この記事ではシャトーメルシャンの歴史と、シャトーメルシャンのおすすめワイン6本をご紹介します。
近年高く評価されている「小規模個人ワイナリーの先駆」となった若者達の軌跡を、実話を元に作られた映画『ウスケボーイズ』が公開されました。(2018年マドリード国際映画祭にて最優秀外国語映画作品賞を受賞)
映画の主人公達である「ウスケボーイズ」が師と仰ぐ『麻井宇介氏(浅井昭吾氏)』は、シャトーメルシャンの元工場長でもあり、日本ワインの品質向上に多大な功績をもたらした人物です。
その麻井宇介が所属したシャトーメルシャンとはどのようなワインメーカーであるのか。シャトーメルシャンの歴史とおすすめワイ6本をご紹介します。
目次
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シャトーメルシャンとは
シャトーメルシャンの歴史
年々品質の向上が著しい日本ワインのパイオニアともいえる存在のシャトーメルシャンはMerciとan(人)が由来になっています。
1877年に創立された大日本山梨葡萄酒会社をルーツとする、140年以上の歴史を持つ民間初のワイン会社です。
早くから本格ワインの生産に乗り出し、1962年「メルシャン白」がハンガリーで行われた第五回国際コンクールにおいて我が国初の金賞を受賞します。
1970年には正統派日本ワインのブランド「シャトー・メルシャン」が誕生し、現在も多くのシリーズがリリースされています。
そして、1970年代からは他に先駆けて欧州品種の栽培に乗りだし、長野県塩尻市桔梗ヶ原にて国際品種「メルロー」、さらに山梨県甲州市勝沼地区城の平においては垣根式による「カベルネソーヴィニヨン」の栽培にも着手し、成功へ導いています。
シャトーマルゴーの醸造責任者であったポール・ポンタリエ氏をアドバイザーに迎え、国際レベルの技術を積極的に取り入れました。その結果、数々の国際コンクールで入賞を果たすようになり世界的な評価も益々高まっています。
麻井宇介氏の功績
シャトーメルシャンの元工場長であり、『現代日本ワインの父』と称される麻井宇介氏(浅井昭吾氏のペンネーム)をご紹介します。
1970年代に「日本ワインの今後の発展には欧州系の品種の導入が不可欠」と主張し、長野県塩尻市の桔梗ヶ原においてメルローを栽培することを決断します。
冬の氷点下に耐えられず植えた木が枯死してしまうなど、日本の気候における欧州品種栽培の試練を乗り越え、「シャトーメルシャン信州桔梗ヶ原メルロー1985」は、リュブリアーナ国際ワインコンクールで大金賞を受賞する快挙を成し遂げました。
また、麻井氏は日本ワインの発展のために、地元の生産者に企業秘密とも言うべきワインの醸造技術を公開し、地域全体のレベルの底上げに貢献します。
退職後も多くの生産者へ惜しみなく知識を分け与え、日本のワイン業界の品質向上に尽力し、現在もその影響は計り知れません。
麻井氏を尊敬し、自らを『ウスケボーイズ』や『浅井チルドレン』と名乗る生産者をはじめ、ワイン生産に携わる多くの人々は「今日の日本ワインの麻井宇介氏がいなければ存在しない」と口を揃えます。
益々の発展を遂げるシャトーメルシャン
シャトーメルシャンは、現在「山梨・長野・秋田・福島」の四県に畑があり、自社所有の畑と契約栽培のブドウ畑からワインが造られています。
また、日本ワインの市場も10年前の1.5倍と拡大しており、今後も拡大が見込まれています。
2016年の消費数量は、前年を下回ったものの、2006年比では約1.5倍に拡大しています。赤ワインの爆発的人気により大きな消費を生んだ第6次ワインブームの消費数量を超えて拡大中です。
https://www.kirin.co.jp/company/news/2018/0629_02.html
さらなる発展を視野に、既存の「山梨勝沼ワイナリー」と、長野にある「桔梗ヶ原ワイナリー」と、新規の「椀子ワイナリー(2019年完成)」を合わせて現在3つのワイナリー構想が進行中です。
勝沼ワイナリーは一般の方に向けたワイナリーツアーやテイスティング体験が開催されており、ワインの普及活動が積極的に行われていますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。
シャトーメルシャンおすすめワイン6選
シャトーメルシャンのおすすめワインをご紹介します。
シャトーメルシャンが掲げるフィロソフィーは「フィネス&エレガンス」。世界を知り、かつ日本の個性を出した洗練された優美な味わいを追求しています。
トップクラスの『アイコン』、産地の個性を引き出した『テロワール』、日常的に楽しむ『クオリティ』の三層から構成されています。
各シーンで使い分け、お好みのシャトーメルシャンを探してみてください。
シャトーメルシャン北信シャルドネRGC 千曲川左岸収穫2016
2018年の国際コンクールでは、フランスボルドーのワインコンクール「レ・シタデル・デュ・ヴァン」において金賞及び特別賞を、さらにイギリスの「インターナショナルワインチャレンジ」において銀賞を受賞しいます。
長野県北部北信地区千曲川の左岸で収穫された樽発酵、樽熟成のシャルドネです。
パイナップル、アプリコットなどの芳醇な果実味と、バニラやローストアーモンドの複雑性がある味わいです。
クリームを使ったムースやテリーヌ、フリカッセ、鶏や豚肉のブランケットと合わせて楽しみたいです。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 格付け:
- 品種:シャルドネ
- タイプ:白
- 生産者:メルシャン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:
- 容量:750ml
- 参考価格 7400円
シャトーメルシャン桔梗ヶ原メルロー
浅井昭吾氏(麻井宇介氏)により提唱され、1976年から日本において欧州系ブドウメルローの本格的な栽培が始まりました。
苦難を越えて収穫されたブドウを使用し、初めてリリースされた「信州桔梗ヶ原メルロー1985」が世界コンクールの大金賞を受賞し、欧州品種で造られた日本ワインが世界レベルに認められた記念碑とも言えるワインです。
黒い果実とクローブ、腐葉土、バニラの複雑な香りと豊かな果実味。
質の良い牛ロースのステーキにフォンドヴォーを加えたソースなど、素材を活かした調理に比較的しっかりしたソースと合わせたいです。
- 原産国:日本
- 産地:長野県
- 格付け:
- 品種:メルロー
- タイプ:赤
- 生産者:メルシャン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:フル
- 容量:750ml
- 参考価格 11702円
シャトーメルシャン甲州きいろ香
日本の代表品種である甲州ですが、以前は甲州から造られるワインは香りのない無個性なもので、ワイン醸造を諦める生産者もいました。
甲州のポテンシャルを引き出すべく、「シャトーメルシャン」と「ボルドー大学の富永敬俊先生」の共同研究により、甲州の特徴的ともいえる柑橘の香りを化学的に突き止め、引き出すことに成功しました。
海外で話題になり、甲州品種が注目を浴びるきっかけとなったワインです。
味わいはフレッシュなグレープフルーツ、スダチ、爽やかな酸、ミネラル感があります。
柑橘でマリネした鮮魚のカルパッチョ、川魚の塩焼きにスダチを絞ったもの、などにおすすめです。
- 原産国:日本
- 産地:山梨県
- 格付け:
- 品種:甲州
- タイプ:白
- 生産者:メルシャン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:
- 容量:750ml
- 参考価格 2946円
シャトーメルシャン 日本のあわ 穂坂マスカット・ベーリーA
2018年ジャパン・ウーマンズ・ワイン・アワードさくら金賞受賞のワインです。
イチゴ、チェリーを思わせるチャーミングな味わいはとても親しみやすく、ワインを日常的に楽しむ方はもちろん、普段ワインを飲まない方にもおすすめです。
パーティーのオードブル盛り合わせに華を添えたり、日常の食事に合わせて幅広く楽しむのも良いです。
- 原産国:日本
- 産地:山梨県韮崎市穂坂地区
- 格付け:
- 品種:マスカット・ベーリーA
- タイプ:発泡 ロゼ
- 生産者:メルシャン
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:ライト~ミディアム
- 容量:750ml
- 参考価格1582円
シャトーメルシャン甲州グリドグリ
シャルドネと甲州をブレンドした、ふくよかさと爽やかさを併せ持つ「日本ならではのワイン」です。
カジュアルな価格で楽しむことが出来、日々の食事に合わせて楽しむにはうってつけです。
蒸し鶏を柑橘で風味付けしたり、ワカサギの素揚げなど、素材を活かして調理したものと合わせて楽しみたいです。
- 原産国:日本
- 産地:
- 格付け:
- 品種:シャルドネ 甲州
- タイプ:白
- 生産者:メルシャン
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:
- 容量:750ml
- 参考価格 1520円
まとめ
日本で最も長い歴史を誇り、ブドウの栽培から醸造技術に至るまで様々な挑戦で日本ワインを牽引してきたワインメーカーであるシャトーメルシャン。
気軽な日常の食事から、特別な日に開ける一本まで様々なラインナップで魅了してくれると思います。
ぜひ色々お試し下さい。