オーストリアワインの特徴・おすすめ有名銘柄5選【主要産地や品種も解説】
外山ゆみ子外山ゆみ子

オーストリアのワインと言うと、フランスやイタリアに比べて聞き慣れないかもしれません。でも実は洗練されたワインを造る作り手が多く、中でもオーガニックワインの生産が盛んな国なんです。オーストリアワインの特徴や主要産地・品種などをおさえた上で、おすすめワインをご紹介します。

オーストリアと言ったら、モーツァルトやクリムトなど世界的な音楽家や画家を生んだ国です。そんな洗練された国のワインがおいしくないわけがありません。

今回は「オーストリアワインの特徴」「オーストリアワインの代表的な地区」「オーストリアワインの代表的品種」などの解説を交えて、おすすめのオーストリアワインを紹介したいと思います。

オーストリアワインの特徴

ヴァッハウのワイン

オーストリアはドイツと国境を接する国です。そのため、公用語はドイツ語、ワインに使われるぶどう品種やワイン法もドイツと似ています

しかし、オーストリアはドイツと比べると温暖なため、ドイツワインよりボディのしっかりしたものが多いです。

オーストリアはヨーロッパ随一のオーガニック大国でもあります。有機農法の農地の割合が全農地の2割を占めます。ワインも有機農法で造られたものがとても多いです。

また、小規模な家族経営のワイナリーが多いのもオーストリアの特徴です。

また、オーストリアではワインは熟成させずにフレッシュなうちに飲むタイプのワインが好まれます。そのため、日本に輸入されているオーストリアワインも早飲みタイプのものが多いです。

オーストリアワインの代表的な地区

オーストリアワインの産地

オーストリアの二大ワイン産地はニーダーエスタライヒ州ブルゲンラント州です。それぞれの特徴を見てみましょう。

ニーダーエスタライヒ州

ニーダーエスタライヒ州はオーストラリアワイン全体の6割を産出します。グリューナー・ヴェルトリーナーという白ぶどう品種が5割を占めます。

特に有名な地区は以下です。

豊かなミネラル感と酸 ヴァッハウ

ヴァッハウのワインは、ミネラル感と酸の豊かなエレガントな味わいです。

ヴァッハウはリースリングで名声を築きましたが、現在グリューナー・ヴェルトリーナーの生産の方が多いです。

ヴァッハウには独自のワイン格付けがあります。最上位は「スマラクト」と言われる遅摘みぶどうの力強いワインです。

濃厚な果実味 カンプタールDAC

オーストリアのワイン産地として最大の町ランゲンロイスのある地区です。カンプタールのワインは濃厚で果実味があります

スパイシーな味わい ヴァインフィアテルDAC

オーストリア最北の産地。

冷涼な気候のため、酸が強く、スパイシーな味わいのワインが造られます。

力強いワイン ブルゲンラント州

ハンガリー国境に沿って伸びる細長い州です。力強い赤ワインが造られています

特にノイジードラーゼーDACが有名です。ノイジードラーゼーDACはノイジードラーゼー湖畔の北から東を囲む産地。

ツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュなどの黒ぶどう品種を産出しています。

オーストリアワインの代表的な品種

GRUNER VELTLINER(グリューナー・ヴェルトリーナー)

オーストリアのぶどうの栽培面積では白ぶどうが三分の二を占めます。最も栽培面積が大きいのがグリューナー・ヴェルトリーナーです。

グリューナー・ヴェルトリーナー

グリューナー・ヴェルトリーナーはオーストリアを代表する白ぶどう品種です。

辛口から甘口まで造られていて、軽いタイプから重厚なタイプまであります。

リンゴや洋ナシの風味があり、ハーブのような香りと白コショウのようなスパイシーな風味が特徴です。

ヴェルシュリースリング

ヴェルシュリースリングは、ドイツやフランス・アルザスのリースリングとは異なります。オーストリアでは日常消費用のワイン品種です。

ヴェルシュリースリングからは辛口から甘口、スパークリングワインまで幅広いワインが造られています。

青リンゴやかんきつ類のような風味があります。

ツヴァイゲルト

ツヴァイゲルトはオーストリアで最も栽培されている黒ぶどう品種。日常消費用のワインに使われます。酸とタンニンがおだやかでフルーティなワインになることが多いです。

ブラウフレンキッシュ

ブラウフレンキッシュは黒ぶどう品種です。ラズベリーやカシス、甘いスパイスの風味があります。酸とタンニンの豊かなワインになり、長期熟成に向きます

オーストリアワインおすすめ5選

外山ゆみ子外山ゆみ子

オーストリアワインの中でも、リーズナブルで美味しいおすすめ銘柄を厳選してご紹介します。

それでは1,000円から5,000円で購入できるオーストリアワインをご紹介します。

ヒルシュ グリューナー・フェルトリーナー ”ヒルシュフェルクヌーゲン2014

このワインは有機農法のひとつ「ビオディナミ農法」で育てたぶどうを使っています。ぶどうは手摘みで丁寧に収穫されます。

青リンゴやライムのようなフレッシュさがあり、オーガニックならではのピュアな味わいが楽しめるワインです。

アナゴやアスパラガスの天ぷらと相性がいいです。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ニーダーエスタライヒ州カンプタールDAC
  • 品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
  • 生産者:ヒルシュ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ライトボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,490円

ヨハネス・ツィリンガー ヴェリュー グリューナー・ヴェルトリーナー2017

この生産者は30年以上前から有機農法を採用しています。オーストリアでも有機農法のパイオニア的存在です。

カリンや洋ナシの果実味、ハーブの風味があり、酸やミネラル感もしっかりとあります。

スパイスやハーブをきかせた料理などと相性が良いです。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ニーダーエスタライヒ州ヴァインフィアテル
  • 品種:ヴェルシュリースリング
  • 生産者:ヨハネス・ツィリンガー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,246円

アルツィンガー リースリング リーベンベルク スマラクト2012

アルツィンガーはヴァッハウを代表するワイナリーのひとつです。ぶどう畑は急斜面にあるため、機械はほとんど畑には入れません。つまり畑作業は人力が多くなります。

「ミネラルを知りたければアルツィンガーを飲め」と言われるくらい、ミネラル感のある、ボディのしっかりしたリースリングです。

ヴァッハウの「スマラクト」レベルのワインは、オーストリアの一流レストランにオンリストされるワインです。普段の食事に合わせるのは少々もったいないです。ぜひこのワインだけでゆっくり夜の時間をお楽しみください。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ニーダーエスタライヒ州ヴァッハウ
  • 品種:リースリング
  • 生産者:アルツィンガー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:4,860円

ハインリッヒ レッド

生産者ハインリッヒのワインはワイン評価紙でも高評価を得ています。2006年から有機認証団体に所属し、自然派農法に転換しているところです。
このワインはオーストリアの土着品種をバランスよくブレンドしています。フルーティでタンニンがやわらかです。
すき焼きやハンバーグなどと合わせるとおいしいです。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ブルゲンランド州ノイジードラーゼーDAC
  • 品種:ブラウフレンキッシュ、ツヴァイゲルト
  • 生産者:ハインリッヒ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,386〜2,808円

ウヴェ シーファー ブラウフレンキッシュ ブルゲンランド2011

ウヴェ・シーファーはオーストリアの赤ワインで代表的な生産者

タンニンの強いブラウフレンキッシュを木樽で発酵、大樽で熟成させてエレガントでやわらかな味わいに仕上げています。

豚のしょうが焼き焼き鳥などと相性が良いです。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ブルゲンラント州
  • 品種:ブラウフレンキッシュ
  • 生産者:ウヴェ・シーファー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:3,086円

まとめ

オーストリアワインはオーガニックのものも多いので、オーガニックワインを探している方にもおすすめです。

また、スクリューキャップが多いので家飲みに向いています。

ぜひ、この記事を参考にオーストリアワインをお楽しみください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。