- 品種:シャルドネ ピノノワール ピノムニエ
- タイプ:発泡 白
- 生産者:モエ・エ・シャンドン社
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:3000ml
- 参考価格:150万円~400万円
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ドンペリニヨンはスタンダードの他、熟成年数により様々なラインナップや限定パッケージが存在します。
パーティなど華やかなシーンや、節目のお祝いなどにヴィンテージ合わせてプレゼントするなども粋な計らいになると思います。参考にしてみてください。