ポートワインとは?種類や飲み方、おすすめ銘柄を徹底解説【初心者も楽しめる甘口ワイン】
みい子みい子

甘くワインとして知られるポートワイン。その種類や産地・製法、種類ごとにおすすめの銘柄をご紹介します。

ポートワインをご存知ですか?ポルトガルで造られている甘口の酒精強化ワインのことですが、聞いたことはあるけど詳しく知らない・・という方も多いかもしれません。

普通のワインと違い、長期保存が可能なので食前酒または食後酒として自宅で気軽に楽しむのにおすすめです。今回はそんなポートワインについて紹介したいと思います。

ポートワインとは

ポートワインとは

ポートワインは、ポルトガルで造られている酒精強化ワインの一種です。アルコール度数は19〜22度と決まっており、甘口でコクのある味わいが人気ですね。

酒精強化ワインとは?

酒精強化ワインとは、発酵過程にアルコール度数40度以上の蒸留酒を添加しアルコール分を15度から22度程度までに高めて味にコクもたせ、保存性をもたせたものです。

普通のワインは14度程度なのに比べると酒精強化ワインは18度前後と高めになっています。

酒精強化ワインの味わいは、アルコールをどのタイミングで添加するかによって甘口~辛口と違いが生じます。

発酵過程でアルコールを加えると、酵母の糖分の分解が止まるため、発酵前や発酵途中に添加すると糖分が多く残るので甘口になり、発酵後に添加したものは辛口になります。

スペインのシェリーとポルトガルのポートとマディラが世界三大酒精強化ワインと称されています。

ポートワインの産地と製造方法

ポートワインの産地

ポートワインはポルトガル北部のドウロ川上流地域の生産地域で造られています。

ブドウは収穫後に除梗、破砕し、発酵槽で2~3日発酵と醸しを行います。求める糖度になったら発酵中の液を抜き、それに77%のグレープ・スピリッツを添加して醗酵を止めます。

糖分がアルコールに変化する前にこの作業によって醗酵を止めるため、多くの糖分が残り自然な甘味を持ったワインになります。

アルコールの添加量は造りたいワインのアルコール度数と糖度によって計算され、甘さの段階は5段階に分けられます。それぞれブレンド、樽熟成が行われ、出荷されます。

ポートワインのアルコール度数は19~22度までに限定されており、アルコールが強く、甘味が強いのがポートワインの特徴です。

ポートワインの種類とおすすめ銘柄

ポートワインの種類
左からホワイト、レッド、リゼルバ

ポートワインは黒ブドウを原料にしたレッドポートと白ブドウを原料にしたホワイトポートに大別できます。

さらに、レッドポートはルビータイプとトウニータイプの2種類に分けられます。

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ここからは、ポートワインの種類ごとにその特徴を解説し、おすすめのポートワインをご紹介します。

ルビータイプ

ルビータイプ

平均3年間の樽熟成後に出荷される若いタイプのポートワインでワインの色が宝石のルビー色をしていることからルビーと呼ばれています。

ルビーにはスペシャルタイプとしてヴィンテージポートとレイトボトルドヴィンテージポートなどが含まれます。

おすすめのルビータイプ:サンデマンルビーポート

サンデマン社は1790年創業の老舗メーカーで200年以上高品質ポートワインを造り続けています。

黒マントがシルエットの「ドン」というキャラクターは、ポルトガルの学生のマントを羽織りスペインのコルトバ帽をかぶり赤いポートの入ったグラスを持っていて、メーカーのトレードマークとなっています。

色合いは輝きのあるパープルのニュアンスを持つ、深みのあるガーネット色で、ブラックベリーやプラムの果実香、スパイシーさなどがエレガントな香りをもたらします。

果実味と豊かな甘味があり、後味の渋味がモダンな印象の余韻です。チョコレート系のデザートや、豊かな風味のクリーム系のチーズフルーツパイとよく合います。

  • 原産国:ポルトガル
  • 産地:ドウロ
  • 品種:トウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・ロリス
  • タイプ:赤
  • 生産者:サンデマン
  • 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
  • ボディ:ミディアム
  • 容量:750ml
  • 参考価格:1500~2500円

ヴィンテージ・ポート

ビンテージポート

ヴィンテージポートはその年の作柄が特に優れたブドウから造られたもので、長期間の熟成を経てから飲まれるもの。飲むときにはデカンタージュを必要とします。

おすすめのヴィンテージ・ポート:グラハム・マルヴェドス・ヴィンテージ

1820年創業のグラハム社で生産されるヴィンテージポート。名門シミントン一族の厳格な品質管理により手作りの製法を遵守しています。

ドウロ川上流のわずかなブドウ園のみで生産される稀少な一品です。グラハム社は長期間の瓶内熟成をへて飲み頃を見極めて出荷されるマルヴェドスヴィンテージにより高い評価を得ています。

食後酒としてお肉料理やチーズ、デザートやチョコレートムースと合います。

  • 原産国:ポルトガル
  • 産地:ドウロ
  • 品種:トウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ他
  • タイプ:赤
  • 生産者:ジョン・グラハム
  • 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:7500~8500円

レイトボトルドヴィンテージポート

レイトボトルドヴィンテージポートはヴィンテージに達しないもののそれに続くと思われる作柄の葡萄を原料として造られるものです。

おすすめのレイトボトルドヴィンテージポート:テイラーレイトボトルドヴィンテージポート

1692年創業の歴史あるメーカーで、設立時から現在まで創業者の一族によって受け継がれている唯一のポートハウスです。

テイラーの偉大な発明であるレイトボトルドヴィンテージは、長期間の樽熟成の後澱引きしてから瓶詰めするのでちょうど飲み頃のヴィンテージポートの美味しさを気軽に楽しむことができます。シュークリームやガトーショコラとよく合います。

  • 原産国:ポルトガル
  • 産地:ドウロ
  • 品種:ティンタ・バロッカ
  • タイプ:赤
  • 生産者:テイラー
  • 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:3000~4000円v

トゥニータイプ

トゥニータイプ

ルビーポートをさらに長期樽熟成してから出荷されたものでワインが黄褐色に変わったことからトゥニー(=黄褐色)と呼ばれています。スペシャルタイプとして熟成年数表記トゥニーポート、コリェイタが含まれます。

おすすめのトゥニータイプ:フォンセカ・エイジド・トー二ーポート20年

フォンセカ・ギマラエンス社のワイン造りは伝統的な手法をとられており、敷地内にある花崗岩製のラガールで足踏み方式によって醸造されます。

ブドウは自然界にある酵母の働きによって発酵を始めます。こちらのトーニーポートは平均20年の樽熟成を経て瓶詰されたポートです。

琥珀色の外観で熟成したフルーツにシナモン、樽のニュアンスが一体となり、シルクのような口当たりで長い余韻が印象的です。フルーツなどのデザートと合います。

  • 原産国:ポルトガル
  • 産地:ドウロ
  • 品種:ティンタ・アマレーラ、ティンタ・ロリス、トウリガ・ナショナル、トウリガフランセーザ、ティント・カン、ティンタ・バロッカ
  • タイプ:赤
  • 生産者:フォンセカ・ギマラエンス
  • 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:8500~9500円

ホワイトタイプ

ホワイトタイプ

白ブドウを原料とし、低温発酵で通常のポートワインよりも発酵を長くしてからグレープスピリッツを添加したものです。

ホワイトポートのみ最低アルコール度数が16.5度まで認められています。比較的辛口で、冷やして食前酒に飲まれることが多いです。

おすすめのホワイトタイプ:ニーポート

1842年創業の歴史あるポートハウスで、品質を重視するためポートワイン全体の1%にも満たない少量生産を貫いています。

こちらは伝統的なスタイルのホワイトポートです。ナッツを思わせる香りでやや甘口です。冷やして食前酒や食後酒として楽しめます。チーズやデザート、フルーツ全般とよく合います。

  • 原産国:ポルトガル
  • 産地:ドウロ
  • 品種:コテガ、ラビガト、ヴィオジーニョ、アリント、ゴウベイオ他
  • タイプ:白
  • 生産者:ニーポート
  • 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 容量:750ml
  • 参考価格:2000~3000円

ポートワインの飲み方

ポートワインに飲み方ですが、ホワイトポートなどであれば食前酒として飲むのも合いますが、基本的には食後酒としてチョコレートやデザートと合わせて飲むとより楽しむことができます。

また残っても、普通のワインのようにすぐに劣化してしまうことはありません。ものにもよりますが冷蔵庫で保管すれば長期で保存が可能です。

まとめ

おすすめのポートワインを紹介しましたが、いかがでしたか?

ふつうのワインとはまた違った風味と楽しみ方を持つポートワイン。是非これを機に気軽に楽しんでみて下さいね。