今年もボジョレーヌーヴォーの季節がやってきましたね。2019年のワインの出来や、おすすめの銘柄の選び方をご紹介します。ボジョレーヌーヴォーを一層楽しめるように、成り立ちや歴史も併せて解説しました。
毎年11月に入ると、ワインショップやデパート、スーパーのワイン売り場に「ボジョレー・ヌーヴォー」の文字が躍ります。
普段はワインに興味が無い方も、この時期だけはワインを身近に感じ、「1本買ってみようかな」と考えることも多いのではないでしょうか。
しかし毎年のように「50年に1度の出来!」「ここ数年で最高のヌーヴォー!」とキャッチコピーがつけられるボジョレー・ヌーヴォーは、どんなものを選べば良いのか分りません。
そこで今回は、
- そもそもボジョレー・ヌーヴォーとは?
- なぜ解禁日が設定されているのか?
- ソムリエが伝授するボジョレー・ヌーヴォーの選び方
- 2019年の出来は?
- ソムリエ厳選「造り手」で選ぶ2019ボジョレー・ヌーヴォー
といった内容を詳しくお伝えしてまいります。
みなさんのボジョレー・ヌーヴォー選びのお手伝いが出来れば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
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そもそも「ボジョレー」「ヌーヴォー」ってなに?
ボジョレー・ヌーヴォーとは「魚沼産コシヒカリ」の「新米」
ボジョレー・ヌーヴォーの「ボジョレー(Beaujolais)」とは、世界最高峰のワイン産地であるフランス・ブルゴーニュ地方の南端、ボジョレー地区で作られたワインのこと。
また「ヌーヴォー(Nouveau)」はフランス語で「新しい」という意味です(英語のNew)。
つまりボジョレー・ヌーヴォーとは、「ボジョレー地区」で作られた「新酒」のワインのことを指します。日本のお米でいえば、「魚沼産コシヒカリ」の「新米」というわけです。
ボジョレー・ヌーヴォーの歴史
国を問わず、農作物などの収穫が終わると「収穫祭」が行われます。
ボジョレー地区でも秋になるとブドウの収穫を祝い、その年に収穫したブドウで作った新酒のワインで乾杯をしていました。これがボジョレー・ヌーヴォーの始まりです。
そして元々ボジョレーワインで使用される「ガメイ」というブドウ品種は、フレッシュでフルーティーな味わいを楽しむものだったのに加え、ボジョレー・ヌーヴォーはさらに収穫したばかりのブドウを使って作ります。
そのためその新鮮で清々しい味わいは大評判を呼び、やがて近隣の町、ボジョレー以外の他の地域でも飲まれるようになっていったのです。
なぜ「解禁日」が設けられているのか?
しかしボジョレー・ヌーヴォーが大評判を呼び、他の地域にも広がっていくと、「収穫祭での祝い酒」としての性格は薄れ、ビジネスとしての性格を帯びてきます。
すると「他人よりも早くボジョレー・ヌーヴォーを作って売れば大儲けできる」と考える人が出てきて、ボジョレー・ヌーヴォーの早売り競争が始まってしまうわけです。
最終的にはまだワインになっていないジュースのようなものを売る業者まで現れ、品質の悪いボジョレー・ヌーヴォーが出回るようになってしまいました。
そこで1967年、フランス政府が規制に乗り出したのです。
解禁日以前にボジョレー・ヌーヴォーを販売してはならない
フランスには厳格な「ワイン法」があり、その中で1967年に
- 新酒を造ることができる地域(ちなみに有名なボルドー地方ではヌーヴォーが作れない)
- 11月15日という解禁日
が定められました。
発売時期で先行できないのであれば、後は「味」で勝負するしかありません。そのため粗悪なボジョレー・ヌーヴォーは一気に減り、品質が一気に向上したのです。
土日は定休日なので「11月の第三木曜日」
こうして11月15日という解禁日が決められたわけですが、このように「日にち」で決められていると都合の悪いことが起こります。
フランスでは土日を定休日としているお店が多いのですが、年によっては11月15日が土曜日や日曜日になってしまうのです。そこで「ならば曜日できめよう」ということになり、1984年、現在の「11月の第三木曜日」が解禁日と決まりました。
海外でのボジョレー・ヌーヴォーの評価
そもそもフランスにおけるボジョレーワインは「比較的安くて気軽に飲めるワイン」という位置づけです。
ボジョレー地区は世界最高峰のワイン産地であるブルゴーニュ地方の一部ですが、高級赤ワインを作り出すコート・ド・ニュイ地区などが長期熟成に向き複雑な味わいとなる「ピノ・ノワール種」で赤ワインを作るのに対し、ボジョレー地区で赤ワイン用の品種として認められているのは「ガメイ種」です。
ガメイ種は「早飲み」で「フレッシュ」さや「フルーティー」さを楽しむブドウ品種。
そのためワインに重厚さや味わい深さを求めるフランスを始めとするワイン先進国において、ボジョレー・ヌーヴォーの評価は決して高いものではありません。
普段使いで気軽に飲むワインであり、味わい云々という対象ではないのです。
日本はボジョレー・ヌーヴォー最大の輸入国
ワイン全体の消費量でいうと、日本はトップ10にも入りません。
ワインブームと言われつつも、世界的に見るとそれほどワインをたくさん飲む国ではないのです。
しかしことボジョレー・ヌーヴォーとなると、日本はアメリカなどを押さえ「世界最大の輸入国」 となります。それは一体なぜなのでしょうか。
「初物好き」の国民性
「初鰹」に代表されるように、お米の「新米」、お茶の「新茶」、日本酒の「新酒」等々、日本人はとにかく「初物好き」な国民です。
そんな日本人にボジョレー・ヌーヴォーはうってつけ!
更に日付変更線の関係で、日本はニュージーランドなどに続いて「世界で最も早くボジョレー・ヌーヴォーが解禁される国」の一つとなっています。
これで人気が出ないわけがありません。
ワインを飲み慣れていない人にも飲みやすい
フルーティーで軽い味わいのボジョレー・ヌーヴォーは、普段ワインを飲み慣れていない日本人にも飲みやすいものとなっています。
またその軽い味わいが意外と和食とマッチしたり、日本人が普段良く口にするトマトを使ったパスタやハンバーグによく合うというのも人気の秘密となっているのです。
ソムリエが伝授するボジョレー・ヌーヴォーの選び方
ボジョレー・ヌーヴォーの基本的な種類
色は赤かロゼ
通常のボジョレーワインの場合、ガメイ種から作られる赤ワインの他、ロゼや白ワインも生産されていますが、ボジョレー・ヌーヴォーとして生産が認められているのは「赤とロゼ」だけです。
ただロゼワインが赤よりも人気があると言われるフランスではともかく、日本に輸入されるボジョレー・ヌーヴォーのほとんどは「赤ワイン」となっています。
ボジョレーとボジョレー・ヴィラージュ
ボジョレー・ヌーヴォーには、
- ボジョレー
- ボジョレー・ヴィラージュ
- ボジョレー+コミューン名(村名)
といった種類があります。
この中で、ボジョレーはボジョレー地区で作られたワインであれば名乗ることができますが、ボジョレー・ヴィラージュやボジョレーの後にコミューン名がついたワインについては、「限られた地域で作られたワイン」しか名乗ることができません。
ボジョレー・ヴィラージュのヴィラージュとは「村」という意味で、ボジョレー地区の北部に位置します。
一般的なボジョレーが石灰岩の土壌で育った軽快な味わいなのに対し、花崗岩(かこうがん)土壌が多くなるボジョレー・ヴィラージュでは、味わい深く力強いワインとなります。
そのためボジョレー・ヴィラージュやボジョレー+コミューン名のヌーヴォーは、一般的なボジョレー・ヌーヴォーに比べ「高級」「高品質」な位置づけです。
「新潟産コシヒカリ」に対する「魚沼産コシヒカリ」をイメージしていただくと分りやすいと思います。
ボジョレー・ヌーヴォーの失敗しない選び方
値段で選ぶ
一口にボジョレー・ヌーヴォーといっても、数百円で購入できるものから4~5,000円といった高級品まで、その値段は様々です。
値段が高ければ必ず美味しいというわけではありませんが、ある一定以上の値段になると美味しいボジョレー・ヌーヴォーが増えるという「ライン」はあります。
そのラインは「3,000円」が目安です。
スーパーなどのワイン売り場でも、Amazonなどのネット販売でも、3,000円前後のボジョレー・ヌーヴォーであれば、美味しいワインに出会える可能性がかなり高くなります。
アルコール度数に注目
ワインはブドウの糖分を発酵させ、アルコールに変換して製造されます。そのため完熟して糖分が高い、高品質なブドウを使用したワインほどアルコール度数が高くなるのです。
そこでこの「アルコール度数」をボジョレー・ヌーヴォー選びに利用してみます。
アルコール度数が高い=良質のブドウを使用しているということは、美味しいワインである可能性が高いというわけです。
ボジョレー・ヴィラージュを選んでみる
先ほどもご説明したとおり、ボジョレー・ヴィラージュはワンランク上の高品質なボジョレーです。
そこでヌーヴォーでもボジョレー・ヴィラージュ・プリムール(1番という意味、ヌーヴォーと同じ)を購入すれば、失敗する可能性がかなり低くなり、安心です。
ブルゴーニュの有名な造り手なら失敗がない
ブルゴーニュ地方の中でも世界最高峰の赤ワインを生産するのは「ジュヴレ・シャンベルタン村」やロマネ・コンティを擁する「ヴォーヌ・ロマネ村」を含むコート・ド・ニュイ地区です。
そしてこのコート・ド・ニュイ地区で世界最高峰のワインを作る生産者の中には、ボジョレー・ヌーヴォーも手がけている造り手がいます。
有名なところでは、
- 世界最高のテイスターとも言われる「ルロワ」
- 日本人醸造家、中田晃司氏率いる「ルー・デュモン」
- 老舗のメゾン「ジョセフ・ドルーアン」
などがあげられます。
これらの造り手のボジョレー・ヌーヴォーは値段は張りますが、その味わいは確かなもので、選んで失敗がありません。
ボジョレー・ヌーヴォーに合う料理
赤ワインというとステーキや牛肉の赤ワイン煮込みのような「こってり」とした料理に合わせるイメージですが、軽快でフレッシュな味わいのボジョレー・ヌーヴォーには「比較的軽めの料理」がよく合います。
お肉だったら豚肉かチキンを
ボジョレー・ヌーヴォーにお肉を合わせる場合、調理したときに「白く」なるお肉、「豚肉」や「チキン」がよく合います。
日本食にもよく合う
軽くさっぱりとしたボジョレー・ヌーヴォーは、典型的な和食の他、トマトソースを使ったパスタやハンバーグ、生ハムのサラダなど、日本人が普段口にする「日本食全般」にもよく合います。
ボジョレー・ヌーヴォーが解禁されたら、ぜひ普段のランチ、晩ご飯と合わせてみてください。
ボジョレー・ヌーヴォー 2019年の出来は?評価は?
ボジョレーの出来を左右する条件
お米のデンプン質を酵素の力で糖分に変え、それをアルコール発酵させる日本酒とは違い、ブドウの糖分をダイレクトにアルコール発酵させるワインは、他のお酒以上に原料である「ブドウの出来」が味わいを左右します。
そんなブドウの出来を決めるのは、
- 気温
- 降水量
- 日照時間
の3つだと言われています。
気温
ワイン用のブドウ栽培に適した気温は以下の通りです。
年間平均気温 | 10~16℃ |
---|---|
開花期(6月) | 15~25℃ |
成熟期(7~9月) | 20~25℃ |
これよりも気温が低いと生育が遅れ、気温が高いと生育が進んでブドウの成熟が早まります。
ブドウは乾燥地帯原産の植物なので高温には強いのですが、今年のような記録的な熱波の年(パリでは40℃以上の日が何日も続いた)は、枯れてしまって収穫量が減ってしまうこともあります。
ただ日中は暑くても夜間の気温が低く、寒暖差が激しければブドウの生育には好条件となり、ブドウの糖度を高めるための重要な要素となります。
降水量
ワイン用のブドウに適した降水量は、4~10月(ブドウの生育期間)で500~800㎜と言われています。
雨が多すぎると果汁が薄くなり、「水っぽい」ワインになってしまうのです。
またカビや病気が発生しやすくなるなど、降水量とブドウの出来には密接な関係があります。
(ちなみに東京都の年間降雨量は約1,600㎜程度)
日照時間
ブドウは植物ですから、太陽の光を浴び、光合成を行わなくてはなりません。
そのため4~10月の生育期間中、1,000~1,500時間程度の日照時間が必要だと言われます。
気温が高くても曇天が続くような年は、ブドウの糖度が上がらず良いワインを作ることが出来ないのです。
ボジョレーワイン委員会の発表概要
最新のボジョレーワイン委員会のプレスリリースによると、2019年のボジョレーは、
- 春先の霜(しも)と7月初めの雹(ひょう)の影響で収穫量が減少
- ガメイは(ボジョレー・ヌーヴォーに使われるブドウ品種)25%減
- ただし生育期の好天と記録的な猛暑のおかげでブドウはしっかりと成熟
- 2019年のヴィンテージは「難しい年」
- テクニックを存分に発揮するなど、生産者の「手腕」が試されるとこになる
としています。
私の考える2019年のボジョレー・ヌーヴォー
ボジョレーワイン委員会が「生産者の手腕」が必要といっていることから、ブドウの出来は平年並かそれをやや下回るのではないかと思います。
これは記録的な猛暑で糖度が上がったのは良いのですが、一歩間違えると温暖なワイン新興国のワインのように、「のっぺりとした」「めりはりのない」ワインになる可能性が考えられるということです。
そこで2019年のボジョレー・ヌーヴォーを選ぶには、例年以上に「造り手」で選ぶべき年になるのではないか?と個人的には考えています。
「造り手」で選んだ 2019おすすめのボジョレー・ヌーヴォー6選
フィリップ・パカレ ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール
今ではすっかり「自然派ワインの第一人者」と目されるようになったフィリップ・パカレのボジョレー・ヌーヴォーです。
フィリップ・パカレ氏はあのドメーヌ・ルロワやシャトー・ライヤス(ローヌ地方最高峰の造り手)で修行した後、DRC(ドメーヌ・ド・ロマネ・コンティ)の共同経営者、プリューレ・ロックで醸造長を10年務めます。
そして「DRCの醸造長になってくれないか?」というオファーをなんと断り!自らのワインを生産し始めたという気概のある造り手です。
その味わいは自然派ワインの第一人者らしく、ブドウが本来持つ力を、余すところなくワインとして表現したもの。
優しく、そしてしみじみと身体に染みわたるその味は、まるで上質の「出汁」を飲んでいるようで、日本人の味覚にピッタリです。
そしてボジョレー・ヌーヴォーでありながら、しばらく熟成させても楽しめるそのクオリティのため、『ヌーヴォー』ではなく、『ヴァン・ド・プリムール(1番目のワイン)』と名付けています。
ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー セレクション プリュス
いわずと知れた「ボジョレーの帝王」ジョルジュ・デュブッフのボジョレー・ヌーヴォー2019です。
ボジョレー地区やその近隣だけで飲まれていた「地酒」であるボジョレー・ヌーヴォーを、「世界で楽しまれるワインの祭典」となるまで有名にしたのは彼のマーケティングセンス、そして何よりもワインにかける情熱なのです。
その「花柄」のラベルは最もポピュラーで、日本のワインショップやワイン販売コーナーでもよく見かけます。
しかし今回はデュブッフ氏がボジョレーの生産者約3,000軒の中から「2019年のベスト」と認めた6~7軒の造り手のトップキュヴェ(一番良いできのもの)を厳選し、アッサンブラージュ(調合)した最高峰のものをご紹介します。
ボジョレーの帝王の最高峰を楽しんでみてください。
ルー・デュモン ボジョレー・ヌーヴォー
ルー・デュモンは日本人のワイン醸造家、仲田晃司氏が設立したネゴシアン(優れた農家からブドウを買い集め、自ら醸造する生産者)です。
ワインにかける仲田氏の情熱はすさまじく、「ブルゴーニュの神様」というわれたアンリ・ジャイエ氏が大絶賛したほどのクオリティを誇ります。
(※ちなみにアンリ・ジャイエのワインは、1本50万円~数百万円の値段がつく伝説のワインです)
そんな仲田氏が送り出すボジョレー・ヌーヴォーは、V.V.(ヴィエイユ・ヴィーニュ、樹齢が70年を超える古樹)と「高い標高」にこだわります。
老木は若い木よりも深く、広い範囲まで根を張っているため「複雑な味わい」を引き出すことができ、高い標高で育ったブドウは気温が低いため熟成がゆっくりすすみ、「エレガントな味わい」となるのです。
仲田晃司氏渾身のボジョレー・ヌーヴォー。その複雑でエレガントな味わいをお楽しみください。
ルロワ ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール
「生きる伝説」「世界最高のワインテイスター」、ラルー・ビーズ・ルロワ女史(マダム・ルロワ)が紡ぎ出す、世界最高のボジョレー・ヌーヴォーです。
完璧主義者といわれる世界最高のワインテイスターがその「目」と「鼻」と「舌」でアッサンブラージュ(調合)した1本。
ボジョレー独特のイチゴやカシスの軽やかで甘酸っぱい香りを持ちながら、濃密で凝縮された旨味も併せ持つという奇跡をぜひ味わってみてください。
ジョゼフ・ドルーアン ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール V.V.
メゾン・ジョゼフ・ドルーアンは1880年に設立されたブルゴーニュを代表するメゾンです。
世界最高峰の赤ワイン(ロマネ・コンティなど)を生み出す「コート・ド・ニュイ」と、世界最高峰の白ワイン(モンラッシェなど)を生み出す「コート・ド・ボーヌ」に多くの畑を持ち、常に安定した、高い品質のブルゴーニュワインを生産しています。
その安定感は、ブルゴーニュワインを選ぶ際、「ジョゼフ・ドルーアンを選んでおけば間違いない」と言われるほど。
そんなドルーアンからは1クラス上のボジョレー・ヴィラージュ・プリムール、それもヴィエイユ・ヴィーニュのものをご紹介します。
ぜひその安定した上質感を味わってみてください。
ルイ・ジャド ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール
酒神バッカスのラベルで有名な名門「ルイ・ジャド社」。
ブルゴーニュを代表する最大級のワイン生産者であり、1本5万円以上もするグラン・クリュ(特級)シャンベルタンから、2,000円台で購入できる広域ブルゴーニュまで、幅広いワインを安定して生産しています。
自社畑のほとんどはコート・ドール地区(コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌを含む世界最高峰のワイン産地)のグラン・クリュ(特級)とプルミエ・クリュ(一級)でしたが、近年ではボジョレー地区のクリュ・ボジョレー(別格の地区)であるムーラン・ア・ヴァンなどにも畑を所有しています。
そのルイ・ジャドが送り出す2019年のボジョレー・ヌーヴォーからは、ヴィラージュ・プリムールを選んでみました。
ボジョレー・ヌーヴォーというと「早飲み」「飲むなら年内がおすすめ」と言われることが多いのですが、このルイ・ジャドのボジョレー・ヴィラージュ・プリムールはコク深く、熟成にも十分耐えることが可能です。
数本購入し、「解禁直後」「年明け」「来年の春先」と時期を分けて飲み比べてみるのも面白いと思います。
2019年のボジョレー・ヌーヴォーは「造り手」で選ぶ
ボジョレーワイン委員会のプレスリリースからしても、今年のボジョレーは「難しい年」と言えそうです。
そのため「確実に美味しいボジョレー・ヌーヴォーを楽しみたい」「失敗はしたくない」ということであれば、やはり実績のあるしっかりとした「造り手」のものを選ぶことをおすすめします。
今回おすすめした造り手のものであれば間違いありませんし、ボジョレー・ヌーヴォーでありながら、ある程度の熟成に耐え、半年、1年後でも楽しめるものばかりです。
今回の記事が皆さんのボジョレー・ヌーヴォー選びの参考となれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。