イタリア ロマーニャ州のおすすめワイン5選

ワイン好きな皆さんは、イタリア料理を召し上がる機会が多いのではないでしょうか?

実は、私たちが慣れ親しんでいるイタリア料理にはエミリア・ロマーニャ州の郷土料理や食材が多く、それらの料理や食材には、同じロマーニャ州のワインが抜群の相性なのです。

そこで、この記事では郷土料理やワインの特徴、ブドウ品種、産地の解説を交えながら、エミリア・ロマーニャ州のおすすめのワインを5本をご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

エミリア・ロマーニャ州とは

エミリア・ロマーニャ州はイタリア北東部に位置し、北はロンバルディア州とヴェネト州、西はピエモンテ州とリグーリア州、南はトスカーナ州とマルケ州に接し、東はアドリア海に面した東西に広い州です。

この州は、大きく北部のエミリア地方と南部のボローニャ地方に分けられます。州都はヨーロッパ最古の大学として知られるボローニャ大学のあるボローニャ。

パスタのミートソース、「ボロネーゼ」の発祥の地でもあります。また、エミリア地方北部に位置するパルマは、イタリア産の生ハムの代表格である「パルマ産生ハム」や、有名なイタリアのチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」の産地です。

このように優れた食材の宝庫であることから、エミリア・ロマーニャ州は「美食の都」とも言われ、多くの食通を魅了しています。

エミリア・ロマーニャ州の気候・風土

エミリア・ロマーニャ州西側の内陸部は大陸性気候で、はっきりとした四季があり、昼夜の寒暖差が大きいのが特徴です。

一方、東側の海岸地帯は地中海性気候。夏に雨が少なく、冬も穏やかな気候のため、ブドウ栽培に恵まれています。実際、エミリア・ロマーニャ州のワインの産地は州の東側に集中しています。

土壌は丘陵地帯が主に石灰質土壌、平野部は沖積土壌が中心です。

エミリア・ロマーニャ州の主なブドウ品種

アルバーナ

アルバーナはエミリア・ロマーニャ州で古代ローマ時代から造られていたという、同州固有の白ワイン用のブドウ品種です。
糖分を多く含み、桃やアプリコットのアロマと、かすかな苦みのあるワインを生み出します。

ピニョレット

ピニョレットはボローニャを代表する白ワイン用ブドウ品種で、ウンブリア州ではグレケットと呼ばれる品種す。
花のような香りをもつ、フレッシュで軽めの白ワインを生み出します。

サンジョヴェーゼ

サンジョヴェーゼは中部イタリアを代表する赤ワイン用ブドウ品種です。
サンジョヴェーゼから造られるワインは、若いときはスミレやチェリーのような香りがあります。
そして、酸とタンニン(渋み)がしっかりとしていますが、熟成するにつれて酸味が穏やかな赤ワインへなります。

ランブルスコ

ランブルスコはエミリア地方の平野部で栽培されている、赤ワイン用のブドウ品種のひとつです。
濃いルビー色の甘口から辛口までの弱発泡性ワインが造られます。

エミリア・ロマーニャ州の代表的なワインの産地

エミリア・ロマーニャ州の代表的なワインの産地としては、次の2つの地区が挙げられます。

ロマーニャ・アルバーナ

ロマーニャ・アルバーナは、ロマーニャ地方のアペニン山脈沿いの丘陵地帯で、イタリアのワイン法における最高の格付けであるD.O.C.G.に認定される地区です。

アルバーナというブドウ品種から、辛口から甘口まで、さまざまな味わいの白ワインやスパークリングワインが造られます。

石関華子石関華子

しっかりとした味わいの辛口タイプは、ラザニアや魚介類のグリルなどと抜群の相性です。

コッリ・ボロニェージ・クラッシコ・ピニョレット

コッリ・ボロニェージ・クラッシコ・ピニョレットは、ボローニャ近郊のD.O.C.G.に認定される産地です。

ピニョレットというブドウ品種から、フレッシュで豊かな酸味を持つ爽快な白ワインが生産されています。

石関華子石関華子

リゾットなどの米類やフレッシュチーズのほか、和食全般とも抜群の相性です。

おすすめのエミリア・ロマーニャ州のワイン5選

おすすめのエミリア・ロマーニャ州のワインをご紹介します。

キアリ ランブルスコ・ロッソ

ワイン初心者の方でも飲みやすく、女性にも人気の1本がこちら。エミリア・ロマーニャ州のモデナに本社を置く、1860年創業の伝統あるワイナリー、キアリが手掛ける『ランブルスコ・ロッソ』です。

ランスパークリングワインといえば白かロゼが主流ですが、ランブルスコ・ロッソはランブルスコというブドウ品種から造られる赤のスパークリングワインで、イタリア国内では日常酒として幅広く親しまれています。

心地よいスミレの香りと程よい甘味が特徴で、ワインが苦手な方にも飲みやすい味わいです。少し低めの温度で飲むと、より美味しくいただけます

パルマ産生ハムやピザなどのほか、鶏の照り焼きなど、甘辛い味付けの和食とも相性抜群です。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 格付け:エミリア・ロマーニャI.G.P.
  • 品種:ランブルスコ
  • タイプ:弱発泡性赤ワイン
  • 生産者:キアリ
  • 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
  • ボディ:ライト~ミディアムボディ
  • 容量:750mL
  • 参考価格:800円~1,400円

メディチ・エルメーテ コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ

「赤のスパークリングワインは飲んでみたいけど、甘いのはちょっと…」という方におすすめなのが、こちらのランブルスコのセッコ(辛口)です。

生産者はかつてイタリアで権勢をふるったメディチ家の流れを汲む*メディチ・エルメーテ。

さまざまな権威のある賞を受賞し、ランブルスコの「安ワイン」というイメージを払拭したランブルスコの立役者的存在の生産者です。*

同社の『コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ』は、ブルーベリーやカシスなどのベリー系の果実のアロマに、優しい泡立ち、ふくよかな果実味と程よいタンニンが特徴的。

ミートソースを使った料理をはじめ、サーロインステーキやハンバーグなど、やや脂肪分が多い料理と抜群の相性です。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 格付け:レッジャーノD.O.C.
  • 品種:ランブルスコ
  • タイプ:スパークリングワイン(赤)
  • 生産者: メディチ・エルメーテ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750mL
  • 参考価格:1,800円~2,500円

モンティチーノ・ロッソ アルバーナ・ディ・ロマーニャ

爽やかな辛口白ワインがお好きな方におすすめの、アルバーノというブドウ品種から造られる1本がこちら。

生産者のモンティチーノ・ロッソは何年もの間、土壌成分や気候条件に気を配り、ブドウ栽培の質を向上させようと努力した結果、イタリアの有名なワイン評価雑誌 『ガンベロ・ロッソ』でも高く評価され続けています。

同社が手掛けるアルバーナ・ディ・ロマーニャは、カモミールや白い花のようなエレガントで繊細な香りと、風味あふれる果実味と酸味、ミネラル分がバランスよく調和した味わいが特徴的。

白ワインではありますが、ラザニアやボロネーゼのパスタなど、この地の郷土料理と相性抜群です。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 格付け:アルバーナ・ディ・ロマーニャD.O.C.G.
  • 品種:アルバーナ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者: モンティチーノ・ロッソ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750mL
  • 参考価格:1,700円~2,300円

マリア・ボルトロッティ ファレスタ ピニョレット

オーガニックワインや自然派ワインをお求めの方におすすめの1本がこちら。

生産者のマリア・ボルトロッティは、1992年からオーガニック栽培を開始し、酵母は全て天然酵母を使用するという、自然な造りにこだわるワイナリーです。

また、同社の畑のあるゾーラ・プレドーザの丘陵地帯は、その付近で最もブドウ造りに適した土地として、1000年前の文献にも名前が記載されていました。

そんな同社の手掛ける『ファレスタ ピニョレット』は、ピニョレットというブドウ品種から造られた微発泡ワインです。

濃いレモン色~オレンジ色の色調、オレンジやマンゴーのようなトロピカルフルーツの香りや味わい、優しい酸味にほのかな苦みが特徴的。

ピニョレットの魅力がよく現れた1本で、リゾットなどの米類やパルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズとよく合います。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 品種:ピニョレット
  • タイプ:微発泡白ワイン
  • 生産者:マリア・ボルトロッティ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750mL
  • 参考価格:2,400円~3,000円

ボッター・カルロ サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・リゼルヴァ

コスパ抜群の赤ワインがこちら。

生産者のボッター・カルロは1928年にイタリア北部のヴェネト州で創業。近年ではイタリアの各地のブドウ農家と栽培契約をして、蓄積された経験を生かしながら醸造から販売までをおこなうワイナリーです。

そのワインは低価格ながら高品質で、世界各国で高く評価されています。

同社の『サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・リゼルヴァ』は、エミリア・ロマーニャ州のサンジョヴェーゼという品種のブドウから、樽で1年、タンクで1年熟成させて造られたワインです。

ドライフルーツやジャムを思わせる熟れた果実の香りに、まろやかな果実味、ほどよい酸とタンニンが調和。
ラザニアやミートソースのパスタ、仔牛のカツレツのほか、焼肉などの味の濃い料理に相性抜群です。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 格付け:ロマーニャ・サンジョヴェーゼD.O.C.
  • 品種:サンジョヴェーゼ
  • タイプ:赤ワイン
  • 生産者:ボッター・カルロ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750mL
  • 参考価格:1,100円~1,700円

まとめ

エミリア・ロマーニャ州のワインの特徴や産地、おすすめのワインを紹介しました。

その郷土料理には、私たち日本人にも身近なミートソースやラザニアなどがあり、しかも生ハムやパルミジャーノ・レッジャーノの産地であったのです。

ぜひ皆さんも、これらの料理や食材を召し上がる際は、この記事を参考にしていただきながら、エミリア・ロマーニャ州のワインを合わせてみてはいかがでしょうか?

きっと、同じ産地のもの同士の素晴らしいペアリングが味わえることでしょう。

以上、イタリアのロマーニャ州のおすすめワイン5選のご紹介でした。