ナパ・ヴァレー(Napa Valley)といえばアメリカ、カリフォルニアのワイン銘醸地。
今回は、ナパ・ヴァレーに行ってみたい!という方に、押さえておくべき代表的な5つのワイナリーをご紹介します。
オススメするワインを飲みながら、ナパ・ヴァレーを車で旅する気分になっていただけると嬉しいです。
目次
- STAG’S LEAP WINE CELLARS Cask 23 2005 “スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ カスク 23”
- Robert Mondavi Cabernet Sauvignon Reserve To Kalon Vineyard “ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン リザーヴ ト・カロン・ヴィンヤード “
- Opus One 2015 “オーパス・ワン 2015”
- Heitz Cellar Cabernet Sauvignon Martha’s Vineyard 2000 “ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン 2000”
- Château Montelena Chardonnay Napa Valley 2015 “シャトー・モンテレーナ シャルドネ ナパ・ヴァレー 2015”
- Rombauer Chardonnay Carneros 2016 “ロンバウワー シャルドネ カーネロス 2016”
- まとめ
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ナパ・ヴァレーの旅へ出かけましょう!
サンフランシスコから北上し、サンフランシスコ湾のゴールデンゲートブリッジを抜けると、車は自然豊かな山間に包まれていきます。
そして沢山のテイスティングルームやグルメスポットが並ぶ、活気あるナパの街へ。
今回は、この市街から北に伸びる、ナパ・ヴァレーを縦走する二つの主要な”ワイン・ロード”、ルート29とシルバーラド・トレイル(Silverado Trail)上のワイナリーをご紹介します。
STAG’S LEAP WINE CELLARS Cask 23 2005 “スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ カスク 23”
パリスの審判の功績で名高いカベルネ・ソーヴィニヨン
ナパ市街からシルバーラド・トレイルを北上すると、道の東側にこのスタッグ・スリープ・ワイン・セラーズ(Stag‘s Leap Wine Cellars)が見えてきます。
スタッグス・リープ(Stag‘s Leap)は”跳ねる牡鹿”という意味の地名で、ワインのエチケットにも鹿の絵が描かれています。
1976年、パリで開催されたフランスVSアメリカワインのブラインド・テイスティングで、無名だったこのワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨンがシャトー・ムートンなどの銘醸ワインを破り1位に輝きました。
この出来事は「パリスの審判(Judgment of Paris)」と呼ばれ世界中で話題となり、カリフォルニアワインの評価を一気に押し上げたのです。
ワイナリーでは、山々とその麓のブドウ畑を眺めながらテイスティング(有料)が楽しめます。
このワインからは、濃密な黒いベリーなどの果実やクローブなどのスパイス、その奥に漂うココアの香りが感じられ、味わいは力強くも実にエレガントです。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
- タイプ:赤
- 生産者:Stag‘s Leap Wine Cellars
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:32,388円
Robert Mondavi Cabernet Sauvignon Reserve To Kalon Vineyard “ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン リザーヴ ト・カロン・ヴィンヤード “
カリフォルニアワインの父
シルバーラド・トレイルから西へ伸びる道を横断し、ルート29に入り北へ。ルート29では一面に広がるブドウ畑と、同じ道沿いを走る”ワイントレイン”が時おり行き交うのを見ることができます。
銘醸ワインが集まるオークビル(Oakville)の西側に、エチケットのシンボルになっている白いアーチが特徴的なロバート・モンダヴィ・ワイナリー(Robert Mondavi Winery)があります。
低価格ワインが主流だった1960年代、ロバート・モンダヴィは、フランスで学んだ高品質ワインの醸造技術をカリフォルニアに持ち込み、ワインの品質の底上げとイメージアップに尽力したことで「カリフォルニアワインの父」と呼ばれました。
モンダヴィはナパバレー随一と言われる銘醸畑ト・カロン(To Kalon )を保持しており、そのブドウから作られるワインは非常に高い評価を得ています。
このト・カロンの稀有な土壌で育まれたブドウの雫は、リザーヴ(Reserve)など一部のハイレンジワインで堪能することができるのです。
ワイナリーではバラの花が咲き乱れるブドウ畑を眺めながら、テイスティング(有料)を楽しめます。このワインのストラクチャーは素晴らしく、ホッとする安定した品質の高さが感じられます。
凝縮感のある果実味とスパイスのアロマ、心地よく舌上を流れる重厚ながら細かくシルキーなタンニンが感じられる、土壌や気候の恩恵の素晴らしさを生かした、代表的なナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンです。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
- タイプ:赤
- 生産者:Robert Mondavi Winery
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:26,382円
Opus One 2015 “オーパス・ワン 2015”
米仏の二大巨匠が奏でる交響曲
モンダヴィからルート29を挟んだ東側に臨む近代的な白い建物が、高級ワインで名高いオーパス・ワン・ワイナリー(Opus One Winery)です。
オーパス・ワンは、ロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーメドック格付け第一級
のシャトー・ムートン・ロートシルトを所有するフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵が設立した、ボルドースタイルワインのジョイントベンチャー。
オーパス・ワンとは交響曲の「第一楽章」を意味し、「一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディ」と言うフィリップ男爵の言葉から付けられています。
エチケットに描かれた、重なる2人の男性のシルエットは、ワイナリーを創設した2人のもの。
セカンドワインとして”序曲”を意味するオーヴァチュア(Overture)があり、ワイナリーではブドウ畑を眺めながら2つのワインをティスティングできます(有料。グラス1杯が40ドルとなかなか高価です。)。
ワインは、実にエレガントで、ボルドーワインの上品な複雑さとカリフォルニアの果実の素晴らしさが美しいハーモニーを紡ぎ出しています。
優れたカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどが重なり合い奏でる繊細で美しいアロマは、黒果実の上に艶やかなバラ、妖艶なスパイシーさが感じられます。
その一方で、複雑すぎない親しみやすさがあるので、ワインをあまり飲まない方でもその素晴らしさを感じ取りやすいワインです。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ベルド、マルベック
- タイプ:赤
- 生産者:Opus One Winery
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:44,000円
Heitz Cellar Cabernet Sauvignon Martha’s Vineyard 2000 “ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン 2000”
神の雫で絶賛された幻の銘酒
ルート29を更に北へ進むと、セント・ヘレナ(St Helena)のダウンタウンの手前に石造りの建物が美しいハイツ・セラー(Heitz Cellar)はあります。
初代ワイナリーオーナーのジョー・ハイツ氏は、カリフォルニアで高品質ワイン造りの基準を作ったパイオニア。
世界でナパバレーの高品質ワインといえば、上位に名前が挙がる存在になっています。
やはり代表的なのはカベルネ・ソーヴィニヨンで、その秀逸な造りはナパバレーの中でも群を抜いています。
その理由の一つはワインの熟成期間です。
通常でも3.5年、フラッグシップであるマーサズ・ヴィンヤード(Martha’s Vineyard)のワインでは、リリースまでに最低5年の熟成が行われているのです。
ここまで熟成にこだわり徹底したワイナリーは、ナパバレーの中でも珍しい存在です。
全体的に生産量が少なく、ナンバリングされたワインボトルが、その希少さを物語っています。
ワイナリーでは主要なワインを無料でテイスティングさせてくれます。(しかし、やはり敬意を表して1本は購入していただきたいもの。)
マーサズ・ヴィンヤードは、漫画「神の雫」でも「幻の銘酒」として登場しているワインです。
このワインにはナパバレーらしい力強さや豊満な果実感があり、黒い果実やスミレやバラなどの花、ビスケットやイチジクなど、幾重にも折り重なるアロマが無限に鳴り響くかのように、余韻となってこだまします。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
- タイプ:赤
- 生産者:Heitz Cellar
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:34,452円
Château Montelena Chardonnay Napa Valley 2015 “シャトー・モンテレーナ シャルドネ ナパ・ヴァレー 2015”
ムルソーを超えたシャルドネ
セント・ヘレナから更に北へ、ナパ・ヴァレーの最北、カリストガ(Calisroga)の樹々の中に佇むシャトー・モンテレーナ・ワイナリー(Château Montelena Winery)は佇んでいます。
このシャルドネは、最初にご紹介したスタッグス・リープ同様、1976年の「パリの審判」の白ワインの部において、ムルソーやモンラッシェなどフランスの銘醸ワインを破り1位に輝きました。
これにより、赤白共にカリフォルニアワインがこの勝負の覇者になり、その素晴らしさは旧世界の名だたるワインに負けないと証明されたのです。
現在でも、シャルドネがこのシャトーを象徴するワインとして親しまれています。
テイスティングルームでは主要なワインを味わう(有料)ことが可能。
1800年代に設立された歴史あるシャトーでは、名醸造家であるボー・バレット氏が現在のワインメーカーを務め、古典的なスタイルの醸造を守り続けています。
このワインにはナパ南部で栽培された上質なシャルドネが使われ、MLFを行わず、ブドウが持つ酸を生かしたワイン造りがされています。
なぜナパ最北の地のワイナリーが南部のブドウを使うのか、と思うかもしれません。
それは、サンフランシスコ湾に近く、海から吹く冷風の影響を受ける南部(カーネロスなど)のブドウには北部のものより豊かな酸が保たれていおり、酸を基調とする白ワインに最適だからです。
ナパ・ヴァレーは北に行くほど内陸になり気温が高くなるので、ブドウの酸度が落ちやすいのです。
このワインは、洗練されたエレガントさと繊細な華やかさを兼ね備えており、アロマには白い花や柑橘や洋梨、白桃などのフルーツの香り、凝縮した味わいとコクがあります。
キレのある酸がアロマや味わいをまとめ上げており、控えめで上品な樽香が清々しい、長い余韻を楽しむことができます。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:シャルドネ
- タイプ:白
- 生産者:Château Montelena Winery
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアムボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:9,102円
Rombauer Chardonnay Carneros 2016 “ロンバウワー シャルドネ カーネロス 2016”
ナパ・ヴァレー・シャルドネの指標
ナパ・ヴァレー最北の地から、ルート29に合流しているシルバーラド・トレイルへ進路変更し南下します。
しばらく起伏の多い山間の中を進み、小高い山の上にあるワイナリーへ。
全体として赤ワインの評価が目立つナパ・ヴァレーの中で、このロンバウワー・ヴィンヤーズ(Rombauer Vineyards)は、白ワインが象徴的なワイナリーのひとつ。
このロンバウワーのシャルドネに憧れ、お手本にしてワイン造りを行なうワイナリーも多いのです。
また、アメリカの権威あるワイン雑誌の一つ「Wine Spectator」誌に「Rombauerはカリフォルニアのシャルドネのスタイルを定義している」と言わしめています。
ワイナリーでは山の上からの絶景を眺めながらテイスティング(有料)が楽しめます。
このワインには柑橘や桃、トロピカルなマンゴー、メロンなどのよく熟した果実に、バターやバニラなどの豊かなアロマがあります。
凝縮感のある果実味と芳しい樽香を感じられる、リッチでクラシカルなスタイルのワインです。
ナパ・ヴァレー南部、カーネロスの上質なブドウをふんだんに使い、豊かなボリュームのワインに爽やかな酸のキレを与え、バランス良く仕上がっています。
- 原産国:アメリカ
- 産地:ナパ・ヴァレー/カリフォルニア
- 品種:シャルドネ
- タイプ:白
- 生産者:Rombauer Vineyards
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアムボディ
- 容量:750mL
- 参考価格:7,400円
まとめ
今回は、ナパ・ヴァレーのワイナリーを廻る旅をするようにご紹介しました。
ワインを味わいながら、真っ直ぐに続くカリフォルニアのワインロードに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
また、サンフランシスコからナパ・ヴァレー南端のカーネロス地区までは、車で約1時間の距離。
今回のワイナリーツアーのルートは実際に1日で巡ることができます。
現地を旅行される予定のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ナパの人気レストランやテイスティングルームを巡りながら、日を分けてゆったり旅をするのもオススメです。