イタリアの国民食パスタとワイン おすすめのペアリング

美味しい食事を更に美味しくするにはワイン選びが重要です。
イタリアの国民食パスタは様々な種類があり、ソースも生地も多彩です。イタリアの地方ごとに名産のパスタがあります。

今回は普段の食事に活かせる代表的なパスタと、そのルーツや味わいを元に相性のいいワインをご紹介します。

そもそもパスタとワインは何故相性がいいのか?
それは、それぞれの土壌、気候などを合わせた土地の総合的な環境からできたワインと料理は様々な擦り合わせによって相性が良くなったと考えられています。

ジェノベーゼ


ジェノベーゼはイタリアのリグーリア州にあるジェノバ発祥のパスタです。
ジェノバはバジルが名産品で、バジルを使って作られたソースを絡めて作ったパスタをジェノベーゼといいます。

相性のいいワインは、同郷のチンクエ・テッレの白ワインが有名で、鉄板の組み合わせです。ヴェルメンティーノやボスコ、アルバローラといったブドウが使われています。

バジルの爽やかさを更に引き出す、ソーヴィニヨン・ブランのワインもおすすめです。

カンティーナ・チンクエ・テッレ チンクエ・テッレ・ビアンコ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:チンクエ・テッレ
  • 品種:ボスコ、アルバローラ、ヴェルメンティーノ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:カンティーナ・チンクエ・テッレ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,668円

イカスミのパスタ

ヴェネツィア名物であるイカスミパスタ。
地中海で新鮮なイカのイカスミが獲れるため流行しました。

ソースに白ワインを入れることも多く、合わせるワインもヴェネトの白ワイン、ソアーヴェがおすすめです。

グエリエリ・リッツァルディ ソアーヴェ・クラシコ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:ソアーヴェ
  • 品種:ガルガーネガ、トレッビアーノ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:グエリエリ・リッツァルディ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,750円

アラビアータ

アラビアータはローマ発祥のパスタです。
「怒っている」や「熱狂的な、猛烈な」という意味があります。その由来は、ソースが辛いので食べたら怒ったように赤くなるからです。
香辛料を多く使うイタリア料理の中でも、特に辛さが際立った料理です。

辛さにちなんだ名前のアラビアータですが、パスタの種類はスパゲッティよりペンネとの相性が良く、ペンネの穴の中まで辛いソースが詰まって更に美味しくなると言われています。

相性の良いワインはラツィオ州唯一の土着品種の黒ブドウチェザネーゼをつかった赤ワインです。
私はフランスローヌのタヴェルロゼと合わせるのもおすすめです。

サン・マーニョ チェザネーゼ・デル・ピーリオ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:ラツィオ
  • 品種:チェザネーゼ・ダッフィーレ、チェザネーゼ・コームネ
  • 生産者:アジィエンダ・アグリコーラ・コルテ・デイ・パーピ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,300円

ボロネーゼ

美食の街ボローニャが発祥のボロネーゼ。
ボロネーゼは挽き肉と、生パスタを合わせた料理で、ミートソーススパゲティと比べソースはあまりありません。

そんなボロネーゼにはサンジョヴェーゼを使った赤ワインが相性良く、
日本のミートソーススパゲティには、やや辛口に仕立てたランブルスコもおすすめです。

クエルチオーリ・レッジアーノ ランブルスコ・セッコ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:エミリア・ロマーニャ
  • 品種:ランブルスコ・サラミーノ、ランブルスコ・マラーニ
  • タイプ:赤スパークリングワイン
  • 生産者:メディチ・エルメーテ
  • 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
  • ボディ:ライトボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,150円

カルボナーラ

ローマ発祥のカルボナーラは炭焼きという意味があります。
上にかかった黒コショウが炭を連想させるから、炭坑夫の間でお手軽料理として食べられていたものが広まったからと所説ありますが、正確な事はわかっていません。

日本でも大人気のカルボナーラですが、日本では生クリームを使用していますが、本場イタリアのカルボナーラは、生クリームを使用せず、代わりにチーズを使用します。

本場のカルボナーラはチーズが入っていてより濃厚で食べ応えがあり、
相性の良いワインはフラスカティの辛口タイプです。

ポッジョ・レ・ヴォルピ フラスカティ・スーペリオーレ・セッコ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:ラツィオ
  • 品種:マルヴァジア デル ラツィオ、トレッビアーノ、ソーヴィニヨン
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:ポッジョ・レ・ヴォルピ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,350円

ペペロンチーノ

日本ではペペロンチーノと呼ばれていますが、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノが正式名称です。

イタリア中南部発祥と言われ、イタリア語で、アーリオはニンニク、オリオはオイル、ペペロンチーノはトウガラシの意です。
ペペロンチーノは、貧困のどん底にあってもニンニクとオリーブオイルと唐辛子さえあれば作れることからイタリアでは「絶望のスパゲッティ」と呼ばれていています。

そんなペペロンチーノにはシンプルな辛口白ワイン、トレッビアーノ・ダブルッツォの組み合わせがおすすめです。

ヴェルガ イル・ポッジョ・トレッビアーノ・ダブルッツオ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:アブルッツォ
  • 品種:トレッビアーノ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:ヴェルガ イル・ポッジョ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,560円

ボンゴレ

ボンゴレは、ナポリ海岸地域の発祥で、イタリア語でアサリという意味です。
アサリを使用したパスタであればボンゴレという名前がつきますが、ボンゴレ・ロッソとボンゴレ・ビアンコの2種があります。

ロッソは「赤い」という意味で、一般的に唐辛子やトマトソースを使った赤いソースで作られます。
反対に、ビアンコは「白い」という意味で、白ワインを使ったものやアサリの出汁にパセリをかけたものです。

ボンゴレ・ロッソには、サンジョヴェーゼを使ったロゼワインが相性良く、
ボンゴレ・ビアンコには、ファランギーナという土着品種の白ワインが相性良いためおすすめします。

また、ソアーヴェの白ワインや日本の甲州の白ワインもオススメです。

ファランギーナ・ラ・グアルディエンセ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:カンパーニャ
  • 品種:ファランギーナ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:ラ・グアルディエンセ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,700円

カラスミのパスタ

イタリア半島西方に位置するサルデーニャ島名産のカラスミは、高級食材で、サルデーニャのキャビアと言われています。

カラスミパスタは、ペペロンチーノに粉末状にしたカラスミをかけるのが、本場イタリアのスタイルです。
カラスミはボラの卵巣を乾燥させたものなので、失敗すると生臭みが出てしまうので、ワインに合わせるには少しコツが必要です。

カラスミパスタにはサルデーニャのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという白ワインが最高の相性です。産膜酵母の香りが間違うと臭くなりがちなカラスミとマッチします。

産膜酵母の香りは日本酒の熟成酒にも近いものがあり、こちらもカラスミと相性がいいことで知られていますね。

アッティリオ・コンティニ ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ

  • 原産国:イタリア
  • 産地:サルデーニャ
  • 品種:ヴェルナッチャ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:アッティリオ・コンティニ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:4,600円

ペスカトーレ


〈出典:カゴメ株式会社ホームページ〉

北イタリアのマッジョーレ湖に浮かぶ、漁師が多く住んでいるペスカトーリ島発祥で、ペスカトーレとは、イタリア語で漁師という意味です。
魚介類とパスタをトマトソースで、煮込んで作った漁師飯が由来と言われています。
イタリア北部で獲れる魚介を使った漁師飯です。

相性の良いワインは、酸味のゆたかなサンジョヴェーゼ主体のワインです。
ニュージーランドの海洋性気候の地域のピノ・ノワールがおすすめです。

チェッキ キャンティ


* 原産国:イタリア
* 産地:キャンティ
* 品種:サンジョヴェーゼ、コロリーノ、カナイオーロ
* タイプ:赤ワイン
* 生産者:チェッキ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* ボディ:ミディアムボディ
* 容量:750ml
* 参考価格:1,900円

■番外編で和風パスタとのペアリング

たらこスパゲティ

1963年から1967年頃に東京都渋谷区にあるスパゲティ専門店「壁の穴」発祥です。

常連客から、「キャビアを持ってきたのでこれでスパゲティを作ってほしい」と言われて作ったこときっかけに、
当時は珍しかった魚卵を使ったスパゲティを「もう少し安く作れないか」と店主の成松孝安氏が考案したのが、たらこスパゲティだったと言われています。

相性の良いワインは、スペインのシェリーです。たらこも魚卵なので合わせるのが難しいですが、シェリーとは相性がいいです。

コロシア・フィノ

  • 原産国:スペイン
  • 産地:アンダルシア
  • 品種:パロミノ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:ボデガス・グティエレス・コロシア
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,000円

ナポリタン

ナポリタンは戦後に横浜にあるホテルニューグランド発祥の料理です。
ホテルニューグランドは、ドリアやプリン・ア・ラ・モード発祥の地としても知られる洋食のメッカです。

当時の総料理長入江茂忠氏が軍用食でスパゲティにケチャップをかけて食べていたのを見かね、具を入れて、ケチャップではなくトマトを使いソースを作り、スパゲッティと絡めたことがナポリタンが生まれたきっかけと言われています。

ナポリタンの名前の由来は、イタリアのナポリで、中世ではトマトソースをパスタにかけて、路上の屋台で売られていたそうです。それをヒントに「スパゲッティーナポリタン」と命名されました。

サンジョヴェーゼやガメイのワインがおすすめです。

パスクア キャンティ

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  • 原産国:イタリア
  • 産地:キャンティ
  • 品種:サンジョヴェーゼ主体
  • タイプ:赤ワイン
  • 生産者:パスクア
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1,320円

まとめ

パスタのルーツや味わいを元に、ワインをおすすめしましたが、不思議と同郷のワインはとても相性が良いものです。

同じ産地でも、お値段も手頃で、様々な種類があるので、色々と試してお気に入りのワインを見つけることもまた楽しみになります。

楽しいワインライフをお過ごしください。