有名な州都ジェノヴァや、世界遺産チンクエテッレのある風光明媚なリグーリア州。
一体どんなワインが生産されていて、どんな郷土料理があるのでしょう?
州内で消費されてしまうことが多いワインですが、絶品のオススメのワインもご紹介します。
目次
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リグーリアの特徴
リグーリア州は、貿易港として栄えたジェノヴァや、世界遺産のチンクエ・テッレが海岸沿いに並び、風光明媚なリゾート地として有名です。
北イタリアのティレニア海側にあり、すぐ西側は、フランスのプロヴァンスです。
北側にはピエモンテ州との境界にアルプス山脈が広がり、山岳地帯が65%、丘陵地帯が35%、平野は無く、断崖絶壁の急な斜面に葡萄畑が広がっています。
アルプス山脈が北からの冷気を遮り、海に面した地中海性気候で、リベラッチョ、シロッコといった風が常に吹きつける独特の環境です。
州の面積が小さくワインの生産量は多くないので、州内でそのほとんどが消費され、生産されるワインを日本で飲むことはとても貴重です。
格付けワインは、DOCが8つ、IGTが4つあり、約79%がDOCワイン、約9%がIGTワインです。
リグーリア州を二つに分けて、ジェノヴァから東側をリヴィエーラ・ディ・レヴァンテ、西側をリヴィエーラ・ディ・ポネンテと呼びます。
リヴィエーラ・ディ・レヴァンテ
有名なDOCチンクエ・テッレがあり、切り立った崖の上の段々畑に葡萄畑が広がります。
品種はボスコ、ヴェルメンティーノ、アルバローラなど土着品種が用いられます。スッキリとした辛口の白ワインです。
100年前には1400haあったブドウ畑ですが、特殊な環境で機械が入れないため、全て手作業、斜面での農作業は大変な労働になり、コストもかかるため、栽培面積が100haにまで減りました。
同じ地域で生産されたワインに、DOCチンクエ・テッレ・シャケットラがあり、ブドウを陰干しして乾燥させ、糖度を高めて造られる甘口ワインです。
陰干しブドウを時々陽に向けて、回して(シャック=回転させる)取り入れる(トラ)ことから『シャケットラ』と名付けられました。非常に手間暇がかかるために、生産者が減り問題になっていましたが、スローフード協会の保護対象になり、支援されるようになりました。
日本でも入手困難で『幻のワイン』と呼ばれています。
そして、DOCコッリ・ディ・ルーニは、トスカーナ州を跨ぐDOCです。
白赤両方生産されていますが、白のヴェルメンティーノは特筆です。海から吹き付ける風によって塩味を帯びていて、夏のテラスにぴったりのワインです。
リヴィエーラ・ディ・ポネンテ
有名なDOCロッセーゼ・ディ・ドルチェアックアがあり、このロッセーゼというブドウ品種はドルチャックアで誕生したとされています。他州ではほとんど栽培されていない非常に珍しいブドウです。
ペタルローズの華やかな香りに、赤系果実の香り、軽やかでエレガントな赤ワインをナポレオンも気に入り愛飲していたそうです。
DOCオルメアスコ・ディ・ポルナッシオはドルチェットから造られる赤ワインで、ドルチェットを現地では、オルメアスコと呼んでいます。
土着品種のピガートを使ったミネラリーでグレープフルーツのような苦味が特徴の辛口白ワインも有名です。
郷土料理
リグーリア州は地中海気候で温暖なので、オリーブがブドウと並び栽培されています。
料理も南イタリアのように、オリーブオイルが使われます。
ジェノヴァはバジルが名産で、バジルを使ってオリーブオイルや、松の実を絡めて作ったパスタジェノベーゼが有名です。
海に面しているので魚介料理も豊富で、カッポン・マーグロという魚介と野菜を積み上げた豪華なサラダはリグーリア州発祥の料理で、クリスマスや、お祝いの際に振舞われるおもてなし料理です。サラダの女王とも呼ばれています。
チンクエ・テッレ・ポッサ / ボナニーニ・サムエーレ・ハイディ
父親がチンクエ・テッレ国立公園の会長を務める“ボナニーニ・サムエーレ・ハイディ”は、チンクエ・テッレのブドウ畑を絶やさないよう2004年からワイン造りを始めました。
有機栽培で造られるボスコ、アルバローラを使用して造られています。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:ボスコ、アルバローラ
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ボナニーニ・サムエーレ・ハイディ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:4,200円
チンクエ・テッレ・シャケットラ・リゼルヴァ / カンティーナ・チンクエ・テッレ
『幻のワイン』と呼ばれるほど、世に出回らないDOCチンクエ・テッレ・シャケットラの甘口ワイン。
オレンジのコンポートや、アンズ、ノワゼットやミネラルの香り、凝縮した果実味に豊かな酸味があり、甘ったるくなくスッキリと飲むことができます。
ドライフルーツを練りこんだパウンドケーキなどと相性抜群です。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:ボスコ、アルバローラ、ヴェルメンティーノ
- タイプ:白ワイン
- 生産者:カンティーナ・チンクエ・テッレ
- 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
- 容量:375ml
- 参考価格:8,000円
エチケッタ・グリージャ・コッリ・ディ・ルーニ・ヴェルメンティーノ / ルナエ
リグーリア最高の造り手と呼ばれる“ルナエ”。元々はオリーブや野菜を栽培している農家でしたが、1966年からブドウ栽培を開始しました。
リグーリア州では、昼夜の気温差があるため熟度と酸度の高いヴェルメンティーノが出来ます。
グレープフルーツや白い花の芳醇な香り、豊かな果実味にフレッシュな酸味、塩味を伴うミネラル感に、グレープフルーツの果皮を思わせる心地よい苦味があります。
相性の良い料理は、カッポンマーグロなど魚介料理です。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:ヴェルメンティーノ
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ルナエ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:2,000円
ロッセーゼ・ディ・ドルチェアックア / テスタロンガ
ドルチェアックアの小さなワイナリーから、面白いロッセーゼが生産されています。
ロッセーゼは早飲み用のワインと思われがちですが、ネッビオーロのようなタンニンは無いですが、美しく熟成を重ねていくのが特徴です。
そんな熟成のポテンシャルを感じさせる樹齢100年以上の古樹のロッセーゼを全房発酵で造った1本です。
相性の良い料理は、シャルキュトリーなど。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:ロッセーゼ
- タイプ:赤ワイン
- 生産者:テスタロンガ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:5,500円
オルメアスコ / ア・マッチャ
1850年からファラルディ家が女性3代で営むワイナリーです。小さいながらも最新のプレス機を導入したり、磨きがかかっています。
少し甘みのあるオリーブオイルも絶品で、人気があります。
このオルメアスコは、オヴァーダにも似た重心の低さがあります。
相性の良い料理は、鳩のローストなど。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:オルメアスコ(ドルチェット)
- タイプ:赤ワイン
- 生産者:ア・マッチャ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:4,500円
ピガート / ア・マッチャ
発酵の初期段階を皮付きのまま行い、澱引きもタンクの移し替えで行い、ピガートの旨味が詰まったワインです。
旨味の詰まったワインは、ミネラル分豊かで、酸高いレベルの酸と共に余韻まで長く続きます。
こちらのピガートは、ぜひ5年以上熟成させて飲みたい素晴らしい白ワインです。
相性の良い料理は、海鮮丼や、焼魚など。
- 原産国:イタリア
- 産地:リグーリア
- 品種:ピガート
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ア・マッチャ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- 容量:750ml
- 参考価格:4,000円
まとめ
風光明媚なリゾート地リグーリア州では、ほとんどのワインが州内で飲まれてしまうのですが、少量日本に輸入されています。
ジェノベーゼや、魚介のサラダを作って、合わせてみるのはいかがでしょうか?
楽しいワインライフをお過ごしください。