南アフリカワインの品種別おすすめ7選!~350年以上の歴史あるニューワールドワイン~

『ニューワールドワイン』や『新世界ワイン』と呼ばれる産地のワインの中でも、ここ近年目覚ましく品質向上しているのが『南アフリカ産のワイン』です。

1650年頃には『ワイン造り』が始まっており、ニューワールドの産地でありながら『350年という長い歴史』を持つ国です。

同じくニューワールドの産地として知られている『アメリカ』や『オーストラリア』でワイン造りが始まったのが約1700年代後半ですから、100年以上も前からワイン造りを行っていた事がわかります。

現在『約600箇所』のワイナリーが存在しており、2014年には生産量が『世界第7位』にも上昇しました。

また、ワイン市場として世界的にも大きい『イギリス』では、2010年の『南アフリカワイン』販売量が『世界第4位』と『フランスワイン』を抜いた事も驚きの事実です。

南アフリカの代表的な産地として有名なのが『ケープ・タウン』で、なんとブドウ栽培面積の『約95%』がココに集中しています。

17世紀頃『ケープ・タウン』に移住してきた『フランス人移民』により、ワイン造りが伝えられました。

そのため『ブドウ品種』もフランスと馴染み深いものが中心となっており、今日では『国際的にも評価の高い』ワインを多数排出しています。

今回はニューワールドながら意外にも歴史のある『南アフリカワインのおすすめ7選』『ブドウ品種別』に紹介したいと思います。

南アフリカの代表的なブドウ品種

【白ワイン】

シュナン・ブラン
南アフリカ最大の栽培面積で、フランスでは辛口から甘口まで造られます。
※南アフリカでは「スティーン」という別名で呼ばれています。
原産地:フランス/ロワール地方

コロンバール
主にフランスやアメリカで栽培されおり、フランスではブランデーのコニャックやアルマニャックの原料として有名です。
原産地:フランス/南西(ガスコーニュ地方)

ソーヴィニョンブラン
原産はフランスのボルドーやロワールですが、今では国際的に広い範囲で栽培されています。近年、南アフリカでも栽培量が増えてきています。
原産地:フランス/ボルドー、ロワール

シャルドネ
白ワインの品種としては世界中で栽培されている品種。南アフリカでも上質なワインが増えてきています。
原産地:フランス/ブルゴーニュ

【赤ワイン】

カベルネ・ソーヴィニョン
今や国際的にもメジャーで様々なエリアで栽培されています。南アフリカで『赤ワインの品種』として最大の栽培面積となっています。
原産地:フランス/ボルドー

シラーズ(シラー)
フランス南部原産のシラーですが、シラーズという別名で主にオーストラリアなどで上質のワインが造られています。
原産地:フランス/コート・デュ・ローヌ

ピノタージュ
1925年頃にピノ・ノワールとサンソーを合わせて開発された南アフリカ独自の交配品種です。現在、南アフリカの赤ワインとして人気も上昇しています。
原産地:南アフリカ

※栽培面積順

代表的な生産地域

【西ケープ州】

スワートランド地区
フルボディの赤ワインを中心に生産していましたが、現在では有機農法など取り入れた上質な白ワインや赤ワインも生産されています。

ステレンボッシュ地区
昔からケープの中でも代表的な産地。カベルネソーヴィニョンなどボルドースタイルのワインも多数あり、国際的にも評価の高い産地です。

パール地区
温暖な地域で、ピノタージュやシラーズの赤ワインやシュナン・ブランの白ワインなど有名な産地です。

※南アフリカワイン産業の中心地

南アフリカワイン品種別おすすめ7選

アサラ・エステート・ザ・ホワイト・キャブ

ステレンボッシュにある『アサラ・ワイン・エステート』の造る、『カベルネ・ソービニョン100%』の白ワインです。

傷がつかないように『手摘み』で収穫した『カベルネ・ソービニョン』の『果皮』と『種子』を取り除き、『果汁を発酵』させます。

カベルネ・ソービニョンから造られるため、白ワインながら『ほのかなタンニン』を感じるコクのある『白ワイン』となっています。

コクのある味わいの『魚介類』や『重すぎない肉料理』などによく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/ステレンボッシュ
  • 品種:カベルネ・ソービニョン
  • 生産者:アサラ・エステート
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 備考:スクリューキャップ
  • 参考価格:1,300円~1,900円

クラインザルゼ・セラー・セレクション・シュナン・ブラン・ブッシュヴァイン

ステレンボッシュ地区にあるワイナリー『クラインザルゼ』の造る白ワインです。

1695年にはステレンボッシュでワインを造っていたというクラインザルゼは、『*ブッシュヴァイン』という『自然のままブドウを育てる』という方法を行っています。

発酵前にブドウを『*スキンコンタクト』させることにより、柑橘系にリッチな深みのある果実味が加わった円やかな辛口となっています。

『魚介系のバター焼き』や『酢豚』などコクと酸のある中華料理にもよく合います。

*ブッシュヴァイン=何も手を加えず『自然のままブドウを育てる』栽培上の手法。『ブッシュ(草むら)』の意味。

*スキンコンタクト=白ワインを醸造する際に用いる手法で、ブドウの『果皮』と『果汁』を一緒に漬け込み『果皮からの成分を抽出』。タンニンなどにより白ワインに深みが出ます。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/ステレンボッシュ地区
  • 品種:シュナン・ブラン
  • 生産者:クライン・ザルゼ・ワインズ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 備考:スクリューキャップ
  • 参考価格:1,500円~1,800円

ブラハム・ピノタージュ

パール地区にあるワイナリーで『弁護士』で『ワイン醸造家』という異色の女性醸造家『ヒーシー女史』の造る赤ワインです。

数々の賞を受賞しており、2003年には『南アフリカ最優秀ワイン醸造家』にも選ばれました。

有機農法で育てた『ピノタージュ』を手摘みで収穫した後、『ステンレスタンク発酵』と『フレンチオーク(フランス産の樽)熟成』を行います。

コーヒーやチョコレートなどの『ビター』で『深いコク』のある風味に、『熟したプラム』のような凝縮感と酸のあるフルボディです。

『肉料理全般』は勿論、『鯛のあら炊き』など醤油系の煮物にもよく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/パール地区
  • 品種:ピノタージュ
  • 生産者:ブラハム
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 備考:コルク
  • 参考価格:1,800円~2,200円

サザンライト・ソーヴィニヨン・ブラン

海辺の産地『ウォーカーベイ地区』で南アフリカトップクラスといわれる生産者『ハミルトン・ラッセル氏』が最高の『ソーヴィニョン・ブラン』と『ピノタージュ』を造るために設立したワイナリーです。

大西洋の潮風の影響で『土壌』自体がミネラル分豊富となり、収穫したソーヴィニョン・ブランにも現れています。

爽やかな『シトラス系』の果実味に『熟した白桃』のようなリッチな旨味も溶け込んだ飲み応えのある辛口タイプです。

『魚介や野菜の天ぷら』などを塩で合わせるとよく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/ウォーカーベイ地区
  • 品種:ソーヴィニョン・ブラン
  • 生産者:サザンライト・ワイナリー(ハミルトン・ラッセル)
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 備考:コルク
  • 参考価格:2,000円~2,400円

フィスト・オブ・ファンシー・ピノ・ノワール

スワートランド地区にあるワイナリー『カイル・ダン』の造る赤ワインです。

冷涼な地域のピノ・ノワール100%を使用しており、栽培には機械や科学的な物を一切使用せず、収穫も手摘みで行います。

また、醸造の際は『足でブドウを踏み潰す』という作業を行い、発酵には自然酵母を用います。

ピノ・ノワールの『程よい綺麗な酸』がありますが、ノンフィルター(無濾過)なため、ブドウの濃さとタンニンも感じさせてくれます。

『豚の角煮』など『甘濃い醤油系』の料理によく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/スワートランド地区
  • 品種:ピノ・ノワール
  • 生産者:カイル・ダン
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムボディ
  • 備考:スクリューキャップ
  • 参考価格:2,200円~2,800円

アタラクシア シャルドネ

ウォーカーベイ地区のワイナリーで、『ハミルトン・ラッセル・ヴィンヤード』の醸造責任者を務めた『ケヴィン・グラント氏』の造る白ワインです。

醸造は『100%樽発酵』を行い、『フレンチオーク(フランス産の樽)』を使用して熟成させます。

爽やかな柑橘系の香りの中に、リッチな樽の香りも感じられる滑らかな辛口タイプです。

『ホタテの貝柱』や『白身魚のムニエル』などによく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/ウォーカーベイ地区
  • 品種:シャルドネ
  • 生産者:アタラクシア・ワインズ
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 備考:コルク
  • 参考価格:3,500円~3,800円

ライクス・シラーズ・リザーブ

内陸に位置するタルバッハ地区の生産者『ライクス』が造る赤ワインです。

手摘みで収穫された『シラーズ』を天然酵母により発酵させていきます。『フランス産』の300Lオーク樽で『約20ヶ月』の熟成を行います。

年間2100本という希少な生産量です。

凝縮感のあるシラーズならではの『スパイシー』な果実味と樽由来の『リッチ』で『滑らか』な仕上がりになっています。

『サーロイン』など上質な肉料理や『鰻の蒲焼』のような油のった醤油系の料理によく合います。

  • 原産国:南アフリカ
  • 産地:西ケープ州/タルバッハ地区
  • 品種:シラーズ
  • 生産者:ライクス
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:フルボディ
  • 備考:コルク
  • 参考価格:4,800円~5,500円

まとめ

今回は『ニューワールド(新世界)』の産地の中でも近年話題となっている『南アフリカのおすすめワイン7選』について品種別にご紹介しました。

意外にも『アメリカ』や『オーストラリ』よりも歴史が古い事にもビックリです!

南アフリカワインの魅力は、ヨーロッパのワインにも匹敵する『土壌』と有機農法など取り入れた『ブドウ栽培』、そしてなんといっても『コストパフォーマンス』の高さにあります。

『上質』『安い』『美味しい』という3拍子揃った南アフリカワインは、今後さらに注目の産地となっていく事は間違いありません。

そのクオリティの高さを一度は味わってみてください。