パーティなどの場で馴染み深い「モエ・エ・シャンドン」。実は多くの種類があるのをご存知でしょうか?
今回はモエ・エ・シャンドン9種類とその歴史的背景をご紹介します。
モエ・エ・シャンドンは世界で最も有名なシャンパンの一つと言えます。
また古典的なシャンパーニュ造りに加え、近代的な設備による『革新的な醸造』を取り入れた、ハイクオリティーな生産者としても広く知られています。
名前はよく聞くものの、実際にどのような種類があるのかご存知でしょうか?
今回は圧倒的な知名度を誇るモエがどのようなシャンパンなのか、歴史を交えつつその種類をご紹介します。
【基本情報】
■Champagneシャンパーニュとは?
シャンパーニュ(仏: Champagne/シャンパン)とは、フランスの北部シャンパーニュ地方特産のスパークリングワインの呼び名です。固有な名称なので、シャンパーニュ地方以外の他エリアのスパークリングワインをシャンパーニュ(シャンパン)と呼ぶ事は認められていません。
目次
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モエ・エ・シャンドンはシャンパン売上世界No.1 !
日本でもお馴染みのモエ・エ・シャンドンは世界一売上があるシャンパンのラグジュアリーブランドです。
フランスシャンパーニュ地方のエペルネで270年以上の歴史を誇る世界最大規模のシャンパンメゾンで、その敷地内にあるセラー・迎賓館「オランジェリー」・「ホテルモエ」が世界遺産に認定されています。
どのような年でも安定した品質を保つために1190ヘクタールの広大な畑を持ち、さらに農家からもブドウを買い付けることで果実の品質を維持し、卓越した醸造家チームの手を経て一貫性のある味わい実現しています。
*シャンパンカテゴリー世界売上No.1(IWSR Report 2016)https://www.mhdkk.com/brands/moet_chandon/
モエ・エ・シャンドンが世界的に有名な理由
華やかな場には欠かせないシャンパーニュ。その中で特にモエ・エ・シャンドンが突出している理由に次の3つが挙げられます。
- 1)歴史的背景
- 2)セレモニー要素
- 3)巨大な企業力
それぞれ詳しく見てみましょう。
1)歴史的な背景
モエ・エ・シャンドンは1743年クロード・モエが創設しました。フランス王室に献上され、ルイ15世や愛妾ポンパドール夫人をはじめ宮廷の王公貴族や政治家のお気に入りとなり、フランス王室公式シャンパンに認定されます。
そしていち早く国際化の方針を固め輸出に踏み出し欧州やアメリカを中心に拡大して世界的に広まって行きました。その後、 英国王室御用達のお墨付きを得るまでになります。また三代目当主のジャン・レミー・モエはナポレオンと旧知の間柄であり、ナポレオンはシャンパンで戦勝を祝うほど熱心な愛好家であったこと知られています。
さらに三代目当主は他のワインを造るのを中止し、すべての努力をシャンパン一本に絞る決断を下し見事にモエの価値を高めることに成功しました。
2)セレモニー要素
レースの表彰台で良く見かけるシャンパンファイトは、ル・マン24時間耐久レースの優勝者が観衆に向けてモエ・エ・シャンドンをかけたことが最初で、成功や勝利の場で度々用いられ脚光を浴びるようになり『1900年代後半にはF1の公式スポンサー』にもなりました。
またパーティーを華やかに彩るシャンパンタワーはモエ・エ・シャンドンがプロモーションの一環として始めたものです。
3)巨大な企業力
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン) グループのワインスピリッツ部門に属し巨大な企業力を元に世界150カ国に輸出され、高いブランドイメージを世界に発信し続けています。
【補足情報】
1987年に『ルイ・ヴィトン社』、ブランデーのコニャックで知られる『ヘネシー社』と合併し『LVMHルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー』グループとなりました。また高級シャンパーニュの代名詞『ドンペリニヨン』も傘下に属しています。現在、毎年200万ケース以上のシャンパーニュが世界中に出荷されています。
■シャンパーニュの甘辛度
シャンパーニュの甘辛度はドザージュ(補糖)という作業により以下のように分けられます。
1.ウルトラブリュット極辛口
2.ブリュット辛口
3.セック(Sec)やや辛口
4.ドゥミセッ ク(Demi Sec)甘口
5.ドゥ(Doux)極甘口
■シャンパーニュ(シャンパン)の楽しみ方
そのまま飲んでも美味しいシャンパーニュ(シャンパン)ですが、他にも楽しみ方は様々あります。
1.家飲み料理と楽しむ
様々な料理と相性の良い万能タイプなところがシャンパーニュの特徴です。本格的なレストラン料理はもちろんですが、家飲みの料理に合わせても楽しめます。
程よい塩気や素材の味が引き立つシンプルな味わいとスタンダードなブリュット(辛口)タイプ。
・塩茹でした枝豆や空豆
・天ぷら(野菜や海老など塩で食べる場合)
・蕎麦(ざる蕎麦)
2.スイーツと楽しむ
食後のデザートなど様々なスイーツにも相性の良いシャンパーニュ。フレッシュなフルーツなどの甘みにもよく合います。近年ではシャンパンを置くパティスリーやカフェも増え、スイーツとシャンパンのマリアージュにも注目されています。
・ビスキュイ・ド・シャンパーニュ
※シャンパーニュ地方の伝統菓子。少し硬めのビスケットのような菓子で、シャンパーニュに浸して食べるのが最もポピュラーです。
・トリュフショコラ(チョコレート)
※ワインとチョコレートは基本的に合わないと言われますが、上品なシャンパーニュの泡立ちと上質なトリュフショコラのビターな味わいは高級感を演出してくれます。
・イチゴ(ラズベリー)、マスクメロン
※フルーツであるブドウから造られるシャンパーニュ(シャンパン)は言うまでもなくマッチします。映画「プリティ・ウーマン」(1980年)のワンシーンでもあった
イチゴとの組み合わせはシャンパーニュをより引き立たせてくれます。その他メロンや桃など上質なフルーツとの相性はとても良いです。
3.シャンパンカクテルで楽しむ
その名の通りシャンパンをベースとするカクテルで、古くから飲まれてきた楽しみ方のひとつです。
【代表的なシャンパンカクテル】
(引用:onfoodietrail.com)
・キールロワイヤル
※『王のキール』と呼ばれる、カシスリキュールを使用したシャンパンカクテルです。 基はフランス・ブルゴーニュ地方にあるディジョンという街の市長『フェリックス・キール氏』が考案したもので、冷えた白ワインとカシスリキュールです。キール・ロワイヤルは隣国のオーストリア産まれのカクテルです。
(引用:onfoodietrail.com)
・ミモザ
※ミモザはオレンジジュースで割ったシャンパンカクテルです。正式名称は『シャンパーニュ・ア・ロランジュ(オランジュ=オレンジ)』で、鮮やかな黄色がミモザの花の色合いに似ている事から名付けられたと言われています。
(引用:onfoodietrail.com)
・ベリーニ
※ピーチネクターを使用したシャンパンカクテルです。1948年イタリアのヴェネツィアにあるハリーズ・バーで生まれた、綺麗なピンク色が女性に大人気のリッチで甘めな味わいが特徴です。
もっと詳しくシャンパーニュついて知りたい方はコチラの記事をご参考に!!
大人気ソムリエ直伝!シャンパンおすすめ銘柄まとめ|選び方や種類も徹底解説
モエ・エ・シャンドンの種類9選
ここからはモエ・エ・シャンドン9種類をそれぞれご紹介します。
モエアンペリアル
モエを象徴する存在、スタンダードでありシンボルです。
1869年にナポレオンとの親交の証としてナポレオン生誕百周年の記念に、旗艦シャンパンにアンペリアル(=皇帝)の名を冠して初めて出荷されました。
シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種を使用しており、100種類ものベースワインをブレンドした一貫性のあるスタイルを持ち、味わいはフレッシュかつエレガントです。
乾杯はもちろん、和洋中などのコース料理でも全体を通して食事に寄り添い楽しめます。
サイズは375ml のハーフボトルや200ml のミニボトルを始め様々なサイズや限定パッケージがあり、贈り物の定番です。
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:シャルドネ20-30% ピノ・ノワール30-40% ピノムニエ30-40%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:4400円
ロゼアンペリアル
野苺、フランボワーズ、チェリーの風味を持つモエアンペリアルのロゼです。
アンペリアルと同様ドライな味わいでフルーティな香りが特徴的です。品種は『ピノ・ノワール』を主体に使用されており、味わいにもコクと余韻が感じられます。
サーモン料理など淡いロゼ色をした料理からボリューム感のある肉料理など、よりしっかりとした味付けや旨味の強い食材を含め幅広いお料理と合わせて楽しめます。
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール40-50% ピノムニエ30-40% シャルドネ10-20%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:5200円
ネクターアンペリアル
門出のリキュールの量を45g/L(比較:アンペリアル9g/L)にしたやや甘口のシャンパーニュ。
トロピカルフルーツの熟した味わいにフレッシュグレープフルーツの香りです。
単独で飲むのも良いですし、比較的しっかり味付けしたお食事やハーブや香辛料を使用したエキゾチックな味わいにもマッチします。中国料理や食後のスイーツと合わせても良いでしょう。
シャンパーニュ地方では、慣習的に「やや甘口」=Nectar ネクターという名称が使われています。https://www.mottox.co.jp/blog/staff/2908/
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール40-50% ピノムニエ30-40% シャルドネ10-20%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:6800円
ネクターアンペリアルロゼ
ネクターアンペリアルのロゼ(ドザージュ30g/L)です。
熟れた野苺や黄桃、イチゴジャムのような味わいです。通常のロゼ・アンぺリアルより黒ブドウ『ピノ・ノワール』を多めにブレンドした芳醇で力強く華やかな味わいが特徴的です。
前菜なら果実を使った甘味がアクセントになったお料理や、メインなら少し濃厚な味付けの物にバランスが取れます。
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール45-55% ピノムニエ35-45% シャルドネ5-10%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:6800円
アイスアンペリアル
2015年6月に発売された夏期限定の商品です。フランスではシャンパーニュに氷を入れる飲み方があり、この飲み方は『ピシン(プール)』と呼ばれプールサイドでの定番の楽しみ方のひとつです。
「氷を浮かべて完成する」ほんのり甘口のシャンパーニュでマンゴーやグァバの良く熟したトロピカルフルーツと仄かにショウガのスパイス香があります。夏場のバカンスにぴったりです。
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール40-50% ピノムニエ30-40% シャルドネ10-20%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:5900円
アイスアンペリアルロゼ
2017年春に発売されたアイスアンペリアルのロゼです。
赤いベリーやチェリーの風味と優しい甘味をグレープフルーツのほのかにビターな余韻で引き締めます。
単独で飲んで楽しんでも良いですし、パーティーやバカンスで新しい趣向として楽しんでみたいアイテムです。口の広い通常のワイングラスにクラッシュアイスを詰めてアイスアンペリアルを注ぐと、見た目もお洒落になりパーティーの演出にも良いでしょう!
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:ピノ・ノワール45-55% ピノムニエ35-45% シャルドネ5-10%
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:6900円
グランヴィンテージ
優れた出来の年だけ造られるヴィンテージシャンパーニュです。最高の年のブドウ『シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ』を使用して、セラー(貯蔵庫)で5年間の熟成を経てから出荷されます。
最初のヴィンテージは1842年、近年では2008年、2009年リリースされています。今年販売されるは2012年は74ヴィンテージ目となり、ロゼはこれまで42ヴィンテージあります。洋梨のようなアロマティックな果実味にクルミやヘーゼルナッツのような香ばしいエレガントな余韻が楽しめる逸品です。
2009年は、前年を上回る理想的な気象条件により、健康的で完璧の域に達した完熟度の高いブドウが実り、糖度も酸度も申し分のない成熟した味わいのヴィンテージ シャンパンとなりました。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000265.000006986.html
- 原産国:フランス
産地:シャンパーニュ - 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:8600円~9900円
ウルトラプレミアムキュヴェ MCⅢ
2018年ロンドンで開催されたワインコンクール IWC(インターナショナルワインチャレンジ)最優秀賞を受章しています。
MC Ⅲ の「MC」はモエ・エ・シャンドンを意味し、「Ⅲ」は『メタル』(ステンレススティールタンク)・『ウッド』(オーク熟成)・『ガラス』(瓶内熟成)で表される三つの醸造技術を融合して造られたモエ・エ・シャンドン究極のキュヴェです。
ステンレス(金属)、オーク(木)、ガラス(瓶)という違った素材による特徴を醸し出しています。特にガラス(瓶)では『澱(おり)』と一緒に熟成されているため、エレガントで深みある余韻が楽しめます。
ソムリエの田崎真也氏は、 次のようにコメントをしています。
「香り、 味わい共に、 バランスがとても良く、 『MCIII』の特徴でもある3つの要素が立体的かつ、 複合的に融合した非常に完成度の高い今までにないシャンパーニュです。 いくつもの平面的な要素が集約して球体になったように感じます。 無限の表現力を持った完成されているワインですから、 一皿ずつ完成度の高い料理、 たとえば会席料理などとも相性が良いでしょう。 」
https://www.google.com/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000150.000006986.html
- 原産国:フランス
- 産地:シャンパーニュ
- 格付け:AOC シャンパーニュ
- 品種:
- タイプ:発泡
- 生産者:モエ・エ・シャンドン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格:49000円
至極の高級品 エスプリデュシエクル
販売はされていませんが、1999年に百年紀交代を祝うアイテムとして生産されたエスプリデュシエクルが存在します。
20世紀の傑出した11のヴィンテージをブレンドして瓶内三次発酵で造られ限定323本のみの至極の高級品です。
モエ・エ・シャンドンの聖域ともいえるセラーの中で厳重に保管されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
モエ・エ・シャンドンの種類をスタンダードから至極の高級品までご紹介しました。
モエ・エ・シャンドンの持つ成功や勝利といった華やかなイメージは、歴史的な様々なエピソードに由来するものであり、お祝いなどのシーンで度々登場するのも納得です。
プレゼントはもちろん、季節や状況に応じて使い分けて楽しんで下さい。