ワインといえば、フランス料理やイタリア料理など西洋料理と言うイメージをお持ちの方も多いと思います。
実はタイやベトナムなどのエスニック料理の他、中国料理や韓国料理のようなアジア料理全般にもワインはよく合います。もちろん日本の料理和食にも相性抜群のワインはたくさんあります。
また和食が世界文化遺産にも登録され、海外での注目度も上がりました。近年それに伴い、日本国内でも和食とワインのペアリングを楽しむスタイルが人気となっています。
そこで今回はアジア料理に合う秘密と絶対合わせて飲みたいおすすめワインをご紹介したいと思います。
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■主なアジア料理の特徴
1.エスニック料理の特徴
タイやベトナムなどを中心に非常に人気のあるエスニック料理ですが、スパイスなどの個性が強いためワインには合わないのでは?と思う方も少なくないと思います。
しかし、野菜や香草などをたくさん使い、魚や鶏肉などヘルシーなメニューが多いのもエスニック料理の特徴です。
また『ナンプラー』や『ヌクマム』など独特な風味と旨味のある調味料やレモンの酸味、ココナツミルクの甘みなど幅広い味わいが様々なワインとマッチします。
2.中国料理の特徴
中国料理といえばビールや紹興酒のイメージがありますが、実はワインとの相性も大変良いです。
その理由は海鮮、肉、野菜など様々な具材を一緒に調理するメニューが多く、味付けもピリ辛なものから甘みのあるものまで幅広くあるからです。
特に紹興酒にザラメを入れたり、杏のお酒の『杏露酒(しんるちゅう)』などリキュール系のお酒を飲む文化もある事から貴腐ワインのような甘口タイプのワインにもよく合います。
3.韓国料理の特徴
韓国料理も他のアジア料理同様に、旨味や酸味など多様な味わいが特徴の料理がたくさんあります。
海鮮料理からお肉料理まで様々あり、香辛料を効かせたものから少し甘みのある味付けなど、ワインと合わせるバリエーションも豊富です。
またキムチや味噌など発酵食品を使った料理も多いため、ワインとの相性も非常に良いです。
4.日本料理(和食)の特徴
他のアジアの国と同様に、味噌や醤油などの発酵食品や日本特有の調味料を使った料理がたくさんあります。
海産物や肉、野菜など様々な食材と日本料理ならではの調理法により料理もバラエティーに富んでいます。
また海外の食文化も加わり、和洋折衷の料理などもワインとマッチする要因とも言えるでしょう。
■代表的なアジア料理とワインの組み合わせ
ベトナム生春巻き
海老やナンプラーとパクチーなど香味野菜が特徴な生春巻きには、ハーブや柑橘系の風味のあるソーヴィニヨンブランの白ワインと相性が良いです。
ガパオライス
鶏ひき肉と野菜を炒めたガパオライスは、バジルの風味もあり、白ワインのソーヴィニヨンブランの他にも、グルナッシュのようなスパイシーでハーブの香りのある赤ワインとも相性が良いです。
海老のチリソース
海老の旨味とトマトの酸味の効いたピリ辛なチリソースには、辛口のロゼワインや程よい泡立ちのスパークリングワインと相性が良いです。
豚の角煮
甘くて濃い味付けの豚の角煮にはクローブ(丁子)と言うスパイスが使われています。甘い醤油の風味とスパイシーな味わいには、オーストラリアのシラーズやグルナッシュなど凝縮した果実味のある赤ワインと相性が良いです。
サムギョプサル
豚バラ肉を焼いて味噌やキムチと一緒にサンチュに包んで食べるサムギョプサル。豚バラの脂の甘味や味噌には、コクのあるシャルドネなどの白ワインやシャンパーニュと相性が良いです。
プルコギ
甘辛なタレで味付けする韓国風の焼肉プルコギには、カリフォルニアのジンファンデルや南イタリアのプリミティーヴォのような凝縮した果実味と濃い甘味が特徴の赤ワインと相性が良いです。
天ぷら
海鮮や野菜など様々な食材を使う天ぷらは、素材の旨味が楽しめる料理です。シンプルに塩で食べる場合はイタリアのソアヴェやフランスのアルザスワインのようなスッキリとした柑橘系の白ワインが合います。また、天つゆの場合は辛口のロゼワインと相性が良いです。
※ロゼスパークリングやシャンパーニュにも合います。
すき焼き
牛肉の脂の旨味と甘辛な醤油風味が特徴のすき焼きには、程良いタンニン(渋み)とコクのあるエレガントでなめらかなメルローを使った赤ワインと相性が良いです。
上質な牛肉を使う場合は、フランスのボルドー地方などワンランク上のワインを選ぶと良いでしょう。
絶対に合わせたい!アジア料理に合うおすすめワイン10選!
ブルエット プレステージ ブラン ド ブラン
フランスはボルドー地方の生産者ブルエットが造るスパークリングワインです。
南フランスで栽培したシャルドネを100%使用した、ボルドー産の『※ブラン ド ブラン』です。本格的な『※シャンパーニュ製法』により醸造されているため、キレのある滑らかな泡立ちの辛口タイプです。
魚介類から肉料理まで、様々な料理とよくマッチする万能タイプです。
※ブラン ド ブラン=『白の白』という意味のフランス語です。 シャルドネなどの白ブドウ種で造られたスパークリングワインを指します。
※シャンパーニュ製法=瓶内で1本ずつ2度目の発酵(瓶内二次発酵)をさせ、発生させた炭酸ガスを閉じ込める製法
- 原産国:フランス
- 産地:ボルドー地方
- 格付け:-
- 品種:シャルドネ100%
- タイプ:(白)スパークリングワイン
- 生産者:ブルエット
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:1,900円~2,300円
メンヒル ノヴェメンティ ロザート
南イタリアのプーリア州の生産者メンヒルが造るロゼワインです。
プーリア州でメジャーな赤ワイン用品種ネグロアマーロを使用したロゼワインです。深い色合いのロゼ色をしており、その風味もイチゴやチェリーを思わせる果実味です。程良い酸味とタンニンを感じる辛口タイプです。
スパイスを効かせた『海老のグリル』や『チャーシュー』などによく合います。
- 原産国:イタリア
- 産地:プーリア州
- 格付け:-
- 品種:ネグロアマーロ
- タイプ:ロゼワイン
- 生産者:メンヒル
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:―
- 容量:750ml
- 平均価格:1,900円~2,300円
クーパーズクリーク ローンカウリ ソーヴィニヨンブラン
ニュージーランドはオークランド州の生産者クーパーズクリークワイナリーが造る白ワインです。
醸造責任者のサイモン ナンズは香りの魔術師と言われ、彼の醸造するワインは数多くのワインコンテストでも高い評価を受けています。
ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン特有の青々したハーブ香の中に、パッションフルーツのようなトロピカルな香りが広がります。キレのある爽やかな酸味が特徴の辛口タイプです。
生春巻きなどパクチーや香味野菜の他、ハーブを使った肉料理などにもよく合います。
- 原産国:ニュージーランド
- 産地:オークランド州
- 格付け:-
- 品種:ソーヴィニヨンブラン
- タイプ:白ワイン
- 生産者:クーパーズクリーク ワイナリー
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:―
- 容量:750ml
- 平均価格:1,700円~2,000円
ヴァインホフ ショイ ヴァイスブルグンダー トロッケン 1リットル
ドイツのファルツ地方の生産者ヴァインホフ ショイが造る白ワインです。有機農法(ビオロジック)を取り入れる生産者です。
ブドウ畑はフランスのアルザス地方にもまたがっています。有機農法で栽培された『※ヴァイスブルグンダー』による、白桃のような果実味に柑橘系のような酸が広がる優しい辛口タイプです。
麻婆豆腐など鷹の爪の効いた料理や香辛料を使った料理によく合います。
※ ヴァイスブルグンダー=ピノブラン種のドイツでの呼び名。
- 原産国:ドイツ
- 産地:ファルツ地方
- 格付け:-
- 品種:ヴァイスブルグンダー(ピノブラン)
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ヴァインホフ ショイ
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:―
- 容量:750ml
- 平均価格:1,900円~2,200円
マルサネ ロゼ ブリュノクレール
フランスのブルゴーニュ地方の生産者ドメーヌ ブリュノ クレールが造るロゼワインです。クレールは代々化学肥料に頼らないワイン造りに取り組んでいる生産者です。
ブルゴーニュ地方の代表的なブドウ、ピノノワールから、イチゴなど赤い果実のような甘酸っぱい風味とジューシーな果実味を感じる辛口ロゼワインです。
酢豚や海老のチリソースをはじめ、ワタリ蟹や上海蟹などワンランク上の料理にもよく合います。
- 原産国:フランス
- 産地:ブルゴーニュ地方
- 格付け:-
- 品種:ピノノワール
- タイプ:ロゼワイン
- 生産者:ドメーヌ ブリュノ クレール
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:―
- 容量:750ml
- 平均価格:3,500円~4,000円
シックス エイト ナイン ナパヴァレー レッド
アメリカはカリフォルニア州のナパヴァレー地区の生産者シックス エイト ナイン セラーズが造る赤ワインです。有機農法(サステーナブル)を取り入れた生産者です。
有機栽培されたジンファンデルを主体に、カベルネ ソーヴィニヨンやメルローなどがブレンドされています。ブラックチェリーのような凝縮感たっぷりの果実味に、フレンチオーク樽使用している濃厚でスパイシーなフルボディタイプです。
北京ダックやプルコギのような甘辛でコクのある味付けの料理によく合います。
※有機農法(サステーナブル)=可能な限り環境を破壊しない栽培法(環境保全型農法)
- 原産国:アメリカ
- 産地:カリフォルニア州(ナパヴァレー地区)
- 格付け:-
- 品種:ジンファンデル
- タイプ:赤ワイン
- 生産者:シックス エイト ナイン セラーズ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:フルボディ
- 容量:750ml
- 平均価格:3,000円~3,500円
ピエール フリック リースリング ビール
フランスはアルザス地方の生産者ピエール フリックが造る白ワインです。有機農法(ビオディナミ)の先駆者としても知られています。
有機栽培されたリースリングをステンレスタンクで発酵した後に、フードル(Foudre)と呼ばれるアルザス伝統の大樽で熟成します。リースリング特有の青りんごのような風味と綺麗で引き締まった酸味が特徴の辛口タイプです。
塩で味わう『天ぷら』や『魚の塩焼き』、野菜の煮物など和風の料理全般によく合います。
- 原産国:フランス
- 産地:アルザス地方
- 格付け:-
- 品種:リースリング
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ピエール フリック
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:2,500円~3,000円
ブレッド&バター シャルドネ
アメリカはカリフォルニア州のナパヴァレーの生産者ブレッド&バターワイナリーが造る白ワインです。かつてオバマ大統領が主催したランチミーティングでも提供されたとして注目を集めています。
100%シャルドネを使用しており、その名の通りパンをトーストしたような風味や焦がしバターやアーモンドのような香ばしさがあります。程良い酸味にパインのようなトロピカルな果実味のある辛口タイプです。
しゃぶしゃぶ、棒々鶏など胡麻ダレの効いた料理やマレーシア料理の『海老や帆立のバターソース炒め』などによく合います。
- 原産国:アメリカ
- 産地:カリフォルニア州(ナパヴァレー地区)
- 格付け:-
- 品種:シャルドネ
- タイプ:白ワイン
- 生産者:ブレッド&バターワイナリー
- 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
- ボディ:-
- 容量:750ml
- 平均価格:3,000円~3,500円
シャトー フルール ド ジャン ゲイ レゼルヴ2014年
フランスはボルドー地方のシャトー フルール ド ジャン ゲイが造る赤ワインです。このシャトーのオーナー夫人はボルドーの最高級とも言われるシャトー ペトリュスの醸造にも携わっていた経験があります。
シャトー ペトリュス同様にメルロー100%で醸造されます。ヴィンテージにもよりますが、この2014年は完熟したカシスやラズベリーのような華やかな果実味とメルロー特有のなめらかなボリュームのあるミディアムフルボディです。
上質な牛肉の『すき焼き』や『しぐれ煮』など程良い甘味とコクのある料理によく合います。
- 原産国:フランス
- 産地:ボルドー地方
- 格付け:-
- 品種:メルロー100%
- タイプ:赤ワイン
- 生産者:シャトー フルール ド ジャン ゲイ
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアムフルボディ
- 容量:750ml
- 平均価格:3,000円~3,500円
ヴァスフェリックス カベルネ ソーヴィニヨン
西オーストラリアのマーガレットリヴァー地区にある生産者ヴァスフェリックスが造る赤ワインです。
1967年からブドウ栽培が行われていたエリアで、現在では『※世界3大カベルネ ソーヴィニヨン』の産地として知られるようになりました。
カベルネ ソーヴィニヨン、その他メルロー、シラー、マルベックを使用しています。凝縮感があるカシスのような果実味に、オレガノやタイムなどドライハーブの風味を感じます。
また、余韻にローストした香ばしい風味とバニラ香のある程良いタンニンのミディアムフルボディです。
牛肉や豚肉のスペアリブの煮込みなど、コチュジャンや鷹の爪を使った料理や『豚の角煮』のような、甘辛い醤油味の料理によく合います。
※世界3大カベルネ ソーヴィニヨン=フランスの『ボルドー地方』、イタリアの『ボルゲリ地区』、オーストラリアの『マーガレット リヴァー』が優良なカベルネ ソーヴィニヨンの産地と言われています。
- 原産国:オーストラリア(西オーストラリア)
- 産地:マーガレットリヴァー地区
- 格付け:-
- 品種:カベルネ ソーヴィニョン86%、メルロー6%、シラー5%、マルベック3%
- タイプ:赤ワイン
- 生産者:ヴァスフェリックス
- 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
- ボディ:ミディアムフルボディ
- 容量:750ml
- 平均価格:4,500円~5,000円
■まとめ
絶対に合わせたい!アジア料理に合うおすすめワイン10選!いかがでしたか?
一昔前はワインといえばフランス料理やイタリア料理が定番でしたが、近年では世界の食文化に合わせたワインの楽しみ方も広がっています。
そして私たちアジアの食文化にもワインは非常によく合います。
また、日本は様々な国の「食」が楽しめる希少な国で、これからもワインと料理の組み合わせは更に広がっていくことでしょう。
以上、アジア料理に合う秘密と絶対合わせて飲みたいおすすめワイン10選のご紹介でした。