毎年6月から7月にかけて雨の降る日が多くなる梅雨時期。気温が上がることにより、ジメジメと蒸し暑くなってきます。
気候だけではなく体調も不安定になりがちで、食欲も落ちてしまいます。
そこで今回は梅雨時期の不快感を吹き飛ばす、弱発泡性おすすめワインを7種ご紹介したいと思います。
フランス・イタリア・オーストラリアの3か国のおすすめワインを揃えましたのでお好みのワインを見つけてみてください。
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弱発泡性ワインとは?
弱発泡性ワインとは、スパークリングワインの1種です。
二酸化炭素による泡立ちで、その泡の素となるガス圧が3気圧以上のものを強発泡性ワインと言います。
代表的なものにフランスのシャンパーニュ、イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァなどがあります。
一方、弱発泡性ワインは3気圧未満のガス圧のものを言います。二酸化炭素の含有量は通常の強発泡性ワインの25%〜50%ほどです。
代表的なものは下記になります。
・ペティアン Petillant(フランス、その他各国)
・ランブルスコLambrusco(イタリア)
・フリッツァンテFrizzante(イタリア、スペイン)
どれもプチプチとした優しい泡立ちで、口に含むと非常に爽快感のある味わいです。ガス圧も弱めなので、お腹にたまらず食事をいっそう楽しくしてくれます。
スパークリングワインのタイプの違い
スパークリングワインには大きく分けて3つの造り方があります。
1.シャンパーニュ製法(瓶内二次発酵方式)
シャンパーニュ製法とは通常発酵したワインをボトルに詰め、糖分と酵母を加え再度瓶内で発酵させる造り方です。
瓶内で発酵させるため、ボトル1本1本手作業で行われます。また味わいや品質を均一化するためにも様々な工程と職人の技術も必要となります。
そのため大変コストもかかり、高額な商品となる理由の一つでもあります。
フランスのシャンパーニュ地方が発祥ですが、他にもスペインのカヴァなどがあります。
2.シャルマ方式
シャルマ方式とは二次発酵を密閉タンク内で行う造り方です。
シャンパーニュ製法以外のスパークリングワインの大部分はこの方式で造られています。
3.炭酸ガス注入方式
通常発酵して瓶詰めしたワインに炭酸ガスを注入する、比較的低価格なスパークリングワインの造り方です。
簡単に炭酸ガスを注入出来る事から、短期間でコストを抑えて造ることが可能です。
しかし、大量生産型のため泡のきめ細かさなども荒く、気が抜けやすいというのが難点です。
代表的なスパークリングワイン
シャンパーニュ(Champagne)
フランスの北部シャンパーニュ地方で瓶内二次発酵により造られる、スパークリングワインの中でも上級クラスになります。
ガス圧は5〜6気圧と高めです。
ちなみにですが、シャンパーニュ地方以外で造られたスパークリングワインはシャンパーニュと名乗る事は出来ません。
ヴァン ムスー(Vin Mousseux)
ヴァン ムスーはシャンパーニュ地方以外のフランス産のスパークリングワインの総称です。
ガス圧はシャンパーニュ同様5〜6気圧です。
ムスーとはフランス語で(泡)という意味です。
クレマン(Cremant)
クレマンはフランスのスパークリングワインの一つで、瓶内二次発酵により造られるシャンパーニュの次に上質と位置づけられているものです。
フランスのブルゴーニュ地方やアルザス地方の実力派生産者によるものが多く、シャンパーニュとは別に世界中のファンからの支持を得ています。
ペティアン
ペティアンとは弱発泡性ワイン一つで、ガス圧が2.5気圧以下のスパークリングワインです。
フランスのロワール地方を中心に生産されており、近年では自然派ワインやオーガニックワインなどの生産者のものが印象的になってきています。
ペティアンはスパークリングワインだけでなく、通常のワインとして扱われる場合もあります。
ペティアンとはフランス語でパチパチと弾けるという微発泡のことを表した言葉です。
スプマンテ
スプマンテはイタリアでのスパークリングワインの総称です。
シャルマ方式により造られる事が大半ですが、こだわる生産者によっては瓶内二次発酵のシャンパーニュ製法で造られる場合も多々あります。
スプマンテの中には赤の微発泡ワインでランブルスコというものもあります。
程良い渋味のあるやや甘口タイプやバランスの良い酸味のある辛口タイプの2種類があります。
ランブルスコの鮮やかな赤い泡は飲み慣れてない初心者の方にも大変人気です。
カヴァ
スペインのバルセロナのあるエリアカタルーニャ地方でシャンパーニュ製法の瓶内二次発酵により造られる、ワンランク上のスパークリングワインです。
本格的な醸造によるシッカリとした辛口な味わいとシャンパーニュよりもリーズナブルな点が魅力的です。
フリッツァンテ
フリッツァンテはイタリアの弱発泡性ワインの一つです。ペティアン同様にガス圧は2.5気圧以下のものを言います。
イタリアのスッキリとした味わいの辛口タイプやモスカート種など使用した程良い甘味のあるタイプもあります。
食と相性が抜群
肉料理や魚料理など、様々な食事と合わせて相性を楽しむのもワインの醍醐味の一つです。
しかし、調理法や味つけによっては、相性の良くない組み合わせも多々あります。
通常の白ワインや赤ワインでしたら食との相性にも何かと気を遣いますが、スパークリングワインは万能型なので比較的どんな食事にでも合います。
肉、魚はもちろん、野菜にも合います。また和・洋・中やエスニックなどあらゆるジャンルの料理にも合うのも嬉しいです。
梅雨にぴったりな爽やかすっきり弱発泡性ワイン7選
ここからはフランス・イタリア・オーストラリアの国別におすすめワインを紹介します。
【フランス】ペティアンナチュレル・アスタ・ラ・ヴィズラ
フランスはロワール地方の新進気鋭の生産者ソンセール ヴァンが自然農法(ビオディナミ)栽培により造るペティアンです。
アルザス地方に所有する畑で栽培収穫したリースリング、ピノグリ、ピノブランを発酵が始まるまで冷蔵保存し、その後ロワールまで運び醸造しています。
トロピカルな果実味にキレとシッカリとした酸味が折り合わさった辛口タイプです。
そら豆や青豆などを使用したサラダやハーブの効いたサーモンマリネなど酸味が特徴の料理と相性が良いです。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方
- 格付け:-
- 品種:リースリング50%、ピノグリ25%、ピノブラン25%
- タイプ:(白)弱発泡性ワイン
- 生産者:ソンセール ヴァン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,800円~3,500円
【フランス】ナナ・ヴァン バブリー!ペティアン・ロゼ
フランスはラングドック ルーション地方の生産者ナナ ヴァンが有機農法(ビオロジック)で造るでロゼのペティアンです。
有機栽培された南仏の赤ワイン用のブドウ品種サンソーを100%使用しているため、香りや風味にもスパイシーさとハーブのようニュアンスを感じる心地よい酸が特徴の辛口ロゼです。
スモークサーモンなど魚介系の他、ローストビーフや仔羊の香草焼きなどハーブや香味野菜を使った料理によく合います。
- 原産国:フランス
- 産地:ラングドック ルーション地方
- 格付け:-
- 品種:サンソー100%
- タイプ:(ロゼ)弱発泡性ワイン
- 生産者:ナナ ヴァン エ カンパニー
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,500円~3,000円
【フランス】ラ グラップリ ペティアン ラ ブエロワーズ
フランスはロワール地方の生産者ラ グラップリが有機農法(ビオディナミ)栽培により造るペティアンです。
有機栽培されたシュナンブランと樹齢100年の品種ピノドニスを収穫後に地中に掘られたカーブの木樽に入れて、手を加えず自然発酵させます。
SO2無添加で無濾過で瓶詰めしているため、やや白濁したにごり酒』のような色合いと燻したスモーキーな風味のある辛口タイプです。
スモークチキンやスモークチーズ、その他燻した鯖など薫香の効いた料理やスパイスなど複雑な風味のある料理によく合います。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方
- 格付け:-
- 品種:シュナンブラン60% ピノドニス40%
- タイプ:(白)弱発泡性ワイン
- 生産者:ラ グラップリ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,500円~3,000円
【イタリア】オテッロ ネロ ディ ランブルスコ
イタリア北部エミリア ロマーニャ州の生産者カンティーナ チェーチの造る弱発泡性ワインランブルスコです。
この地の偉大な音楽家ジュゼッぺ ヴェルディの生誕200年記念に造られた限定ボトルです。
ランブルスコマエストリという品種を使用しており、フランボワーズ(木苺)やチェリーのような風味が特徴的です。
赤い泡立ちは鮮やかで見た目も楽しく、味わいはやや甘口から辛口まであります。
生ハムの産地でもあるため生ハムのサラダはもちろん、サラミなど塩気のある味わいやローストビーフなどの肉料理にもよく合います。
- 原産国:イタリア
- 産地:エミリア ロマーニャ州
- 格付け:-
- 品種:ランブルスコマエストリ
- タイプ:(赤)弱発泡性ワイン
- 生産者:カンティーナ チェーチ
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,900円~3,300円
【イタリア】フリッツァンテ リサッカ NV カンティーナ チンクエ テッレ
イタリアのリグーリア州のユネスコ世界遺産チンクエ テッレの崖にある生産者カンティーナ チンクエ テッレの造るフリッツァンテです。
ブドウ品種はトレッビアーノ、ヴェルメンティーノ、ボスコ、アルバローラなどが使用されています。
様々な品種の特徴がバランスよく溶け込み酸味と果実味の豊かな辛口タイプです。
ビネガーやレモンなど柑橘系を使用した前菜や魚の塩焼きなど和のテイストにもよく合います。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア州
- 格付け:-
- 品種:トレッビアーノ、ヴェルメンティーノ、ボスコ、アルバローラ
- タイプ:(赤)弱発泡性ワイン
- 生産者:カンティーナ チェーチ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:1,500円~2,000円
【イタリア】カミッロ・ドナーティ マルヴァジーア・ローザ
イタリア北部エミリア ロマーニャ州の生産者カミッロ・ドナーティが有機農法(ビオロジック)で造るでロゼのフリッツァンテです。
白ワイン用品種のマルヴァジア アロマティカ ディ カンディアというマルヴァジア種のなかでも更に香り高くアロマティックな品種を使用し、瓶内二次発酵で造られています。
最後に赤の弱発泡性ワイン用に保存してあった黒ブドウのモスト(ワイン用のぶどう果汁のこと)をブレンドしてロゼに仕上げます。
すもも、黄桃のような甘酸っぱい風味と爽やかな柑橘風味と苦みを感じる辛口ロゼのフリッツァンテです。
タコのカルパッチョやサーモンソテーなど魚介類はもちろん、ポークステーキやヒレカツなど肉の脂の甘みのある料理にもよく合います。
- 原産国:イタリア
- 産地:エミリア ロマーニャ州
- 格付け:-
- 品種:マルヴァジア アロマティカ ディ カンディア95%、他黒ブドウ5%
- タイプ:(赤)弱発泡性ワイン
- 生産者:カミッロ ドナーティ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,300円~2,800円
【オーストラリア】ペティアン ナチュレル BK・ワインズ
南オーストラリアのアデレードヒルズ地区のBK・ワインズが有機農法(ビオロジック)で造るペティアンです。
造り手はカリフォルニアのオーパスワンの醸造長も務めた、ニュージーランド出身ブレンダン・キースです。南オーストラリアのバスケットレンジというエリアを拠点としています。
有機栽培されたシャルドネ100%で醸造され、酸化防止剤は一切使用していません。
爽やかな果実味とシャルドネ特有のトーストのような香ばしい風味のある繊細な口当たりの辛口タイプです。
焼きたてのパンや白身魚のムニエルの他、鶏肉のクリーム煮や焦がしバターソースを使用する料理などによく合います。
まとめ
【梅雨にぴったり】爽やかすっきり弱発泡性おすすめワイン7選はいかがでしたでしょうか?
天気も悪くジメジメと蒸し暑い日々が続きます。気候の変化の影響で体調を崩してしまいがちな時期でもあります。
そんなジメジメを吹き飛ばし、食欲も促進くれる弱発泡性ワインで是非、今年の梅雨時期を乗り切りましょう。