世界中で栽培されているモスカートというブドウ品種からつくられるワインには甘口のもの、発泡性のもの、デザートワインと様々な種類のワインがあります。この記事ではモスカートの特徴やおすすめのワインをご紹介します!
モスカートというブドウ品種をご存知ですか?
モスカートは英語でマスカットと呼ばれる世界中で栽培されているブドウ品種です。
ワインの原料だけではく生食用としても広く知られています。
- モスカートの特徴
- モスカートの産地や各産地におけるワインづくりについて
- ソムリエおすすめのモスカートを使ったワイン5選
について、この記事でご紹介します。
目次
【家飲みにおすすめ】
ワイン定期便「ミシュラン星付きセレクション」
モスカートとは
モスカートはワインの原料や生食用、レーズンと幅広い楽しみ方をできるブドウ品種のことを指します。
英語ではマスカットと呼ばれており、産地により呼び方が異なります。
イタリアではモスカート、フランスではミュスカ、スペインではモスカテルと呼ばれています。
モスカートの原産地はギリシャといわれており、世界中で栽培されているメジャーなブドウ品種です。
モスカートの特徴
マスカットの別名であるモスカートは甘く華やかなムスク(麝香)の香りを放つ、フレッシュでアロマティックなブドウ品種です。
モスカートの大きな特徴の一つは、幅広い個性があることでしょう。
モスカートといえば白いぶどうをイメージすると思いますが、実は赤ワインになる黒ブドウもあります。
果実の形状は、小粒なものから大粒なもの、円形なものから楕円形のものまで多様です。
このように、果皮の色から果実の形まで様々で特徴豊かなブドウ品種です。
また、モスカートは、ワイン用のブドウとしてだけではなく、食用としても世界中で多く栽培されています。
もしかすると、日本人にとってはワイン用のモスカートより、食用としてのマスカットの方がイメージしやすいかもしれません。
フルーツ屋さんやケーキ屋さんで大人気の「シャインマスカット」や「マスカット・オブ・アレキサンドリア」もモスカートの一種です。
ワイン用のモスカートからつくられるワインも様々なタイプがあり、以下のように分類されます。
- スティルワイン:甘口から辛口まで、ライトボディのスティルワイン
- 発泡性ワイン:アスティ・スプマンテ、モスカート・ダスティなど
- パッシート:ブドウを干しブドウ状にしてから醸造するワイン
またスペインのアンダルシア地方では酒精強化をし、シェリーの原料として使われています。
同じブドウ品種でもつくられる国や地域によってさまざまなワインになる点はモスカートの魅力のひとつです。
モスカートの産地と産地ごとのワインづくり
モスカートは世界中で栽培されています。
ここでは、モスカートの産地と産地ごとのワインづくりの特徴を紹介します。
イタリア全土
モスカートはイタリアでは全土で栽培されているメジャーなブドウ品種です。
その中でも、もっとも有名なのはイタリア北部ピエモンテ州の「アスティ」でしょう。
アスティには、発泡性ワインのアスティ・スプマンテ、微発泡ワインのモスカート・ダスティ、スティルワインのヴェンデンミア・タルディーヴァがあります。
いずれのタイプのワインもバラを思わせる甘い香りの甘口ワインです。
アルコール度も低めで甘口なので、ワイン初心者の方やお酒が苦手な女性でも飲みやすいという点がアスティの特徴でもあります。
一般的な価格帯としては1000円台のものが多いので、日常的に楽しむことができる身近なワインです。
フランス/アルザス
フランスではミュスカと呼ばれています。
アルザス地方で栽培されているミュスカからは、辛口の白ワインがつくられています。
アルザスのミュスカからつくられるワインは、ブドウが持つフレッシュでジューシーな香りとオレンジの花をもつワインに仕上がります。
フランス/ラングドック・ルーション
南フランスのラングドック・ルーション地方ではミュスカからヴァン・ドゥー・ナチュレル(V.D.N)と呼ばれる天然の甘口ワインが生産されています。
ヴァン・ドゥー・ナチュレルはアルコール発酵の途中でアルコールを添加することでアルコール発酵を止める製法でつくられています。
ワインの甘味を残してつくられた「天然甘口ワイン」のことで、口当たりがリッチなデザートワインに仕上がります。
スペイン
スペインではモスカテルと呼ばれます。
モスカテルはアンダルシア地方でつくられる酒精強化ワイン、シェリーの原料として知られています。
モスカテルを天日干ししつくられるシェリーはマスカットの香りが特徴的で、甘口に仕上がります。フレッシュで軽やかな味わいが特徴です。
モスカートおすすめ5選
モスカートでつくられたおすすめのワインをご紹介します。
マルティーニ アスティ・スプマンテ
モスカート・ビアンコ100%でつくられているアスティ・スプマンテ。
シンプルな味わいの中にマスカットのフルーティーな香りが特徴的な甘口のスパークリングワインです。
食前の乾杯酒として、またフルーツのタルトなどのデザートやフルーツに合わせても楽しめます。
- 原産国:イタリア
- 品種:モスカート・ビアンコ
- タイプ:発泡
- 生産者:マルティーニ
- 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:1,200円
スモーキング・ルーン ブルー・ルーン モスカート
アメリカ、カリフォルニアのワイナリー「スモーキング・ルーン」がモスカートを主体につくる甘口ワイン。
スモーキング・ルーンは2000年に設立されたワイナリーで、親しみやすくカジュアルな美味しいワインをつくっています。
ライチの香りにはちみつやメロンのフレーバー、さらにスッキリとした酸味が特徴です。夏に屋外のテラスで気の合う仲間たちとわいわい飲むようなイメージの爽やかなワインです。
- 原産国:アメリカ
- 産地:カリフォルニア
- 品種:モスカート・ビアンコ、ヴィオニエ、ムールヴェードル、フレンチ・コロンバード
- タイプ:白ワイン
- 生産者:スモーキング・ルーン
- 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:2,056円
モスカート・ダスティ・チェレット
イタリア、ピエモンテでバローロ・バルバレスコを生産するチェレットがモスカート100%でつくった甘口の微発泡性ワイン。
フルーティーで爽やかな香りで、甘みがありつつも絶妙な酸味がありとても飲みやすいワインです。
アルコール度数は5%と低く、食前酒として楽しむことをおすすめします。
スタイリッシュなボトルも人気があり、女性への贈り物にも。
- 原産国:イタリア
- 産地:ピエモンテ
- 品種:モスカート
- タイプ:微発泡
- 生産者:チェレット
- 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:2,225円
ミュスカ・ド・リヴザルト・ピレーヌ
フランスのラングドック・ルーション地方でつくられているヴァン・ドゥー・ナチュレル。シトラスやアプリコットのアロマ、カリンの砂糖漬けのような甘さを感じられる天然甘口ワインです。食後にデザートとして、またはフルーツに合わせることをおすすめします。
- 原産国:フランス
- 産地:ラングドック・ルーション
- 品種:ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン 他
- タイプ:ヴァン・ドゥー・ナチュレル
- 生産者:ピレーヌ
- 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:2,376円
トリンバック・ミュスカ・レゼルヴ
フランス、アルザス地方の名門ワイナリーであるトリンバックがつくる辛口の白ワイン。
トリンバックのワインはフランスのすべての3つ星レストランに置かれているというほどアルザスを代表するワイナリーでもあります。
マスカットの果実味とフレッシュさを感じさせる味わいです。食前酒として、またサラダや魚料理に合わせることをおすすめします。
- 原産国:フランス
- 産地:アルザス
- 品種:ミュスカ
- タイプ:白ワイン
- 生産者:トリンバック
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:3,456円
まとめ
モスカートの品種の特徴、モスカートの産地や各産地におけるワインづくり、おすすめのモスカートワインについてご紹介しました。
モスカートは世界中で栽培されており、産地によってさまざまなスタイルのワインに仕上がります。
ブドウの甘さを生かしたライトなワインに仕上がることが多いため、ワイン初心者の方にもおすすめしやすいのがモスカートのワインです。
ぜひ各国のモスカートを飲み比べてみてくださいね。