ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?

地球環境にも、人にも優しい『ビオワイン』をご存知でしょうか?

今回の記事ではビオワインの簡単な解説と本当に美味しいビオワインを5本ご紹介します!

ビオワインとは?

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?
《出典:イエノミスタイル》

欧州では、有機栽培や有機加工品のことを『ビオロジック』を省略して『ビオ』と呼びます。

英語の『オーガニック』と同じ意味で使われています。有機栽培のブドウを使って造られたワインのことを『ビオワイン』と呼んでいます。

ビオワインには、主に二つの農法があります。

●ビオロジック

化学肥料、農薬、除草剤を使用せず、持続可能な環境保護により人や生物に対して優しい自然な原料を使用した有機栽培*のことです。

●ビオディナミ

化学肥料、除草剤、殺虫剤を使わず、オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーの思想と古代から伝わる農法をまとめて体系化したものです。

月の満ち欠けや、天体運行に合わせて栽培を行ったり、畑にエネルギーを与えるプレパラシオンという自然由来の調合剤を散布します。

使用されるプレパラシオンは、ルドルフ・シュタイナーが9種類提示していて、畑に散布されるものと、堆肥に混ぜて使用されるものがあり
ます。

●畑に散布されるもの

・500番:牛の角に詰めた牛糞
・501番:牛の角に詰めた水晶の粉
の2種です。

●堆肥に混ぜて使用されるもの

・502番:鹿の膀胱に詰めたノコギリソウ
・503番:牛の腸に詰めたカモミール
・504番:イラクサ
・505番:家畜の頭蓋骨に詰めたオークの樹皮
・506番:牛の腸に詰めたタンポポ
・507番:カノコ草
の6種です。

Haruka KageyamaHaruka Kageyama

プレパラシオンは、ビオカレンダーや、それぞれの特性によって効果的な時間に撒かれます。

●マリア・トゥーンの樽堆肥

ビオディナミを始める際に、502番から507番のプレパラシオンを牛糞の堆肥に加えたもので、ビオディナミに転換する際に用いられます。
この堆肥を2年間使用することで、有害な化学肥料などの残留物質が土壌から無くなると言われています。

どちらの農法も、べと病、ウドンコ病などの対策のための一部の農薬散布は認められています。
亜硫酸塩を一切使用しないで造られたワインもありますが、瓶詰め時の少量の亜硫酸使用は認められています。

それでは、おすすめのビオワインを紹介します。

ラ・ビアンカーラ・ピーコ / ラ・ビアンカーラ

ラ ビアンカーラ ピーコ 2017 白ワイン 750ml
ラ ビアンカーラ

ソアーヴェの隣ガンベッラーラのワイナリーで造られており、有機栽培で二酸化硫黄も瓶詰めで少量使用するのみです。

フリウリのグラヴナーから強く影響を受けていて、完全無堆肥からビオディナミへ転換し、植物由来の堆肥を畑に撒いています。

果皮との接触を長めにとるオレンジワインの発酵手法をとっています。

パイナップル、レモンピールのフレッシュな香りに、豊かな果実味とミネラル感による旨味がジワジワと込み上げます。

ラ・ビアンカーラの白の最上級キュヴェです。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:ヴェネト
  • 品種:ガルガーネガ
  • 生産者:ラ・ビアンカーラ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:4,500円
【おすすめの料理】

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?
カニクリームコロッケなど。

マインクラング・グラウパート・ピノグリージョ / マインクラング


マインクラングは、2003年にデメテール認証を取得しており、オーストリアを代表するビオディナミのワイン生産者です。

ビオディナミの先駆者ニコラ・ジョリー率いるルネッサンス・デ・アペラシオンというビオディナミの生産者グループの一員で、後進の指導にも力を入れています。

このワインは、低温で10日間の果皮浸漬を行なったエレガントなオレンジワインです。

グレープフルーツや白桃のアロマティックな香りに、豊かな果実味とミネラルとフレッシュな酸を感じます。

果肉を食べているようなジューシーさをライムの果皮のような心地良い苦味が引き締めます。

オレンジワインの中でもピュアでエレガントな印象が強いワインです。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ブルゲンラント
  • 品種:ピノ・グリージョ
  • 生産者:マインクラング
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,940円
【おすすめの料理】

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?
イチジクのミックスサラダや豚肉のヨーグルトソース掛けなど。

マイン・クラング・ピノ・ノワール / マイン・クラング


エチケットのアンガス牛は、マインクラングの有機農法のシンボルとして描かれています。

所有しているアンガス牛の糞を使用した栄養価の高い堆肥を使用し、ビオディナミを実践しています。

フレッシュなサクランボ、すり潰したブルーベリー、スミレの香り、ピュアな果実味に、豊かなミネラル、フレッシュな酸とすり潰したブルーベリーを思わせるタンニンがあります。

  • 原産国:オーストリア
  • 産地:ブルゲンラント
  • 品種:ピノ・ノワール
  • 生産者:マイン・クラング
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2,500円
【おすすめの料理】

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?

シャルキュトリー、生ハムとイチジクのサラダなど。

エミリアン / シャトー・ルピュイ


ボルドーのコート・ド・フランにて1610年創業し、除草剤、化学肥料、農薬を使用せず、ブドウ栽培を続けてきたシャトー・ルピュイ。

敷地は60haありますが、ブドウが植えられているのは38haのみです。残る敷地は、森や沼がそのまま残されていて、虫が生息し、牛や馬が草を食べています。

400年以上自然の生態系を守ることで、ブドウ樹も守られているので、除草剤、化学肥料、農薬を使わずともブドウ樹が生育できます。
地中に伸ばされた根の深さは70mにも及びます。

ブラックベリーの香りと腐葉土や鞣した革の深い香りが特徴的で、落ち着いた果実味に、自然酵母を思わせる甘酸っぱい酸、穏やかな溶け込んだタンニンが余韻に長く続きます。

ボルドーワインとは一線を画す自然な味わいのミディアムボディの赤ワインで、ブルゴーニュ好きにもオススメです。

  • 原産国:フランス
  • 産地:コート・ド・フラン
  • 品種:メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール
  • 生産者:シャトー・ルピュイ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:4,550円
【おすすめの料理】

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?
仔羊のロティ、キノコ鍋など。

サヴニエール・レ・ヴュー・クロ / ニコラ・ジョリー

サヴニエール レ ヴュー クロ 2017 ニコラ ジョリー 750ml 白ワイン フランス ローヌ
ピノノワール・オンライン

ロワールを代表する作り手で、ビオディナミの伝道師とも呼ばれるニコラ・ジョリー。1980年から1984年にかけて、全ての畑にビオディナミに転換しました。

サヴニエール・レ・ヴュー・クロは、クレ・ド・セランにある樹齢80年の古樹からのマサル・セレクションのブドウ樹が植えられています。

かりんのコンポートやカモミールの豊かな香りに、ヘーゼルナッツのスモーキーな香りが組み合わさっています。

豊かな果実味、酸、ミネラルと旨味を中盤から余韻にかけて長く感じます。

ニコラ・ジョリーのワインは、抜栓してから空気に触れ合わせて香りを開かせることをオススメします。

あればデキャンタ、普段お茶などを入れるポットを代用して、ワインを飲む2時間前には移し替えて飲んでみてください。

  • 原産国:フランス
  • 産地:サヴニエール
  • 品種:シュナン・ブラン
  • 生産者:ニコラ・ジョリー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • 容量:750ml
  • 参考価格:5,891円
【おすすめの料理】

ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?
生姜焼き、鶏肉のハニーマスタードソース添えなど.

まとめ

日本と比較して、欧米はビオに関する意識が高く、スーパーなどでも多くのビオ商品が並べられています。

ワインも例外ではありませんが、ビオワインに関しての細かい規定はできておらず、多くの異なった見解があります。

選ぶ際には認証機関のマークを探して購入するのも良いですが、実は認証を受けていないところも多々あります。

生産者のことを知ることが一番おすすめですが、こちらを見て参考にしていただけたら幸いです。

以上、ソムリエがおすすめする「本当に美味しい」ビオワインとは?のご紹介でした。