今回は「ロワールのワイン産地」「ぶどう品種」などの解説を交えて、おすすめのロワールワインを5本ご紹介したいと思います。
ロワール地方は、フランスの北西部ロワール川の沿岸に広がる産地です。ロワール川は、全長1000kmにも及ぶフランス最長の川です。
また、11〜15世紀に築かれた優雅な古城が立ち並び、「フランスの庭園」とも呼ばれている風光明媚な場所です。
ロワール地方 トゥーレーヌ地区に聳えるシノン城は、フランスの国民的ヒロイン ジャンヌ・ダルクがフランス王太子シャルル7世に謁見をした場所として有名ですね。
ワインに関しては、同じフランスのボルドーやブルゴーニュに比べると、少し控えめな印象かもしれません。
しかし、実際は、ロワール川上流〜下流まで広がる土地の気候や土壌の違いから、ロワールのワインはバラエティ豊かで魅力的なんです。そんなロワールワインのおすすめ5選をご紹介します。
目次
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ロワール地方とは
ロワール地方は、フランス最長のロワール河沿岸に広がる地域です。
赤・ロゼワインと白ワインの比率はほぼ半々。ワイン産地としては冷涼な気候のため、全体的に爽快感のある、軽やかなワインが中心です。
ロワールワインの主な産地
ロワールは以下の4つの地区に分かれていて、地区ごとに気候や生産される品種が異なります。4つの地区を西から順に見ていきましょう。
ペイ・ナンテ地区
ロワール河の下流にある地域です。ロワール地方では最も西にあります。ロワール地方の中では比較的温暖ですが、冷たい海風の影響も受けます。
繊細な味わいの辛口白ワインの産地で、代表品種は白ぶどうのムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ)です。
旨味と新鮮味を高める目的で、シュール・リー製法が多く採用されています。
アンジュー・ソミュール地区
アンジュー・ソミュール地区は、冬は温暖で、夏は暑い地区です。
白・赤・ロゼ・スパークリング、辛口から甘口、貴腐ワインまでさまざまなタイプのワインが造られています。
フランス3大ロゼワインの一つ、ロゼ・ダンジュは、ここアンジュー・ソミュールにてグロロー主体で造られます。
主要な白ぶどう品種はシュナン・ブラン、黒ぶどう品種はカベルネ・フラン、グロロー、ガメイです。
トゥーレーヌ地区
トゥーレーヌ地区は、西は温暖で、東になるほど冷涼な気候です。
トゥーレーヌ地区でも、白・赤・ロゼ・スパークリング、辛口から甘口とバラエティに富んだワインが造られています。
代表的な白ぶどう品種はシュナン・ブランとソーヴィニヨン・ブラン、黒ぶどう品種はカベルネ・フラン、グロロー、ガメイです。
サントル・ニヴェルネ地区
サントル・ニヴェルネ地区は、ロワール河上流にあります。ロワール地方の中では最も東にある産地です。夏と冬の気温差が大きい気候です。
サントル・ニヴェルネ地区では主に辛口の白ワインが造られています。
特に代表的な産地はロワール川を挟んで左岸に広がるサンセールと右岸のプイィ・フュメです。
ロワールワインの主な品種
ムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ)
ムロン・ド・ブルゴーニュはペイ・ナンテ地区で主に栽培されている白ぶどう品種で、ミュスカデとも呼ばれます。
品種自体は香りがひかえめで、それほど強い特徴がありません。ほのかに青リンゴやハーブのような風味があります。
ムロン・ド・ブルゴーニュは「シュール・リー」という製法で造られることが多いです。(シュール・リーとは「オリの上」という意味)
ワインの醸造中に生じたオリをそのまま底に残し、その上にワインを寝かせます。シュール・リーを採用すると、ワインにイーストやトーストのような風味が加わります。
繊細な味わいなので、白身の刺身などと相性が良いです。
シュナン・ブラン
シュナン・ブランはロワール地方では主にアンジュー・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区で栽培されています。
ロワール地方のシュナン・ブランは、辛口の場合リンゴやアプリコットのような風味があります。
甘口または貴腐ワインの場合、トロピカルフルーツやハチミツのような風味があります。
甘酸っぱいソースの酢豚、カニやホタテなどの魚介料理と相性が良いです。
ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランはロワール地方では主にトゥーレーヌ地区、
サントル・ニヴェルネ地区で栽培されています。
ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは、青リンゴのような豊かな酸味、ハーブのようなさわやかな風味、濡れた小石のような香りがします。
ハーブをきかせた料理と合わせるとおいしいです。
カベルネ・フラン
カベルネ・フランはロワール地方では主にアンジュー・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区で栽培されています。
ロワール地方のカベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンを少しエレガントにしたような味わいです。ブルーベリーのような果実味やピーマンのような清涼感があり、それほど渋みが強くなく、ボディもややおだやかです。
軽めの肉料理と相性が良いです。
ロワールワインおすすめ5選
ここからは、5,000円以内で購入できるおすすめのロワールワインを5本ご紹介したいと思います。
モンムソー クレマン・ド・ロワール
モンムソーは人気ワイン漫画『神の雫』にも登場した生産者。某航空会社でファーストクラスのウェルカムドリンクにも採用されました。
クレマンはシャンパンと同じ製法で造られる高級スパークリングワインです。でもシャンパンよりはるかにお得です。
コクのある味わいと、きめ細かい泡立ちが楽しめます。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方クレマン・ド・ロワール
- 品種:シュナン・ブラン55%/シャルドネ33%/カベルネ・フラン7%/ピノ・ノワール5%
- 生産者:J.M.モンムソー
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ: ミディアムボディ
- 容量:750ml
- 参考価格:1,312〜2,000円
ドメーヌ ド・レキュ ミュスカデ セーブル・エ・メーヌ キュヴェ クラシック
ドメーヌ ド・レキュは有機農法のひとつ「ビオディナミ農法」でぶどう栽培をおこなっています。
かんきつ類の果実のようなフルーティーさとキリッとした酸味やミネラル感があり、バランスが良い味わいです。シュール・リーを18か月間もおこなっているため、味わいにコクが加わっています。
ミュスカデは味気ない、シンプルなワインだと思っている方にこそ飲んでいただきたいワインです。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ
- 品種:ミュスカデ100%
- 生産者:ドメーヌ ド・レキュ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ: ミディアムボディ
- 容量:750ml
- 参考価格:2,376円
アンリ・ブルジョワ プイィ・フュメ アン トラヴェルタン
アンリ・ブルジョワはロワールの銘醸地サンセールとプイィ・フュメで350年の歴史を持つ老舗ワイナリー。
世界的に非常に高く評価される生産者です。
石のようなキリッとしたミネラル感が味わえるワインです。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方プイィ・フュメ
- 品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
- 生産者:アンリ・ブルジョワ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ: ミディアムボディ
- 容量:750ml
- 参考価格:3,456円
ドメーヌ ド バブリュ コトー ド ローバンス ムーラン ド バブリュ 1984
ドメーヌ ド バブリュはなんと現在52代目という老舗ワイナリー。この生産者のワインは、一流レストランのジュエル・ロブション・グループでも採用されています。
このワインはシュナン・ブラン100%の甘口ワインで、白い花のような香り、ナッツのような濃厚な風味があります。長期熟成による味わいの複雑さも感じられます。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方コトー・ド・ローバンス
- 品種:シュナン・ブラン100%
- 生産者:ドメーヌ・ド・バブリュ
- 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
- ボディ: ミディアムボディ
- 容量:750ml
- 参考価格:4,725〜6,794円
ピエール・ジャック・ドゥルエ ブルグイユ グラン モン 1998
ピエール ジャック ドゥルエは複数の世界的ワイン評論家から高く評価されるワイナリー。
このワインでは、果実の収量を抑えて、力強い果実味とミネラル感、スパイシー感を引き出すことに成功しました。最低24か月の樽熟成をおこなっているので複雑味もあります。
- 原産国:フランス
- 産地:ロワール地方ブルグイユ
- 品種:カベルネ・フラン
- 生産者:ピエール・ジャック・ドゥルエ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ: フルボディ
- 容量:750ml
- 参考価格:2,462円
まとめ
地味なイメージのあるロワールワインですが、白、赤、スパークリングワイン、辛口、甘口まであって、とてもバラエティ豊かです。
特に「エレガントなワインが好きな方には、ロワールワインはおすすめ」です。
上記の特徴をふまえて、ぜひお好みのロワールワインをお試しください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。