最近では『ビオワイン』『オーガニックワイン』『自然派ワイン』などの名称が浸透してきました。

実はこれらはワインのカテゴリーとして分類されている訳でも、明確に決められた定義がある訳でもありません。

また、日本ではオーガニックワインや有機ワインなどを何でもまとめて『ビオワイン』と思われているところもあります。

そこで今回は、

・『ビオワイン』とは何か?(ビオディナミ、ヴァンナチュールなどとの比較)

・『おすすめビオワイン(ヴァン・ナチュール)7選』

についてお伝えします!

ビオワインとは?

まずお伝えしたいのが、『ビオワイン』と呼んでいるのは実は日本だけということ。

フランス語で有機栽培の意味である『ビオロジック』と『ワイン』を合わせた造語ですが、海外では『ヴァン・ナチュール』『自然なワイン(自然派ワイン)』というように呼ばれています。

『ヴァン・ナチュール』と言われるワインは、有機栽培&天然酵母発酵&酸化防止剤不使用または天然由来のものを使用のワインを指すのが一般的です。

正確に言うと厳密な定義は現在ないのですが、『ビオロジック』『ビオディナミ』『ビオワイン』などは以下のように違いが分けられています。

【ビオロジック】

有機栽培のブドウで造られたワイン。

  • 化学肥料、農薬の使用を認めらていない。
  • 有機肥料はEUで認定されたものだけ使用可能。
  • フランス農務省など各団体の厳しい審査をクリアしたものに『オーガニック』の認証が与えられる。
  • 英語圏でいうところの『オーガニックワイン』

※主な認証団体はABマークやエコセールなど
※元々はブドウ栽培中心の基準であったが、2012年より醸造に関する規制も出来た
※日本のオーガニックとは意味合いが違う

ビオディナミ(バイオダイナミック)】

生力学農法により造られたワイン。

  • 生力学農法とは教育理論でも知られる学者ルドルフ・シュタイナー博士が提唱したもの。
  • ビオロジック農法であり、月と地球の位置関係を記したカレンダー(太陰暦や天体の運行)に合わせた農作業を行う。
  • 剪定、収穫、瓶詰め等は月の運行をみて最適な日時に行う。
  • 植物、動物との調和など地球環境を考えた農法。
  • ビオディナミ農法の認証機関として『デメテール』という団体がある

【リュット・レゾネ 】

減農薬農法により造られたワイン。

  • 除草剤、殺虫剤、化学肥料をできるだけ使用せずにブドウを育てる。
  • 有機栽培とは違い、必要な時には農薬や化学肥料を使用する。

【サステーナブル】

環境保全型農法によリ造られるワイン。

  • ビオロジック農法である。
  • 生態系を壊さない、人にも環境にも安心安全であること。
  • 必要な時には農薬や化学肥料を使用する。
  • ビオディナミとは違い、人と地球の共存を目的としたエコロジーな考え

【ヴァン・ナチュール】

栽培と醸造の両方で自然な造りを目指したワイン。

  • ビオロジック農法であり、天然酵母で発酵させる。
  • 亜硫酸塩(SO2)を添加しないか、もしくは極力少なくする。
  • 世界的にも『ヴァン・ナチュール』という呼び方が浸透している。

 
色々なビオワインがありますが、その中でもオススメの7本を選んでみました。

おすすめビオワイン&ヴァン・ナチュール7選

ル・カノン ルージュ / ラ・グランド・コリーヌ

フランスのボルドー大学で醸造学を学んだ日本人醸造家『大岡弘武氏』が南仏『コート・デュ・ローヌ』で造る赤ワインです。

『ビオロジック農法』を実践しており、農薬の代わりにビオディナミの認証団体である『デメテール』で認可された『硫黄』を使用しています。

発酵時の『プチプチ』としたガスを感じるフレッシュ感と『ブドウ本来の果実味』のあるジューシーな味わいです。

少し冷やして『食前酒』としても楽しめます。

  • 原産国:フランス
  • 産地:コート・デュ・ローヌ
  • 格付け:VdF(ヴァン・ド・フランス)
  • 品種:グルナッシュ55%、シラー35%、メルロー10%
  • タイプ:ビオロジック
  • 生産者:ラ・グランド・コリーヌ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:2,500円~3,000円

ラ・ビアンカーラ・ロッソ・マシエリ

イタリアはヴェネト州の生産者『ラ・ビアンカーラ』の造る赤ワインです。

『ビオディナミ農法』による『カベルネ・ソーヴィニヨン』、『メルロー』などを使用し、醸造においても100%『酸化防止剤』無添加で造られています。

深みある色合いに、フレッシュなベリーの香りと『程よいタンニン』を感じるバランスの良いミディアムフルボディです。

鶏や豚肉の甘辛煮などコクのある肉料理によく合います。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:ヴェネト
  • 格付け:VdT(ヴィノ・ダ・タボラ)
  • 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、タイ・ロッソ
  • タイプ:ビオディナミ
  • 生産者:ラ・ビアンカーラ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:2,500円~3,000円

バルダ

ボデガ・チャクラ バルダ 750ml

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イタリアの『スーパー・トスカーナ』として有名な『サッシカイア』のオーナーファミリー『ボデガ・チャクラ』がアルゼンチンで造る赤ワインです。

『ビオディナミ農法』により、アルゼンチンでは栽培が難しいとも言われる『ピノ・ノワール』100%で造られています。

南米のワインでは珍しいくらいエレガントで、『キメ細かいタンニン』の上質な『ブルゴーニュワイン』を思わせる味わいです。

肉料理全般は勿論、醤油を使用した『野菜の煮物』『魚の煮付け』などにもよく合います。

  • 原産国:アルゼンチン
  • 産地:パタゴニア
  • 格付け
  • 品種:ピノ・ノワール100%
  • タイプ:ビオディナミ
  • 生産者:ボデガ・チャクラ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,500円~4,200円

マルセル・ダイス・リースリング

フランスの北部アルザス地方の生産者『マルセル・ダイス』の造る白ワインです。

『ビオディナミ農法』による樹齢20年のリースリングを使用していて、発酵後は『*シュール・リー』という作業を行い熟成されます。

レモンのような爽やかな『柑橘系の香り』と『シュール・リー』の影響によるコクから『白桃』のような深みある風味が現れています。

脂の乗った『魚料理』や『天ぷら』などによく合います。

*シュール・リー=醸造終了後、澱を取り除かずにワインを熟成させる手法。(白ワインの味わいに深みを与える作業)

  • 原産国:フランス
  • 産地:アルザス
  • 格付け:AOC
  • 品種:リースリング100%
  • タイプ:ビオディナミ
  • 生産者:マルセル・ダイス
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,800円~5,000円

テヌータ・ラゲデール・ルーウェンガン・シャルドネ

イタリアはトレンティーノ・アルト・アディジェの生産者『アロイス・ラゲデール』の造る白ワインです。

『ビオディナミ農法』の認証機関『デメテール』の認証を取得しているワインを3つ所有しています。

『ルーウェンガン・シャルドネ』は樹齢25年のシャルドネを使用していて、『フレンチ・オーク』で発酵させた後に11ヶ月シュール・リーを行います。

味わいは上質な『ブルゴーニュ』にも匹敵する、『リッチ』で深みのある辛口タイプです。

『ホタテのバター焼き』『上質な豚肉の脂』などによく合います。

  • 原産国:イタリア
  • 産地:トレンティーノ・アルト・アディジェ
  • 格付け:D.O.C
  • 品種:シャルドネ100%
  • タイプ:ビオディナミ
  • 生産者:アロイス・ラゲデール
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:6,500円~7,000円

プリューレ・ロック ヴァン・ド・フランス・ブラン

ブルゴーニュの名門『ルロワ家』の一族で、『D.R.C.(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』の共同経営者のひとりでもある『アンリ・フレデリック・ロック氏』が造る白ワインです。

『ルロワ』といえば『ビオディナミ農法』の先駆者的存在で、そのノウハウは『プリューレ・ロック』にも引き継がれています。

また、醸造時には
『人の足でブドウを踏んで潰す』
『澱を取り除かない(ノンフィルターで瓶詰め)』
『酸化防止剤の不使用』
などを徹底しています。

シャルドネの果皮も一緒に発酵させるため、『オレンジワイン』のような仄かに『黄色みを帯びた色合い』と『タンニン』を感じる深みある味わいの白ワインとなっています。

バターを使用した『魚介系』や『肉料理のソース』などコクのある料理によく合います。

  • 原産国:フランス
  • 産地:ブルゴーニュ
  • 格付け:AOC
  • 品種:シャルドネ100%
  • タイプ:ビオディナミ
  • 生産者:プリューレ・ロック
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:6,500円~8,000円

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ロマネ・コンティ

フランスはブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネ村にある、いわずもがな『世界最高峰』の生産者『D.R.C.(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)』の造る赤ワインです。

意外と知らない方も多いのですが、85年から『ビオロジック(有機農法)』『96年からビオディナミ農法』が行われています。

若いうちはピノ・ノワールながら香辛料のような『オリエンタルな風味』と果実味が層になった『力強さ』が際立ち、熟成とともに『トリュフ』や『ポルチーニ』など上質なキノコを思わせる濃厚なアロマが広がります。

『キノコ料理』や『ジビエ料理』の季節には最高の味わいです。

  • 原産国:フランス
  • 産地:ブルゴーニュ/ヴォーヌ・ロマネ村
  • 格付け:A.O.C.グラン・クリュ(特級)
  • 品種:ピノ・ノワール
  • 生産者:ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:¥1,650,000

まとめ

数年前から日本でもブームとなり人気上昇中の『ビオワイン』ですが、実はそう呼んでいるのは実は日本だけなのです。

現在、公的な規制や厳密な定義など曖昧なところもありますが、大きく分けると『ビオロジック農法』と『ビオディナミ農法』の2つが中心となっているようです。

この2つの『栽培に関する手法』に天然酵母による発酵や酸化防止剤の不使用など『醸造上の手法も加えたワインの総称が『ヴァン・ナチュール』と呼ばれています。

2000~3000円前後のビオワインも多々ありますので、普通のワインとの比較や色々なビオワインを飲み比べてみてください!

【おすすめワイン会情報】
⇒2018.6.10(日)「ビオワイン飲み比べワイン会~ブドウ本来のピュアな味わい~」

JSA(社団法人日本ソムリエ協会)認定シニアソムリエNo1109。ワインコーディネーター、ワインライター
旧アカデミー・デュ・ヴァン東京校にてワインを学び、株式会社セブンシーズ・インターナショナル(旧レストラン・ロアラ・ブッシュ)でワイン業務に従事。後に九州へ帰郷、2005年にJSA(社団法人日本ソムリエ協会)認定シニアソムリエ資格を取得。現在は酒販会社のワインアドバイザー兼、飲食店様へのワインコーディネイト、ワイン関連サイト各種への執筆やワイナリーを訪問してのトラベルライターとしても活動中。