近年、目覚ましく品質向上している日本のワインですが、海外からも注目されているワイナリーが多数あります。そんな素晴らしい品質のワインを生み出す話題のワイナリーとともに『日本ワインの歴史』や『日本のワイン事情』について、回を分けてご紹介していきます。

今回のテーマは日本のワイン#1『日本ワインの歴史と古来のブドウ品種』についてです。

日本ワインとは

まず日本にはフランスを中心としたヨーロッパのようなワインの法律がありません。日本では酒税法上ワインは果実酒類に分類されており、果実酒類は『果実酒』と『甘味果実酒』に分類されます。

ブドウを原料としたワインは果実酒ですが、ワインにブランデーやアルコールを添加し全アルコール分の10%以上になると甘味果実酒として分類されるようになります。

海外の代表的な甘味果実酒にはスペインのシェリー酒やポルトガルのポートワインなどがあります。

以前の日本ではワインの明確な定義やルールがありませんでした。『日本ワイン』という呼び方は近年できた名称です。これまで一般的には『国産ワイン』と呼ばれていましたが、『国産ブドウ100%』のワインも『海外から輸入したブドウや濃縮果汁』を使用したワインも混在していたため消費者には見分けづらいものでした。

そのため2018年10月30日、国税庁により以下のような定義が施行されました。

定義

  • 日本ワイン
    国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒。※産地名、収穫地名、品種名、収穫年を表示できる(それぞれの使用比率が85%以上の場合のみ)
  • 国産ワイン(国内産、国内製造ワイン)
    日本ワインを含む、日本国内で製造された果実酒及び甘味果実酒。
    ※海外から輸入した濃縮還元ブドウ果汁を使用した場合もこれにあたる。
    ※国産ワインと表示されていても、原料ブドウが国産でない場合もある。
  • 輸入ワイン
    海外から輸入された果実酒及び甘味果実酒。

以上となっています。

日本ワインとは?おすすめ/国産ワインとの違い/歴史/品種/ワイナリーを詳しく解説
画像引用:中央葡萄酒株式会社

日本ワインの歴史

【ブドウ栽培のはじまり】

日本ワインの歴史については諸説ありますが、一説によると奈良時代には栽培が始まっていたようです。日本の代表的な品種のひとつに『甲州』という品種があります。今日では『日本固有の品種』として知られる甲州ですが、そのルーツはヨーロッパが起源でシルクロードを通り、仏教とともに日本に伝来したといわれています。

その後本格的に『甲州種』の栽培が始まりますが、そこには二つの説があります。

  • 1.修行僧の行基(ぎょうき)説
    飛鳥時代から奈良時代にかけての僧侶『行基(ぎょうき)』が718年に山梨県勝沼に大善寺を建立した際、そこに自身が発見した甲州種を栽培した説。
  • 2.雨宮 勘解由(あめみや かげゆ)説
    甲斐国、上岩崎村(現在の勝沼町)の住民であった『雨宮 勘解由(あめみや かげゆ)』という人物が、1186年に『勝沼・城の平』の祭事の帰り道に野生のブドウ見つけました。そのブドウの栽培を始めたところ、数年後に赤紫の実をつけたものが甲州種であったという説。
    ※勘解由は源頼朝に甲州ぶどう(甲州種)を献上したという話もあります。

説は様々ありますが甲州という品種は古くから存在ていたようです。

【ワインの日本伝来】

奈良時代に栽培の始まったブドウですが、室町時代前半までは基本的に『食べる』ものとして日常に存在していました。日本にワインが伝来したのは室町時代の後半といわれています。

『後法興院記』(ごほうこういんき)という当時の文献には、スペインやポルトガルから伝わった赤ワイン『珍蛇(チンタ)』という酒が記されているそうです。珍蛇(チンタ)とはポルトガル語でワイナリーという意味の『Quinta(キンタ)』が由来といわれています。

1549年には宣教師『フランシスコ・ザビエル』がキリスト教布教のため鹿児島を訪れました。その際に地域の大名への献上品としてワインを贈り、日本各地に広まっていきました。

江戸時代に入り発令された鎖国政策により『スペインやポルトガル』からの来航を禁止したため一時ワインは日本に入ってこなくなりましたが、後半に来航した『ペリー』が将軍への手土産としてワインを献上したそうです。

その後、日本の開国とともに時代は明治時代へと移りました。文明開化の影響や政府が奨励したことで、日本でのブドウ栽培とワイン造りも始まりました。

1877年日本で最初のワイン会社『大日本山梨葡萄酒会社(現在のメルシャン)』が設立されました。その会社から『土屋龍憲(りゅうけん)と高野正誠(まさなり)』という青年が、日本人として初めてフランスにワイン醸造を学ぶため留学しました。

二人の帰国後、日本のワイン産業の生みの親といわれる『※宮崎光太郎』氏とともに本格的なワイン造りが始まりました。

※宮崎光太郎=日本初の観光ブドウ園『宮光園』を設立。ワインの製造と観光を組み合わせ日本のワイン産業を築いた人物。

【日本ワインのはじまり】

本場フランスの醸造技術を取り入れたワイン造りが始まりましたが、日本の気候風土の違いなどから様々な困難もありました。また日本人のワインへの馴染みが薄かったため、大日本山梨葡萄酒会社は一時解散することとなりました。解散後は各々新たな醸造所を設立し、ワイン造りの研究を進めていきました。

同時期に『日本ワインの父』といわれた新潟の『川上善兵衛(かわかみ ぜんべえ)』氏が日本の気候に合ったブドウの品種改良の研究も始めました。

1895年に川上善兵衛はフランスから帰国した土屋竜憲にブドウ栽培技術を学び、新潟の自身の敷地に『岩の原葡萄園』を設立しました。

数々の品種改良を行い、1927年に『マスカットベーリーA』など現在の日本固有のブドウ品種の開発に成功しました。

※川上善兵衛(かわかみぜんべい)=新潟県出身。慶應義塾に入塾し、親交のあった『勝海舟』の薦めによりブドウ栽培とワイン醸造を始める。ブドウの品種改良にも取り組み、高温多湿で病害虫の多い日本でも育つワイン用ブドウ品種マスカットベーリーAなど22品種を開発。

【戦後から現代までの日本ワイン事情】

明治時代に始まったワイン醸造も更に広がっていきました。しかしながらワイン特有の『酸味』や『渋み』が受け入れられず、戦後になっても相変わらず日本人の文化に溶け込むことは難しかったようです。

日本人の口に合わせたワインを造るために、当時のワイン醸造会社は『砂糖や香料』を加えた甘口ワインを開発し始めました。その醸造会社のひとつ『寿屋(現在のサントリー)』の『赤玉ポートワイン(赤玉スイートワイン)』がヒットしたことにより、日本では甘口のワインが浸透していきました。

その後、東京オリンピックや万国博覧会をきっかけに日本の食文化も欧米化が進んでいきました。1980年代のバブルの時期には『ボジョーレヌーヴォー』もブームとなり日本のワイン需要も伸びていきました。

現在では更に栽培と醸造技術の進化したワイナリーも多数設立されています。また有機農法や産地の特徴を活かしたワイン造りなどを行う新進気鋭の生産者も増え、世界的に評価の高い『日本ワイン』が生産されるようになりました。

古くから栽培されていた日本のブドウ品種

近年は日本でもカベルネソーヴィニョンなど国際品種が栽培されるようになりましたが、前述のように日本にも古くから栽培されていた品種があります。

その前に、まずブドウ品種は大別するとアメリカ系品種とヨーロッパ系品種に分けられます。

  • アメリカ系品種=ヴィティスラブルスカ(vitislabrusca)
    アメリカ系品種はヴィティスラブルスカといわれる系統に分類されます。主に生食用やジュース用などに栽培されていますが、一部ワイン用としても使用されています。代表的なものにコンコード、デラウェア、キャンベルなどがあります。
  • ヨーロッパ系品種=ヴィティスヴィニフェラ(vitisvinifera)といわれワイン用に使用されています。代表的なものにカベルネソーヴィニョン、シャルドネ、ピノノワールなど海外のワインに使用されるブドウ品種がこれに分類されます。

【甲州】

日本ワインとは?おすすめ/国産ワインとの違い/歴史/品種/ワイナリーを詳しく解説

原産

甲州は日本固有の品種とされていますが、起源はヨーロッパからシルクロードを経て伝来したともいわれています。山梨県の甲州市勝沼地域で栽培が盛んになりました。

特徴

果皮は赤みを帯びていますが白ワイン用の品種として使用され、繊細な酸味と辛さがワインの特徴です。
ヨーロッパの※グリ系の品種と同じで、オレンジワイン用として使用される事もあります。

近年、海外でも非常に評価が高く、日本の食文化とともに今後も注目される品種です。

※グリ系=グリとはフランス語で『灰色=Gris』の意味です。少し灰色がかった外観からそう呼ばれています。熟すと果皮が薄紫がかった淡いピンク色になります。ピノノワールから変異した『ピノグリ(ピノグリージョ)』など白ワイン用のブドウとして使用されています。

【マスカットベーリーA】

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原産

『日本ワインの父』といわれた川上善兵衛氏が生み出した新潟県原産の赤ワイン用品種です。原種はアメリカ系の『ベーリー種』とヨーロッパ系の『マスカット ハンブルク種』で、元々は生食用として人気がありました。

特徴

濃いピンク色をした、果皮の厚い大粒の果実です。イチゴのような香りがあり、穏やかなタンニンと酸味がワインの特徴です。

基本的に軽やかな早飲みタイプの赤ワインですが、近年はメルロー種やカベルネソーヴィニョン種をブレンドしたコクのあるタイプも造られています。

【ナイアガラ】

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原産

アメリカのニューヨーク州ナイアガラでコンコード種とキャサディ種の交配により生まれたアメリカ系品種です。日本には前述の川上善兵衛氏が導入したことにより栽培されるようになりました。白ワイン用として使用されています。

特徴

マスカットのような明るい緑色で、果皮は薄く小粒なサイズです。糖度が高く甘みが強いので、フルーティで甘口タイプの白ワインが中心となります。北海道や長野県などが代表的な産地です。

近年では九州地方のワイナリーでも栽培されており、本格的な辛口タイプやスパークリングワインなども生産されています。

【キャンベルアーリー】

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原産

アメリカ原産のムーアーリー種とマスカットハンブルク種、ベルビデレ種を交配した黒ブドウ品種です。こちらも川上善兵衛氏が日本にもたらしました。

特徴

果皮は黒や紫色の濃い色合いで、甘味と酸味のバランスの良い赤ワインやロゼワインとなります。甘口から辛口まであり、ゴクゴク飲めるジューシーな味わいです。

北海道や岩手県などが代表的な産地となりますが、宮崎県の都農(つの)町でも素晴らしいワインが造られています。

【善光寺竜眼(ぜんこうじりゅうがん)】

日本ワインとは?おすすめ/国産ワインとの違い/歴史/品種/ワイナリーを詳しく解説

原産

中央アジアと東ヨーロッパの境界にあるカスピ海周辺が原産で、シルクロードを経て中国から日本に伝来し長野県に辿り着いたといわれています。その昔は善光寺ブドウといわれ親しまれていました。

特徴

白ブドウ品種ですが、ほのかにピンク色をしています。果肉が多く果汁もみずみずしく爽やかなワインが造られます。

粒が大きく『龍の目』のような形といわれ竜眼と呼ばれるようになりました。長野県の善光寺平を中心に栽培されています。

日本のワイナリー紹介

中央葡萄酒株式会社(グレイスワイン)

1923年山梨県勝沼町に創業の老舗ワイナリーです。『日本固有の品種』にこだわり、現在でも日本ワインを牽引しています。初代当主の『三澤長太郎』氏の長太郎印葡萄酒がワイン造りの始まりです。1953年に『中央葡萄酒株式会社』を設立し、ワインに『GRACE(グレイス)』と名付けました。

GRACE(グレイス)はギリシャ神話の三美神”Three Graces”に由来しているそうです。当時の3代目当主『三澤一雄』氏が手掛けた『GRACE第一号とGRACE1957』が今でもワイナリーの貯蔵庫に眠っているそうです。

1989年に4代目当主となった『三澤茂計(みさわしげかず)』氏は初めて甲州の産地別に仕込みを行い、その中でも特に優れた畑から『グレイス甲州菱山畑(ひやまばたけ)』と『グレイス甲州鳥居平畑(とりいびらばたけ』を生み出しました。

近年ではシャルドネやメルロなどの国際品種を使用したフラッグシップワインとして『キュヴェ三澤』も誕生しました。

2009年には山梨のワイナリー15社による『“Koshu of Japan”』を設立し、世界のワイン市場の中心であるロンドンでもプロモーション活動を行っています。

現在は『ボルドー大学醸造学部』や南アフリカの『ステレンボッシュ大学院』で醸造学を学んだ、長女の『三澤彩奈(みさわあやな)』女史が醸造責任者を務めています。

山梨県の勝沼と明野に畑を所有しており、土壌に合わせたブドウ栽培を行っています。甲州種のナチュラルで爽やかな味わいを引き出し世界的にも高い評価を受けています。

【主な受賞歴】
キュヴェ三澤 明野甲州2013:デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)2014金賞/地域最高賞
グレイス エクストラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン:プラチナ賞、ベストアジア賞
日本ワイナリーアワード2020★★★★★五つ星

おすすめのワイン

 グレイス甲州 鳥居平畑 プライベートリザーブ

グレイス
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勝沼町鳥居平地区の『甲州種』を100%使用しています。南西向き斜面で栽培されるため、完熟したブドウが収穫されます。プライベートリザーブは、社長の三澤茂計氏が栽培から醸造までこだわった甲州の特別限定醸造ワインです。

洋ナシや黄桃などのトロピカルな果実味に爽やかなハーブ香を感じます。オーク樽で発酵させるためミネラル感と酸味の中に優しい樽の香りを感じる辛口タイプです。

お刺身や魚の塩焼き、塩で食べる魚介や野菜の天ぷらなど和食はもちろん、スパイスや柑橘系を使用した料理にもよく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:山梨県/勝沼町
  • 格付け:-
  • 品種:甲州100%
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:中央葡萄酒株式会社(グレイスワイン)
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,000円~3,500円

タケダワイナリー

山形県上山市、蔵王連邦の麓にある老舗ワイナリーです。1920年(大正9年)『武田食品工場』という会社で創業しました。当時は『金星ブドー酒』という名前のワインを造っていました。

四代目で現社長の父である『武田重信』氏は第2次世界大戦の戦禍を免れて、東京農業大学醸造学科へ入学し醸造学を学びました。その際の指導官が当時貴重だったフランスのボルドーワイン『シャトー・マルゴー』をご馳走してくれたそうです。重信氏は「世の中にこんなにうまい、ブドウ酒があるんだ。」と感銘を受け、ヨーロッパ系のブドウ品種である『カベルネソーヴィニョンやメルロ』の栽培に取り組んだといわれています。

その後、1974年火災に遭い武田食品工場は全焼してしまいますが、それを機にワイン以外の事業をすべて辞め、専業として『タケダワイナリー』を設立しました。

タケダワイナリーは土地を中性からアルカリ性に土壌改良し、カベルネソーヴィニョンやメルロなど様々な品種の栽培に成功しました。また1989年に日本で初めての本格的なシャンパーニュ製法の発泡性ワインにも成功しました。その名には『ドメイヌ・タケダ《キュベ・ヨシコ》』と奥様『良子』さんの名前を命名しました。

1989年より長男の『伸一』氏がフランスで醸造学を学び帰国。ボルドーの一流シャトー『シャトーポンテカネ』や瓶内二次発酵の発泡性ワインとして有名な『シャトーモンムソー』などで修業を積みました。

しかし、残念なことに伸一氏は1999年に事故でこの世を去ってしまいました。伸一氏の遺志とワイナリーは、ボルドー大学の醸造研究所などで研鑽を積んだ妹の『典子』女史が引き継ぐことになりました。

現在では15ヘクタールの自家農園で自然農法栽培(低農薬で化学肥料を使用しない栽培方法)により、素晴らしいワインを生み出しています。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020★★★★★五つ星

おすすめのワイン

タケダワイナリー サンスフル デラウェア白(微発泡)

タケダ
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リュットレゾネ(減農薬農法)による、山形県産の完熟したデラウェア種を100%使用しています。発酵中のワインを瓶詰して、瓶の中で発酵を継続させる『アンセストラル法』という製法で造られます。酸化防止用の亜硫酸を使用しない『※サンスフル』という醸造を行っています。

瓶内で1本ずつ発酵させるため、ワインに炭酸ガスが溶け込んだ微発泡となっています。また無濾過のため『にごり酒』のような雰囲気も醸し出しています。デラウェア特有の甘やかな香りとプチプチとした微発泡が特徴の辛口タイプです。

和洋中、肉、魚など食材も調理法も問わない万能タイプです。フレッシュな野菜のサラダなど生野菜にもよく合います。

※サンスフル=“サン・スフル”とはフランス語で『亜硫酸を使わない』の意です。

  • 原産国:日本
  • 産地:山形県/上山市
  • 格付け:-
  • 品種:デラウェア100%
  • タイプ:(白)微発泡
  • 生産者:タケダワイナリー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:2,000円~2,500円

都農ワイン(つのワイン)

宮崎県の尾鈴連山(おすずれんざん)と日向灘に面する、都農(つの)町のワイナリーです。標高150mの平野を一望できる高台にワイナリーがあります。

都農ワインはイギリスのワイン評論家『ヒュージョンソン』氏の著書で、世界のワイン関係者のバイブルともいわれる『ザ・ワールド・アトラス・オブ・ワイン2007』にて「亜熱帯気候である九州でもワインが造られている。都農ワインでは、マスカットベーリーAやキャンベルアーリーといった品種を使用し、良質なワインを造ることに成功している」と絶賛されました。

都農町は『年間降雨量4,000ミリ』と世界の産地の5倍以上も降雨量が多いため、ワイン造りには不適切とされていました。また収穫期には台風の被害も受けていましたが、ブドウ樹の棚造りや排水対策など様々な改善と土地の改良を行い凝縮感と果実味のあるワインを造ることに成功しました。

『マスカットベーリーA』や『キャンベルアーリー』など日本に古くからある品種をはじめ、近年ではシャルドネなど世界的な品種でも素晴らしい品質のワインが造られています。

このシャルドネについても日本を代表するソムリエの『田崎真也』氏が「フランスのシャルドネワインと比べても全く遜色ないほどの味わいで世界的に見ても高いレベルになってきた」と絶賛しています。

現在キャンベルアーリーを中心にマスカットベリーAやデラウェアなどを栽培していますが、平成6年からはシャルドネ、カベルネソーヴィニョン、シラー、ソーヴィニョンブランなど国際品種の育成も始められました。

主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020★★★★四つ星
キャンベル・アーリー:ジャパンワインチャレンジ金賞受賞、ンターナショナル・トロフィー賞、リージョナル(国別)トロフィー賞

おすすめのワイン

都農ワイン キャンベルアーリー ロゼ

都農ワイン
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キャンベルアーリー種を使ったロゼワインです。都農は火山灰土壌の『黒ボク土』といわれる土で『水はけの良い土壌』が特徴です。一方ミネラル分が比較的乏しいため、ブドウ樹が健全に育成するよう『堆肥を利用した土作り』を栽培に取り入れています。

イチゴのような果実味に、ミントなどのハーブ香や柑橘系の爽快な風味のある辛口タイプです。ほのかな甘みと酸味のバランスの良い飲み心地です。
フレッシュなトマトを使ったサラダをはじめ、甲殻類の料理やサーモン料理などに良く合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:宮崎県/都農町
  • 格付け:-
  • 品種:キャンベル・アーリー100%
  • タイプ:ロゼワイン
  • 生産者:都農ワイン
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:1,300円~1,500円

シャトーメルシャン

シャトー メルシャンは1877年山梨県勝沼に、 日本で最初に誕生した民間のワイン会社『大日本山梨葡萄酒会社』がルーツのワイナリーです。山梨と長野にワイナリーがありますが、福島県と秋田県でもブドウの栽培が行われています。

【シャトーメルシャン勝沼ワイナリー】山梨県

勝沼ワイナリーは甲府盆地の東側に位置しています。甲州やマスカットベーリーAなど日本固有品種の他にもカベルネソーヴィニョンやメルローなどの国際品種でも有名です。

中でも『城の平ヴィンヤード』は1984年に本格的なカベルネソーヴィニヨンを栽培するために、海外のワイナリーのような垣根式のブドウ栽培を開始しました。またメルロー、カベルネフラン、プティヴェルドといったボルドースタイルのブドウ品種からもワインが造られています。

甲州やマスカットベーリーAを栽培している代表的な地区は『勝沼地区』『韮崎市(にらさきし)穂坂地区』『笛吹市(ふえふきし) 笛吹地区』などがあります。

【シャトーメルシャン桔梗ヶ原ワイナリー】長野県

長野県にある桔梗ヶ原(ききょうがはら)ワイナリーは2018年に設立されたワイナリーです。1976年にヨーロッパ系品種の『メルロー』へ植え替えを行い、現在では『桔梗ヶ原メルロー』として世界的にも認知されるようになりました。

また2019年には最高品質のワインを造るために開拓した『椀子(まりこ)ヴィンヤード』が設立され、こちらでも世界的に評価の高いワインが造られています。メルローの他にも高品質なピノノワールやシャルドネも栽培されています。

他にも代表的な地区に『安曇野(あずみの)地区』などがあり、メルローやシャルドネが栽培されています。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020★★★★★五つ星
信州桔梗ヶ原メルロー1985:リュブリアーナ国際ワインコンクール1989大金賞
マリコヴィンヤード オムニス 2009:ワイン専門誌『ワインスペクテイター』金賞
穂坂マスカットベーリーA 2014:ジャパンウーマンズ ワインアワード”さくら”

おすすめのワイン

シャトーメルシャン 穂坂マスカットベーリーA

シャトー・メルシャン
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⼭梨県の韮崎市穂坂地区で栽培された『マスカットベーリーA』で造られる赤ワインです。甲府盆地の北⻄部に位置し、昼夜の寒暖差のあるエリアです。

糖度と酸度のしっかりとのったマスカットベーリーAを100%使用しています。イチゴのキャンディのような甘い香りに、程よいタンニンと酸味が感じられます。オーク樽による長期熟成で複雑なアロマと余韻のあるエレガントなミディアムフルボディです。

豚の角煮や筑前煮など和風醤油系の煮物料理、ビーフシチューやトマト煮込みなどの洋風の煮込み料理などに良く合います。少し冷やすとシンプルなサラダ系にも合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:山梨県/韮崎市穂坂地区
  • 格付け:-
  • 品種:マスカットベーリーA 100%
  • タイプ:赤ワイン
  • 生産者:シャトーメルシャン
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,000円~3,500円

信濃ワイン

長野県塩尻桔梗ヶ原にあるワイナリーです。大正5年『塩原兼一(現社長の曽祖父)』がコンコード種の栽培したのがはじまりです。親子代々と受け継がれる手造りにより、塩尻地域の葡萄生産量の増大にも尽力したワイナリーです。

その後、武雄氏(社長の祖父)がブドウ栽培の研究や試験製造に取り組み、昭和30年頃には博太氏(現社長の父)により、塩尻産ワインの他にも国産の100%ブドウジュースなどでも全国的に知られるようになりました。

事業を継承した現社長の塩原悟文(のりふみ)氏は東京農業大学醸造学科卒業後、ミシガン州立大学へ留学しワイン醸造の基礎を学びました。帰国後、塩尻に根ざしたワイン造りに取り組み、無添加のナイアガラワインや善光寺ブドウともいわれる竜眼種のワインを造りました。更にメルローやシャルドネなどの国際品種の樽熟成ワインなども生み出し、数々の国際コンクールで賞を受賞するまでになりました。

また地球環境保全の取り組みにも力を入れており、自社畑では除草剤は使用せず有機肥料で栽培を行っています。その他還元型リサイクル農業や瓶のリサイクルやダンボール箱の繰り返し利用なども行っています。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020コニサーズワイナリー
スーパーデラックス竜眼:第42回国際ワインコンクール(スロベニア)優秀賞
信濃樽熟メルロ2004:国産ワインコンクール(日本)金賞最優秀カテゴリー賞

信濃ワイン スーパーデラックス 竜眼 白ワイン

信濃ワイン
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『善光寺ブドウ』とも呼ばれる『竜眼種』を使用した白ワインで、日本酒の吟醸酒のような切れ味の良い酸味と繊細な香りが魅力的です。心地よい酸味とジューシーな甘みもある辛口タイプです。

刺身、カルパッチョから天ぷら・フライなどの魚介系の他、優しい味付けの料理全般によく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:長野県/塩尻
  • 格付け:-
  • 品種:竜眼
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:信濃ワイン株式会社
  • 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
  • ボディ:-
  • 容量:720ml
  • 平均価格:2,000円~2,500円

まとめ

日本のワイン#1『日本ワインの歴史と古来のブドウ品種』いかがでしたでしょうか?今回は日本のワイン栽培、醸造に関する歴史やおすすめワイナリーなどをご紹介しました。

世界のワイン産地からすると歴史の浅い日本ですが、先人の様々な研究と努力により今日のような素晴らしい『日本ワイン』が確立したのだと思います。

また近年では新進気鋭の生産者による更なる技術革新と品質向上も進み、カベルネソーヴィニョンやシャルドネをはじめとした国際品種も栽培されるようになりました。これにより海外のワイナリーにも匹敵するハイクオリティなワインも多数生産されるようになってきました。

今後も日本の気候風土にあったワイン造りと、勤勉な日本人ならではの研究開発による益々の発展が期待できるのではないでしょうか?

次回のテーマは
日本のワイン#2『日本の代表的な産地と国際ブドウ品種』です。