極上!日本人が造るカリフォルニアワイン おすすめ5本【ピノ・シャルドネほか】
平山智予平山智予

アメリカにおけるワインの主要産地であるカリフォルニアでは、日本人醸造家たちが奮闘し、高評価のワインを造っています。今回は、注目したいカリフォルニアの日本人醸造家のおすすめワインを厳選してご紹介します。

最近、ワイン産地として人気急上昇中のカリフォルニア。実は日本人ワインメーカーが、古くからこの地で活躍していることを知っていますか?

彼らが作り上げた歴史と、そこから産み出される素晴らしいワインを5つご紹介します!

カリフォルニアは多くの日本人が活躍するワイン銘醸地

ナパバレー

カリフォルニアでは飲みやすくカジュアルなワインが多く生産される一方、ナパ・ヴァレーやソノマ・ヴァレーなど多くの銘醸地があり高品質ワインの醸造が盛んになっています。

代表される高級ワインの一つ、Opus One(オーパス・ワン)の名前はワイン好きでなくても知っている方は多いですね。

果実味のパワフルなジンファンデルやフルボディのカベルネ・ソーヴィニヨン、樽の香りがはっきり感じられるシャルドネのイメージが強いですが、そのフルーティさが特徴的なピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランなども人気の高いワインです。

あまり知られていませんが、カリフォルニアでは、古くから日本人が高品質なワイン作りに取り組んでいます

今回は日本のCalifornia Wine Lover(カリフォルニアワイン愛好家)なら知っておくべき、設立から日本人が関わり今も素晴らしいワインを作り続けているワイナリーをご紹介します。

PARADISE RIDGE :カリフォルニア初!日本人醸造家の誕生

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(引用:https://prwinery.com/

1865年の江戸時代、薩摩藩士であった長澤鼎(ながさわかなえ)は13歳でイギリスに留学しました。

その後、アメリカに渡った長澤はニューヨーク州でワイン醸造を学びます。

そして1875年、カリフォルニアに移りソノマ・ヴァレーでワイナリーを設立、ブドウ畑の病害や禁酒法、外国人差別など幾つもの苦難を乗り越え大成功を収めました。

彼のワインはアメリカのワインコンクールで数々の賞を受賞し、カリフォルニア10大ワイナリーに加えられるほどになります。

かつて彼が初めて踏んだ海外の地イギリスに、初めて輸出されたカリフォルニアワインも長澤のワイン、というのも感慨深い出来事です。

現在、アメリカ人が引き継ぐワイナリーは、彼の栄誉を称えブドウ畑やワインの名前にその名を冠し、人々に愛されるワインを作り続けています。

PARADISE RIDGE Kanaye The Grape King Chardonnay パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング シャルドネ

長澤がワイナリーを設立した地、ロシアン・リバー・ヴァレーのシャルドネが使われたワイン。

彼が薩摩から旅立った1865年から2015年で150周年となったことを記念しリニューアルされたラベルで、当時「Grape King(ブドウ王)」と呼ばれた長澤を讃えています。

豊かで厚みのある果実味とナッツのような芳しい樽の風味があり、緑黄色野菜やエビ、鶏肉や豚肉などとも合わせやすいワインです。

  • 原産国:アメリカ
  • 産地:ソノマ・ヴァレー/カリフォルニア
  • 品種:シャルドネ
  • タイプ:白
  • 生産者:PARADISE RIDGE
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアム
  • 容量:750mL
  • 参考価格:3,510円

Nakai Vineyaed:現代カリフォルニア日本人醸造家の先駆者

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(引用:https://nakaivineyard-shop.com/

1964年、中井章恵(なかいあきよし)氏は家族と共にカリフォルニアに移住します。

果実酒作りの面白さに目覚め、いつしか自分のワイナリーを持ちたいと思い始めた中井氏は、ソノマのカレッジで栽培学を学び始めます。

夢の実現に向けて動き出した彼は、1980年、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーに約8haの土地を購入、これが「ナカイ・ヴィンヤード」の誕生です。

彼の作るブドウは現地ワイナリーに使用され、そのワインは、ワインコンテストで4年連続メダルを受賞するほどになりました。

1999年ついに自らのブランド名「ナカイ・ヴィンヤード」を冠したワインをリリース。

中井氏は、現代の世界で活躍する日本人醸造家の先駆けとなり、海外でワイン作りを志す若者に勇気を与え、尊敬を集める存在となっています。

Nakai Vineyard Sauvignon Blanc Russian River Valley
ナカイ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン ロシアン・リバー・ヴァレー

中井氏がワイナリー設立時から大切に育て続けるソーヴィニヨン・ブランで作られたワイン。

レモンやグレープフルーツなど柑橘類の香りを持ち、爽やかな酸味がスッと抜けていきます。

他の国の同品種に比べ、フルーツ感がしっかり感じられやすく、持ち味であるハーブや白い花のアロマとのバランスが絶妙です。

魚介や様々な和食に合わせやすいワインです。

  • 原産国:アメリカ
  • 産地:ソノマ・ヴァレー/カリフォルニア
  • 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
  • タイプ:白
  • 生産者:Nakai Vineyard
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ライト
  • 容量:750mL
  • 参考価格:3,758円

Clos Pegase:日本人女性と恋に落ちた米国人青年の愛の結晶

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(引用:https://www.clospegase.com/

1955年、カリフォルニア大学の学生だったイアン・シュラム氏は日本に旅行し、ミツコという女性と恋に落ちます。

二人は結婚し、駆け落ち同然でヨーロッパへ移住。

ミツコ氏の影響でワインを飲み始めたイアン氏は、ボルドー大学で妻の好きなワイン造りを学びます。

そして1984年、二人はナパ・ヴァレーの北に位置するカリストガに、ギリシャ神話の「ペガサス」を意味する名を付けたワイナリーを設立します。

愛する妻の名前を付けた「Mitsuko’s Vineyard(ミツコズ・ヴィンヤード)」は上質でエレガントなワインを生み出し数々の賞を受賞、二人のワイナリーは人々に愛されるようになります。

しかし2011年にミツコ氏を亡くし、イアン氏は悲しみに暮れその後ワイナリーを売却。

他の経営者に引き継がれた今もミツコズ・ヴィンヤードの名は残り、そのワイン造りの精神を引き継いでいます。

美術品に囲まれた美しいワイナリーでは、俳優の石田純一さんと東尾理子さんの結婚式が行われるなど、ロマンチックなエピソードが耐えないワイナリーです。

Clos Pegase Mitsuko’s Vineyard Merlot Carneros Napa Valley
クロ・ペガス ミツコズ・ヴィンヤード メルロー カーネロス ナパ・ヴァレー

ミツコズ・ヴィンヤードで収穫されるメルローを主体とした、とてもエレガントなワインです。

一般的なカリフォルニアワインに多くみられる強い樽香やボリュームのあるアルコールを抑え、食事に寄り添うように作られたワイン造りが特徴です。

しっかりした果実の力強さとボディを感じられるので、ステーキや肉の煮込み料理などとよく合います。

  • 原産国:アメリカ
  • 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
  • 品種:メルロー、マルベック、カベルネ・ソーヴィニヨン
  • タイプ:赤
  • 生産者:Clos Pegase
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアム
  • 容量:750mL
  • 参考価格:4,147円

KENZO ESTATE:有名企業のCEOが作るラグジュアリーワイン

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(引用:http://www.kenzoestate.jp/

カプコンといえば日本だけではなく世界中で有名なゲーム会社です。

そのCEOである辻本憲三(つじもとけんぞう)氏は、仕事でカリフォルニアに訪れるうち、その土地のワインに魅了されます。

そして1990年、カプコンが所有するナパ・ヴァレーの土地の一部を個人的に買い取りワイナリーを設立。

その地は周囲のワイナリーから畑として貸して欲しいと何度も相談がある有望な土地でした。

ゲーム業界の第一線で活躍し続ける辻元氏は、ワイン造りも「世界のトップクラスにならないと意味がない」と豪語し、ナパ・ヴァレーのカリスマワイン醸造家、デイビッド・アブリュー、ハイジ・バレット両氏を起用。

旅客機のファーストクラスで採用されるなど、世界中の美食家を唸らせる高級ワインを生み出すようになりました。

野望や夢を持つ方に、何かを語りかけてくれそうなワインですね。

KENZO ESTATE rindo
ケンゾー・エステート 紫鈴

栽培から収穫まで万全の設備でケアがされたカベルネ・ソーヴィニヨンが主体。

心地よい上品な酸と優しく豊かな果実味が実にバランスの良いワインです。

熟したイチゴやブラックベリーの果実とスパイシーなブラックペッパーが美しく絡み合います。

タンニンはきめ細かくなめらかで、余韻は長く続きます。

和牛のステーキやすき焼きなどによく合うワインです。

  • 原産国:アメリカ
  • 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
  • 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベック
    タイプ:赤
  • 生産者:KENZO ESTATE
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアム
  • 容量:750mL
  • 参考価格:19,800円

Nakamura Cellars:カリフォルニア期待の新鋭日本人醸造家

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(引用:http://www.noriawines.com/

ショコラティエの父と料理家の母を持つ中村倫久(ノリヒサ)氏は常に食が目の前にある環境で生まれ育ちました。

サンフランシスコ駐在時にワインに興味を持ち始め、カリフォルニア大学デイヴィス校のワイン学科で醸造を学び始めます。

2005年以降、ワインメーカーとして経験を積んだ彼は、2010年に自身のワイナリーをソノマ・コーストに設立。

海外に出て初めて日本食の豊かさや奥深さに気づいた中村氏は、日本食に合うワインを目指しワインづくりに取り組みます。

数々のブドウ畑をめぐり探し出した繊細なシャルドネとピノ・ノワールを使い、同年、初のビンテージをリリースしました。

既に様々な媒体から高評価を得ており、今後が期待される若く勢いのあるワイナリーです。

Nakamura Cellars Noria Pinot Noir Sangiacomo Vineyard Sonoma Coast
ナカムラ・セラーズ ノリア ピノ・ノワール サンジャコモ・ヴィンヤード ソノマ・コースト

ソノマの厳選されたエリアと生産者が作るピノ・ノワールを使い、巧みに醸されたワイン。

スミレやバラのような華やかで繊細なアロマと瑞々しいイチゴやラズベリーの果実味をしっかり感じることができます。

優しい樽香がワインを引き立てる絶妙なバランスです。

焼き鳥や照り焼きに合わせやすいワイン。

  • 原産国:アメリカ
  • 産地:ソノマ・コースト/カリフォルニア
  • 品種:ピノ・ノワール
  • タイプ:赤
  • 生産者:Nakamura Cellars
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアム
  • 容量:750mL
  • 参考価格:5,810円

カリフォルニアの日本人醸造家をチェック

今回は、日本人醸造家によるロマンあふれるワイナリーのヒストリーと、彼らの情熱により生み出された素晴らしいワインの数々をご紹介しました。

一つでも興味のあるワイナリーやワインを見つけていただけたら嬉しいです。