おすすめのフランスワインをご紹介します。
シャンパーニュの丘陵・メゾンとカーヴ

## フランスワインの特徴
ワイン生産量1,2位に君臨し続けるワイン王国フランス。生産量だけでなく世界的に有名な銘醸地が多いことも、フランスがワイン王国たる所以でしょう。2018年のワイン輸出額は89億ユーロで世界一です。

## フランスワインのAOCとは?
テロワールを重要視するフランスワイン。このように産地とワインの結びつきが大きいフランスでは、1935年にA.O.C.(原産地統制呼称)が成立しました。この法律によってワインに原産地を名乗るためには、厳しい規定(ブドウ品種、最低アルコール度数、醸造法、最大収量等)に則ったブドウ栽培や醸造を行うことが必要となったのです。

## フランスワインの主な産地とワインの特徴
フランスでは各地方にワイン産地が点在しています。

### シャンパーニュ地方
言わずと知れた発泡性ワインの代表『シャンパーニュ』の産地です。パリから140kmほど東に位置するシャンパーニュ。寒冷な気候とミネラル豊富な白亜質の土壌から他の産地では真似することのできないシャンパーニュを造り出しています。4大ブドウ栽培地は、モンターニュ・ド・ランス地区、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、コート・デ・ブラン地区、コート・デ・バール地区です。

### アルザス地方
フランスの北東部に位置するアルザス地方。ドイツと国境を接し、歴史的背景からもドイツの影響を強く受けています。主要なブドウ品種もドイツのそれと似ていて、リースリング、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ゲヴェルツトラミネール、ミュスカ、ピノ・ノワールなどがあります。

### ブルゴーニュ地方
キリスト教の修道会によりワイン造りが始まったブルゴーニュ。世界的に有名な銘醸地が多く、特徴としては単一品種で造られるワインが多いことでしょう。ブルゴーニュの主要品種は、赤ではピノ・ノワール、白ではシャルドネが有名です。同じブルゴーニュ内・同じ品種・同じ格付けで造られるワインであってもその個性は様々です。例えば、シャブリで造られるシャルドネワインと、モンラッシェで造られるシャルドネワインは全くの別品種かのような味わいです。

### ジュラ・サヴォワ地方
ジュラは、ブルゴーニュの東に位置するワイン産地です。ジュラで有名なのは、産膜酵母下で熟成されたヴァン・ジョーヌや、陰干しブドウから造られるヴァン・ド・パイユといった特徴的なワインでしょう。サヴォワは、スイス・イタリアと国境を接し、アルプス山脈の麓に位置します。白ブドウが多く栽培されていて、主要品種はジャケール、アルテス等です。

### ローヌ地方
ローヌ川沿いに、北はヴィエンヌ南はニームまで南北250kmに渡るローヌ地方。北部と南部では全く違った気候・土壌のため、造られるワインのタイプも変わってきます。北部では、シラー主体の赤ワイン、南部ではグルナッシュ主体の赤ワインが多く造られています。白ワインでは、ヴィオニエやマルサンヌ、ルーサンヌが有名です。A.O.C.ワインの生産量は、ボルドーに次ぎフランス第2位です。

### プロヴァンス地方
ニースやカンヌなど、世界有数のリゾート地としても有名なプロヴァンス。プロヴァンスといえば生産量の89%をも占めるロゼワインでしょう。この地方の料理『ブイヤベース』『ラタトュイユ』『ニース風サラダ』との相性もピッタリです。

### ラングドック・ルーション地方
フランス南部、プロヴァンスの西隣に位置するワイン産地です。恵まれた気候のおかげで有機栽培を実施しているのブドウ畑が多いのが特徴で、最近注目を集めている自然派ワインも多く造られています

### ボルドー地方
フランスの南西部に位置する、ブルゴーニュと並んで銘醸地の多いワイン産地です。ボルドーにはボルドー大学醸造学部があり、世界中の若き醸造家のたまごが集まります。カリフォルニアのナパ・ヴァレーやイタリアのボルゲリもボルドーの影響を強く受けています。この地方のワイナリーは『シャトー』と呼ばれ、1855年のメドック格付けでシャトー毎に格付けが行われました。今日では、61のシャトーに1〜5級の格付けが付与されています。

### 南西地方
フランス南西部の広大な地域で、テロワールも多様なため、およそ120もの土着品種が造られています。主要品種は、ボルドーと近いこともあり、ボルドー品種が多く造られています。ドルドーニュ川流域のモンバジャックでは、上質の貴腐ワインが造られます。

### ロワール地方
フランス最大ロワール川流域に広がる東西に伸びるワイン産地。ロワール川河口から、ペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区、サントル・ニヴェルネ地区が広がります。主要品種は白ではムロン・ド・ブルゴーニュ、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、赤ではカベルネ・フラン、ピノ・ノワール、ガメイ等が栽培されています。

## フランスワインの主なぶどう品種
赤・白別に栽培面積順位(2015年時点)と主な栽培地をご紹介します。

#### 赤ワイン用ブドウ品種
第1位:メルロ(114,631ha)・・・ボルドー、南西地方、ラングドック、ルーション 
第2位:グルナッシュ(85,408ha)・・・南部ローヌ、ラングドック、ルーション 
第3位:シラー(66,376ha)・・・ローヌ、プロヴァンス、ラングドック、ルーション 
第4位:カベルネ・ソーヴィニョン(49,798ha)・・・ボルドー、南西地方、ロワール、プロヴァンス、ラングドック
第5位:カリニャン(37,409ha)・・・ラングドック、ルーション、プロヴァンス、コルシカ島、南部ローヌ
第6位:カベルネ・フラン(33,779ha)・・・ボルドー、南西地方、ロワール
第7位:ピノ・ノワール(32,230ha)・・・ブルゴーニュ、アルザス、ジュラ、ロワール、シャンパーニュ 

#### 白ワイン用ブドウ品種
第1位:ユニ・ブラン(84,464ha)・・・シャラント、南西地方、ボルドー、プロヴァンス、コルシカ島 
第2位:シャルドネ(48,919ha)・・・ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ジュラ、ロワール
第3位:ソーヴィニヨン・ブラン(30,000ha)・・・ボルドー、南西地方、ロワール
第4位:セミヨン(10,823ha)・・・ボルドー、南西地方 
第5位:ミュスカデ(10,226ha)・・・ロワール
第6位:シュナン(9,910ha)・・・ロワール
第7位:コロンバール(9,705ha)・・・シャラント、南西地方

## フランスワインの選び方
ご参考までに、迷った時に使える選び方のポイントをご紹介します。

### 重厚感のある赤ワインが好きならカベルネ・ソーヴィニョン主体のボルドー
ボルドーワインは『ブレンドしてなんぼ』のワインです。まず、メインとなる品種があり、そのメインを引き立てるためのエッセンス(骨格や深み複雑さ等)をプラスするための名脇役となる品種・配合を決めます。メインとなる品種は、所謂ボルドー品種と呼ばれるカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランなどです。重ための赤ワインを飲みたい方には、その中でも、果皮が厚く晩熟なカベルネ・ソーヴィニヨン主体のボルドーワインがおすすめです。重厚感があり、且つ、名脇役が良い働きをしてくれて、満足度の高いワインになっていることが期待できます。

### エレガントな赤ワインが好きならブルゴーニュ
ブルゴーニュの赤といえばピノ・ノワールです。ピノ・ノワールは果皮が薄いためタンニンも少なく繊細でエレガントなワインになります。渋みが苦手な方や、酸味が好きな方、軽やかでありつつ深みのあるワインを飲みたい方におすすめです。ブルゴーニュ内でも広く造られているピノ・ノワールですが、やはり格付け畑で造られたピノ・ノワールは、これぞテロワール!という感動に包まれます。滑らかさ・奥行き・複雑さ・芳しさ…どれをとっても他の産地とは異なるエレガントで魅惑的なワインを造り出します。

### 泡の王様シャンパーニュ
とっておきの日に、パッと華をそえてくれるシャンパーニュ。プレゼントにも最適です。一言でシャンパーニュといっても色んなタイプがあります。より深みのあるシャンパーニュがお好みであればブラン・ド・ノワールのシャンパーニュ、よりエレガントなシャンパーニュがお好みであればブラン・ド・ブランのシャンパーニュがおすすめです。

### サラミやコショウのようなクセを楽しむ、コート・デュ・ローヌのシラー
北部ローヌの代表といえば、シラーです。そして、シラーといえばその野性的な特徴がクセになるワインです。ワインとお食事を合わせる際の基本中の基本は、『似た者同士は仲が良い』です。ちょっと違うかもしれませんが『目には目を、クセにはクセを』みたいな感じです。サラミや胡椒など香辛料の効いたお料理、ジビエなどクセのあるお料理にも、シラーであれば負けることなく相乗効果で美味しく楽しむことができるでしょう。

## フランスワインの歴史をちょこっと紹介
フランスに初めてブドウ栽培がもたらされたのは紀元前6世紀頃と言われています。フランスの2大銘醸地と言われているボルドーとブルゴーニュは、中世期以降にワイン造りが広がっていきますが、始まり方・発展の仕方には違いがあります。ボルドーでは、王妃がヘンリー2世と結婚したことで、ボルドーワインの英国へ輸出が促進されたことで繁栄していきました。一方、ブルゴーニュはキリスト教の修道会により銘醸畑が開拓され繁栄していきます。今でも、ボルドーのワイナリーはシャトー(城)と呼ばれていたり、ブルゴーニュが畑ごとに格付けされていることも歴史を辿っていくと理解できますね。最近では、今まではあまり注目を浴びてこなかった他の地域も素晴らしいワインが多く造られています。中でも、個人的に注目しているのはラングドック・ルーション地方。オーガニックで栽培するブドウから、醸造法も可能な限り自然な方法にこだわり、ブドウ本来がもつ個性を存分に引き出した体に優しいワインが多く造られています。今後も、フランスワインの発展に期待です。

https://wine.sapporobeer.jp/article/france_wine/
https://kaminoshizuku.jp/blog/168
https://www.kirin.co.jp/entertainment/wine_academy/knowledge/region/france.html
https://my-best.com/5241