日本ワインの主要産地である長野。なぜ長野では盛んにワイン造りが行われているのでしょうか?産地特徴や品種、国政について解説した上で、おすすめの長野ワインを厳選してご紹介します。
現在、長野県は日本ワインの中でも最も活気づいている産地と言われています。NAGANO WINE FESなど長野ワインの大規模試飲会では前売りチケットが完売するという盛況ぶりです。
なぜ長野ワインがそんなに盛り上がっているのか、気になりませんか。
今回は「長野ワインの特徴」や「長野ワインの味わい」などの解説を交えて、おすすめの長野ワインを紹介したいと思います。
目次
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気候と行政の支援に恵まれたワイン産地 長野県
長野県は、山梨県に次いで日本で2番目にワイン生産量が多い産地です。2017年10月時点で長野県には36のワイナリーがあります。そのうち20件が2000年以降に設立されたワイナリーです。長野県のワイン造りが明治時代から始まったことを考えると、近年のワイナリーの増加ぶりは驚くべきことです。
このような背景にはぶどう栽培に適した気候と行政の手厚い支援があります。
ぶどう栽培に適した気候
長野県は、どこも海に面していない内陸で、周囲を山脈に囲まれた盆地気候です。盆地気候は年間降水量が少なく、1日の気温差も季節の気温差も大きくなります。このような気候はぶどう栽培にとても適しています。
長野県原産地呼称管理制度による長野ワインのブランド化
2002年に長野県は日本初の原産地呼称制度を造りました。この制度は、栽培方法、生産方法、味覚などの視点からワインを審査し、クリアしたワインに認定マークをつけるものです。これまで審査には田崎真也氏など著名なソムリエが参加してきました。この制度により長野ワインのブランド化が成功しています。
信州ワインバレー構想による産地個性の明確化
長野県は2013年に「信州ワインバレー構想」を発表しました。これにより長野県は県内の盆地を以下の4地区に分けて、各地区の個性を明確化しました。各産地ではワインと食事や旅行を組み合わせた「ワインツーリズム」が活発におこなわれています。
桔梗ヶ原ワインバレー
塩尻市全域です。長野県のワイン造り発祥の地のため、老舗ワイナリーが多いです。ナイアガラ種、コンコルド種の栽培がさかんでしたが、近年特にメルロで有名です。これはメルシャンの桔梗ヶ原メルロが国際コンクールで金賞を受賞したことがきっかけです。
千曲川ワインバレー
上田盆地、佐久盆地、長野盆地を中心とした地域です。近年個人のワイナリーが増加しています。欧州系品種のメルロ、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどが栽培されています。
日本アルプスワインバレー
松本盆地の松本から安曇野の地域です。ナイアガラ、コンコード、デラウェアなどの栽培がさかんです。
天竜川ワインバレー
中央アルプスと南アルプスに囲まれた伊那盆地の地域です。ヤマブドウやヤマソーヴィニヨンなどの品種が栽培されています。
長野ワインの代表的な品種
コンコードとナイアガラが長野県のワイン生産の6割を占めますが、最近シャルドネやメルロなどの欧州系品種の生産が増加してきています。
フルーティなコンコード
アメリカ原産の黒ぶどう品種。長野県では明治時代から造られてきました。桔梗ヶ原ワインバレーで多く造られています。渋みがおだやかでフルーティな味わいです。甘口のワインに仕上げられることが多いです。
まろやかなメルロ
フランス・ボルドー地方原産の黒ぶどう品種。最近長野県は暖冬になりつつあり、メルロが栽培されるようになりました。果実味が豊かでまろやかな味わいです。
芳香の強いナイアガラ
アメリカ原産の白ぶどう品種。ほどよく酸味があり、マスカットに似た華やかな香りが特徴です。
味わいの幅が広いシャルドネ
世界中で造られる白ぶどう品種。千曲川ワインバレーがシャルドネの産地として有名です。シャルドネは品種自体の特徴はなく、醸造のしかたで味わいが異なります。樽熟成させていないものはリンゴのような味わい、樽熟成させたものは黄桃やバニラの味わいがあります。
長野ワインおすすめ4選
おすすめの長野ワインを厳選してご紹介します。
それでは1,000円から5,000円で購入できる長野ワインをご紹介します。
井筒ワイン スタンダード 赤
井筒ワインは桔梗ヶ原にある90年近く続く老舗ワイナリー。国際的なコンクールでの受賞経験もあるワイナリーです。
このワインはやわらかい渋みと酸味のバランスが良いです。
やや甘口なのでチーズケーキなどのデザートと合わせてお楽しみください。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 品種:コンコード
- 生産者:井筒ワイン
- 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
- ボディ:ミディアムボディ
- 容量:720ml
- 参考価格:900円〜1,500円
林農園 五一わいん エステートゴイチ メルロ
桔梗ヶ原にある林農園は100年を超える伝統あるワイナリーです。戦後、甘口コンコード種のワインが売れなくなった時期に、創業者・林五一は大手ワインメーカーのメルシャンにメルロを提案しました。その結果、メルシャンはメルロで世界的コンクールで金賞を受賞しました。
メルシャンの桔梗ヶ原メルロは1万円を超えますが、もう少し手の届きやすい価格の桔梗ヶ原メルロをお探しの方にはこちらのワインがおすすめです。
この「エステートゴイチ」シリーズは自社農園のぶどうだけで造られた、林農園の自信作です。
カシスのようなまろやかな風味と樽熟成による香ばしさが感じられます。すき焼きと相性が良いです。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 品種:メルロ
- 生産者:林農園
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:720ml
- 参考価格:2,617円〜3,173円
山辺ワイナリー ナイアガラ 辛口
山辺ワイナリーは日本アルプスワインヴァレーにあるワイナリー。
すべてのワインは品種の個性を生かすために単一品種で造られています。日本ワインコンクールでは6年連続で受賞しています。
このワインは青リンゴやメロンのようなすがすがしい味わいです。
野菜を使った料理やカルパッチョなどと相性が良いです。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 品種:ナイアガラ
- 生産者:山辺ワイナリー
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ライトボディ
- 容量:720ml
- 参考価格:1,944円
リュー・ド・ヴァン シャルドネ2016
リュー・ド・ヴァンは千曲川ワインバレーにあるワイナリー。ワイン造りは耕作放棄地を耕して畑を造ることからスタートしました。現在日本国内で評価が高まっているワイナリーです。
このシャルドネはフランス・ブルゴーニュ地方のシャブリのようなスタイル。リンゴのようなさわやかな果実味と酸味、ハチミツのような甘い香りがします。
カキや白味魚などの魚介類とお楽しみください。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 品種:シャルドネ
- 生産者:リュー・ド・ヴァン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアムボディ
- 容量:720ml
- 参考価格:4,500円
まとめ
長野ワインが盛り上がっている理由がおわかりいただけましたか。その理由は、恵まれた気候、行政の支援、そして国際的に評価されるメルロなどです。
ぜひ、この記事を参考に長野ワインをお楽しみください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。