日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別におすすめや特徴を解説

近年、海外のワインにも使用される国際ブドウ品種も多数栽培され、本格的なワインが日本でも造られるようになってきました。また、それに伴い『日本ワインの産地』も全国様々なエリアに広がってきています。

今回のテーマは日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種をご紹介していきます。

※国際ブドウ品種(国際品種)=国際品種とは世界の多くのワイン生産地域で広く栽培され、消費者にも広く認知されているブドウ品種のこと。

日本の代表的な産地

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
参照:ニホンワインノミクス公式サイト

日本のワイン産地の特徴とは

まず近年、日本のワイン産地は北から南まで、様々のエリアに広がってきています。北は北海道から南は九州南部までワインが生産されるようになりました。

一般的に海外のワイン用ブドウ品種を栽培するのに重要な条件は『昼夜の寒暖差のある冷涼なエリア』『降水量が少ない』『一定の日照量がある』『水はけが良い』などがあげられます。

日本は比較的、日照量に乏しく雨量が多いためにワイン用のブドウ栽培が難しいとされていました。特に収穫前の6〜7月頃は梅雨時期となるので、果実が余分な水分を吸い上げてしまいます。

日本では冷涼で降水量の少ない盆地、さらに水はけの良い土地という事が重要になっています。

それでは日本の代表的なワイン産地をエリア別にご紹介していきます。

【北海道エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説 _hokkaido
参照:dエンジョイパス公式サイト

北海道

北海道は日本の産地の中でも昼夜の寒暖差が大きく湿度も低いため、比較的ヨーロッパに近い気候です。

広大な土地があるため、ブドウ栽培をする畑の面積が他県より大きいのも特徴です。また北海道はフランスの南部のプロヴァンス地方と同じ緯度にある産地です。

栽培されている主な品種はキャンベルアーリーやナイアガラ、国際品種ではピノノワール、シャルドネ、ソーヴィニョンブランなども栽培されています。

近年、この地にワイナリーを開く新進気鋭の生産者も続々と増えています。

【東北エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説 _tohoku
参照:dエンジョイパス公式サイト

青森県

主に津軽地方でワイン用ブドウが栽培されています。津軽地方はブドウが生育する4〜8月頃の雨量が少なく、日照量も比較的多くなります。夏から収穫前の秋にかけて、気候が涼しくなるのも良い環境といえます。

青森県最高峰である火山『岩木山(いわきさん)』の影響による火山灰土壌なので、ミネラル分も豊富で水はけが良いのも特徴です。

栽培されている主な品種はアメリカのニューヨークから1952年に導入されたスチューベンという赤ワイン用の品種や日本の山ブドウサンカクヅルとピノノワールを交配した北の夢という品種があります。国際品種ではピノノワール、カベルネソーヴィニョン、メルローなども栽培されています。

岩手県

花巻市の大迫(おおはさま)という地域を中心にワイン用のブドウが栽培されています。リアス式海岸としても知られる『北上山地』の地層の影響と冷涼な気候により、キレのある酸味をもたらすワインが特徴です。

栽培されている主な品種は、マスカットベーリーAやキャンベルのほか日本古来の山ブドウです。国際品種ではメルローやリースリングなども栽培されていいます。

山形県

主に上山市(かみのやま)周辺がワイン用ブドウの栽培が盛んな地域です。夏場の気温は高くなりますが昼夜の寒暖差は大きく、収穫前の9月頃は一気に冷え込みます。山あいの地形が多いため、傾斜のある斜面でブドウ栽培が行われています。また斜面のため水はけも良く、凝縮感のあるブドウに育つのも特徴です。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』『デラウェア』『山形コンコード』などで、全体の約50%を占めています。国際品種では『カベルネソーヴィニョン』『メルロー』『シャルドネ』などが栽培されています。

近年ではカベルネソーヴィニョンやメルローなどでも評価が高く、国際コンクールなどで賞を受賞する生産者も多数増えています。

【関東・甲信越エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
参照:dエンジョイパス公式サイト

新潟県

『日本ワインの父』といわれた川上善兵衛(かわかみぜんべえ)氏の尽力により、ワイン造りが発展した地域です。昼夜の寒暖差が他の地域よりも大きく、ブドウに凝縮感と糖度を与えてくれます。また米所としても知られる南魚沼は、新潟で初めてヨーロッパ式の垣根仕立て栽培を行いました。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』など日本古来の品種のほか、『シャルドネ』や『メルロー』など国際品種も栽培されています。

近年では『新潟ワインコースト』と呼ばれ、イタリアの品種である『ネッビオーロ』や『バルベーラ』、スペインの『アルバリーニョ』なども栽培する『新進気鋭』の生産者も増えている地域もあります。

長野県

塩尻市周辺でワイン造りが盛んに行われています。塩尻は昼夜の寒暖差が大きく、日照量も多い地域です。また標高が高く冷涼で、降雨量も少ないのが特徴です。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』など日本古来の品種のほか、『メルロー』や『シャルドネ』なども有名です。

大手ワインメーカーの環境整備などにより、世界的な品種のハイクオリティなワインも多数造られています。国内外のコンクールで数々の賞を受賞している産地です。

山梨県

日本のワイナリーの約40%が集まる代表的な産地です。日本のワインの発祥の地ともいわれる『勝沼町』を中心にワイン造りが盛んです。甲府盆地に囲まれているため、梅雨や台風の影響を受けにくく降雨量が少ないのが特徴です。寒暖差も大きく、日照量も多いブドウ栽培に適した気候です。

栽培されている主な品種は『甲州』や『マスカットベーリーA』で、この2品種で山梨県のブドウ生産量の約80%を占めています。国際品種では『カベルネソーヴィニョン』『メルロー』『シャルドネ』などで本格的な栽培が行われています。

日本で最初のワイン醸造会社『大日本山梨葡萄酒株式会社(現在のメルシャン)』が設立された産地です。

【北陸エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説 (3)
参照:一般社団法人 移住・交流推進機構 公式サイト

石川県

加賀地方では平野部と山間部でブドウが栽培されていて、ブドウの生育期の日照量は1700時間と多めです。能登輪島地方は夏場涼しく降水量はやや少なめです。日本海の潮風の影響もブドウにミネラル分を与えています。

栽培されている主なブドウ品種は『マスカットベーリーA』『ナイアガラ』『ヤマソーヴィニョン』などです。国際品種では『シャルドネ』や『カベルネソーヴィニョン』などのほか、近年では新しいワイナリーによって『アルバリーニョ』や『ピノノワール』なども栽培されるようになりました。

比較的に歴史は浅いですが、新しい品種の導入やドローンなど最新技術を取り入れた有機栽培生産者も増えてきている産地です。

【関西エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
参照:オリオンツアー公式HP

大阪府

関西エリアでは全体の4%程度ですが、100年ほど前からワイン造りが行われています。1914年(大正3年)には大阪の柏原市で醸造が始まりました。

栽培されている主な品種は『デラウェア』が90%で、その他は『マスカットベーリーA』や『甲州』などです。樹齢100年ほどの古樹も現存しています。国際品種では『カベルネソーヴィニョン』『メルロー』『シャルドネ』があります。

大阪発祥の酒造メーカー『サントリー』により造られた『赤玉ポートワイン』は甘口ワインとして、日本人にワイン文化を浸透させる要因となりました。今日では関西のワイナリーの数も増え、新たな期待もされています。

【中国エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説 _chugoku (1) (1)
参照:dエンジョイパス公式サイト

岡山県

シャインマスカットの産地としても有名な岡山県は、中国エリアでも比較的ワイナリーの数の多い地域です。年間降水量も少なく『晴れの国おかやま』と呼ばれるほど日照量が多いのも特徴です。

栽培されている主な品種は『マスカット オブ アレキサンドリア』や『ピオーネ』など生食用の品種が中心です。また蒜山高原(ひるぜんこうげん)では古くから『山葡萄(ヤマブドウ)』など野生の品種の栽培が盛んで、様々な研究開発により現在では高品質なワインが生産されるようになりました。国際品種は『ピノノワール』『リースリング』『シャルドネ』などです。そのほかイタリアの『サンジョヴェーゼ』なども近年栽培されています。

島根県

島根県は比較的温暖な気候なため、生食用のブドウやワインの生産も盛んな地域です。ワイナリーの数はまだ少ないですが、近年は地元の豊かな自然環境で国際ブドウ品種から高品質なワインが生産されています。

栽培されている主な品種は『デラウェア』『マスカットベーリーA』のほか、自生する山葡萄(ヤマブドウ)などを交配して生み出された『小公子(しょうこうし)』という品種からも素晴らしいワインが生産されています。国際品種は『ソーヴィニョンブラン』や『シャルドネ』などです。

【九州エリア】

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説 _tohoku
参照:dエンジョイパス公式サイト

大分県

麦焼酎など和酒で有名な地域ですが、西日本では栽培面積が大きくワイナリーの数も多い県です。中でも『安心院町(あじむちょう)』はブドウ栽培の中心地で、全国的にも評価の高いワインが生産されています。また山に囲まれた地域のため、冷涼で昼夜の寒暖差が大きいことも良い栽培条件となっています。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』『キャンベルアーリー』『小公子(しょうこうし)』などがあります。近年では『カベルネソーヴィニョン』『メルロー』『シャルドネ』などからも高品質なワインが造られています。

代表的なワイナリーには『安心院葡萄酒工房(あじむぶどうしゅこうぼう)などがあります。

※安心院葡萄酒工房(あじむぶどうしゅこうぼう)=酒造メーカーの三和酒類株式会社が運営するワイナリーです。麦焼酎の『いいちこ』を造っている会社。

熊本県

『山鹿地区(やまがちく)など熊本市内をはじめ、広範囲でブドウ栽培が盛んな地域です。1999年には山鹿市の『菊鹿町(きくかまち)』にブドウ栽培の振興会が設立され、本格的なワインの生産にも取り組みが始まりました。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』『キャンベルアーリー』『デラウェア』などです。近年では振興会の取り組みもあり、『シャルドネ』なども栽培されています。

代表的なワイナリーには『熊本ワイン株式会社』があります。熊本ワインは菊鹿町で本格的な垣根式のブドウ栽培を行なっていて、『菊鹿シャルドネ』など高品質なシャルドネのワインを醸造しています。

宮崎県

本来は『巨峰や『ピオーネ』など生食用のブドウ栽培で有名な地域です。温暖な気候ですが、これまで降雨量が多いためワイン用ブドウの栽培は難しいとされていました。今では土地の改良などを行い、水捌けを良くするための排水対策やブドウ樹の仕立て方などにも手を加え評価の高いワインが造られています。

日向灘と『尾鈴連山(おすずれんざん)』に面する『都農町(つのちょう)』には標高150mの高台にワイナリーがあり、ワイン用のブドウ栽培が行われています。都農町は火山灰土壌の『黒ボク土(くろぼくど)』という水捌けの良い土壌です。

栽培されている主な品種は『マスカットベーリーA』や『キャンベルアーリー』などですが、近年では『シャルドネ』なども栽培されるようになり、素晴らしく高評価なワインが造られています。世界的なワイン評論家の『ヒュージョンソン』氏や日本を代表するソムリエの『田崎慎也』氏なども絶賛する産地です。

平成6年より『カベルネソーヴィニョン』や『シラー』などの栽培も始まりました。

日本でも栽培されている国際ブドウ品種

近年、日本でも栽培エリアが広がっている国際ブドウ品種をご紹介します。

カベルネソーヴィニョン

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説

世界的に多く栽培されているブドウ品種といっても過言ではないのが『カベルネソーヴィニョン』です。原産は『フランスのボルドー地方』とされています。ヨーロッパ以外では、チリやオーストラリアなどニューワールドといわれる国々で主要品種として栽培されています。

赤ワイン用として使用される黒ブドウ品種で、『濃い色調』『凝縮感のある果実味』『スパイシーな香り』『力強いタンニン』が特徴のワインに仕上がります。

日本では山梨県や長野県、近年では九州エリアのワイン産地など全国的に栽培が行われています。

メルロー

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説

カベルネ・ソーヴィニヨン同様に世界的なワイン産地で栽培されています。ボルドー地方が原産のブドウ品種です。その他、アメリカやチリなど様々な産地で主要品種として栽培されています。

ボルドー地方では主にカベルネソーヴィニヨンなどとブレンドされることが多い品種ですが、アメリカやチリなどでは単一品種で造られるワインが主流です。

『濃い色調』『穏やかな酸味とタンニン』『柔らかい口当たり』が特徴のワインに仕上がります。

日本では山梨県や長野県が主要な産地で、特に長野県の『塩尻』や『桔梗ヶ原』などでは、世界的に評価の高いワインが造られています。

シャルドネ

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説

白ワイン用のブドウ品種として世界的な産地で栽培されています。様々な土壌や気候に適応するため、バラエティに富んだワインが造られています。

ヨーロッパなど北半球の冷涼なエリアでは青リンゴのような『程良い酸』のある果実味が感じられ、ニューワールドなど南半球ではパイナップルのような『トロピカル』な果実味がワインの特徴となります。また樽による熟成により、ナッツのような香ばしさやバニラのエレガントな風味も現れます。

日本では山梨県、青森県、長野県、北海道などを中心に全国的に栽培されています。また島根県の奥出雲地方や宮崎県の都農町でも素晴らしい品質のシャルドネから白ワインが造られています。

ピノノワール

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説

フランスのブルゴーニュ地方が代表的な赤ワイン用のブドウ品種です。ブルゴーニュ地方以外では、北部のシャンパーニュの原料としても使用されます。

カベルネ・ソーヴィニヨン同様に、ヨーロッパをはじめアメリカのオレゴンやニュージーランドなど世界的に多くの産地で栽培されています。また国や産地が変わると、『呼び名』も変わります。イタリアでは『ピノネロ』、ドイツでは『シュペートブルグンダー』と呼ばれます。

『澄んだ淡い色調』『イチゴのようなベリー系の香り』『柔らかいタンニン』が特徴のワインに仕上がります。熟成すると更にオレンジがかった綺麗な色調で『野性味のあるアロマ』が現れます。

日本では山梨県、長野県、青森県、北海道を中心に全国的に栽培されています。近年では本格的なブルゴーニュスタイルのワインを造る『新進気鋭の生産者』も出てきています。

ソーヴィニョンブラン

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説

フランスのロワール地方やボルドー地方を代表する白ワイン用のブドウ品種です。そのほかニュージーランドやオーストラリアなど世界的な産地で栽培されています。辛口ワインが中心ですが、貴腐ワインやアイスワインなど甘口のデザートワインの原料としても使用されます。

『柑橘系やハーブ系の香り』『爽やかな酸味』が特徴のワインに仕上がります。ヨーロッパの産地ではグレープフルーツのような果実味があり、ニュージーランドなど南半球の産地ではハーブ系の香りが強く現れる傾向があります。

日本では青森県、山梨県、長野県をはじめ、栃木県や大分県などでも栽培されています。

以上のように、日本でもブドウ栽培とワインを醸造している産地は沢山あります。また近年では、新しいブドウ品種でのワイン造りにもチャレンジしている生産者も増えてきています。

そんな日本の素晴らしいワインを造っている生産者とおすすめのワインをご紹介します。

日本のワイナリーとおすすめワイン

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用:北海道中央葡萄酒・千歳ワイナリー

【北海道】

北海道中央葡萄酒・千歳ワイナリー

1988年北海道千歳市に創業したワイナリーです。母体は山梨県勝沼の老舗ワイナリー『中央葡萄酒株式会社(グレイスワイン』です。名産の『ハスカップ』を使用したワインもお土産用として人気ですが、国際品種を使用した『北ワイン』という銘柄の本格的なワインも造られています。

栽培している国際品種には余市町・木村農園産『ピノノワール』やドイツの品種『ケルナー』などがあります。夏から収穫時期にかけて冷涼な気候も良質なブドウの栽培に適しています。

【主な受賞歴】
日本ワインコンクール2015
北ワイン ケルナー 2014 銅賞
香り仕込みケルナーSparkling スパークリング部門銀賞など
日本ワイナリーアワード2020 ★★★★4ツ星

北ワイン ピノノワール ロゼ


ピノノワールを使用した辛口ロゼワインです。『※セニエ製法』というロゼワインの基本的な製法で醸造されます。程よいピンク色になったところで、小樽に移して発酵を続けます。 さくらんぼやフレッシュなイチゴのような甘酸っぱい風味が特徴です。

サーモンのサラダやムニエル、カニなど甲殻類にもよく合います。キンキンに冷やしてシンプルなフレッシュサラダなどに合わせても良いでしょう。

※セニエ製法(仏語)=(別名:血抜き法)ロゼワインの製法のひとつです。まず破砕(はさい)した黒ブドウの果汁を『果皮』と一緒に醸造します。程よく色付いたところで圧搾し、その果汁を引き続き醸造します。簡単に説明すると『はじめは赤ワインと同じ醸造を行います。途中で色付いた果汁を搾り、残りの醸造を行う』方法です。

  • 原産国:日本
  • 産地:北海道
  • 格付け:-
  • 品種:ピノノワール
  • タイプ:ロゼワイン
  • 生産者:北海道中央葡萄酒・千歳ワイナリー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:2,000円~2,500円

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用:奥出雲葡萄園

【島根県】

奥出雲葡萄園(おくいずもぶどうえん)

島根県の奥出雲地方にある、年間生産量約5万本と小規模の生産者です。寒い季節にブドウの芽が凍結しないよう『夜中に火を焚いて』ブドウ樹を温めるなど、丁寧に手間暇かけた栽培とワイン造りを行っています。

『小公子(しょうこうし)』という山葡萄(ヤマブドウ)系の品種でも知られていますが、近年では国際品種から造られるワインも高評価です。主な国際品種は『シャルドネ』『ソーヴィニョンブラン』『カベルネソーヴィニヨン』などから奥出雲の自然を活かしたナチュラルなワインが造られています。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020 ★★★3ツ星など

奥出雲ワイン カベルネソーヴィニヨン


自社畑で栽培されたカベルネソーヴィニョンを100%使用しています。穏やかな酸味とカベルネソーヴィニョン特有のスパイシーさのある果実味が特徴です。熟成に樽を使用しているため、余韻に深みと滑らかさを感じるミディアムフルボディに仕上がっています。

すき焼きや煮物など醤油系の料理やエスニックなどスパイスを使用する料理によく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:島根県
  • 格付け:-
  • 品種:カベルネソーヴィニョン
  • タイプ:赤ワイン
  • 生産者:奥出雲葡萄園(おくいずもぶどうえん)
  • 味わい:-
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,500円~4,000円

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用:菊鹿ワイナリー

熊本ワイン

1999年に山鹿市菊鹿町(やまがしきくかちょう)に設立されたワイナリーです。標高1000mの『八方ヶ岳(やほうがたけ)』の恩恵を受けた、冷涼な気候が素晴らしいブドウを生み出しています。特にシャルドネは高い評価を得ていて、数々の賞を受賞しています。

『マスカットベーリーA』や『キャンベルアーリー』などからもワインが造られています。国際品種の『シャルドネ』は『ブドウ栽培振興会』の栽培管理された契約農園のブドウを使用しています。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020 ★★★★4ツ星
ジャパン・ワイン・チャレンジ2009
菊鹿ナイト・ハーベスト2008 最優秀新世界白ワイントロフィー
日本で飲もう最高のワイン2019
菊鹿シャルドネ 専門家部門 金賞など

菊鹿シャルドネ 熊本ワイン


菊鹿町のシャルドネを100%使用しています。ステンレスタンクでの発酵により、『白桃』や『オレンジ』のような瑞々しい果実味が感じられます。熟成には樽を使用していて、余韻に『バニラ』のようなコクも現れた辛口タイプです。

白身魚のムニエルやキノコのバター焼きなど、食材を問わずコクのある料理によく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:熊本県
  • 格付け:-
  • 品種:シャルドネ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:熊本ワイン
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:3,500円~4,000円

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用: PR TIMES

キャメルファーム ワイナリー

北海道余市町に1980年からブドウ栽培を行うワイナリーです。本場イタリア・プーリア州出身の『アンジェロ』氏が醸造長を務めています。イタリアで培われた栽培と醸造技術を取り入れ、高評価なワインを生み出しています。

栽培している国際品種は『ピノノワール』『シャルドネ』『ピノブラン』などがあります。ヨーロッパのスタイルのワインやピノノワールから造られる『※シャンパーニュ製法』のスパークリングワインも造られています。

※シャンパーニュ製法=トラディショナル方式ともいわれ、瓶内で1本1本二次発酵を行うフランスのシャンパーニュの製法。シャンパーニュ以外の産地でも高品質なスパークリングワインに用いられている手法です。

【主な受賞歴】
ベルリン・インターナショナルワインコンペティション2019
ジャパン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー受賞
IWC〈ロンドン インターナショナル ワインチャレンジ〉2020
ピノノワール プライベートリザーブ2018 ゴールドメダルなど
日本ワイナリーアワード2020 ★★★3ツ星

キャメルファーム ブリュット メトド トラディショナル

キャメルファーム
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シャンパーニュ製法(トラディショナル方式)により造られるスパークリングワインです。『ピノノワール』を100%使用しているため、深みのある色合いで『黄桃』や『アプリコット』のようなコクのある果実味も感じられます。厚みのあるボディですが、口当たりには心地よい酸味もある辛口タイプです。

魚介系料理はもちろん、ローストビーフやグリル系などの肉料理にもよく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:北海道
  • 格付け:-
  • 品種:ピノノワール
  • タイプ:(白)発泡性ワイン
  • 生産者:キャメルファーム ワイナリー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:5,500円~6,000円

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用:高畠ワイナリー

【山形県】

高畠ワイナリー

山形県の高畠町にあるワイナリーで、さくらんぼやラ・フランスでも有名な産地です。明治時代からブドウ栽培の歴史があります。高畠町はアメリカの高級ワイン銘醸地の『ナパヴァレー』と同じ『※緯度・北緯38度』に位置します。

平成3年に『高畠ワインぶどう部会』が発足し、ワイン用ブドウ栽培に特化した取り組みを開始しました。主にヨーロッパ系の品種に力を入れ、現在では『シャルドネ』『ピノノワール』『カベルネソーヴィニヨン』『メルロー』などの国際品種から高品質なワインが造られています。特にプレミアム・シリーズである『高畠ゾディアック』は人気のワインです。

※緯度=ワイン用ブドウの栽培に適している緯度は『北緯30~50度』『南緯20~40度』のエリアで、世界のワイン銘醸地はこのエリアに位置しています。

【主な受賞歴】
ジャパンワインチャレンジ2011年
高畠クラシックメルロー&カベルネ2008 金賞
国産ワインコンクール2013年 金賞
日本ワイナリーアワード2020 ★★★★★5ツ星

高畠ワイナリー 高畠シャルドネ樽発酵ゾディアック


高畠産のシャルドネを100%使用しています。味わいに深みを与える『※シュールリー』製法と『※フレンチオーク』の樽で熟成を行います。そのため、酸味が穏やかな『リンゴのような風味』や『ナッツ系の香ばしい余韻』を感じる辛口タイプに仕上がっています。

魚介系の料理はもちろん、肉の『グリル、煮込み』やバターを使用したコクのある料理にもよく合います。

※シュールリー=直訳はフランス語で「澱の上」シュールSur(上に)、リーLie(澱オリ)という意味です。醗酵中に発生した澱を取り除かずワインと一緒に数ヵ月保存して、澱由来の複雑味、旨味をワイン中に引き出す製法です。

※フレンチオーク=フランス産の樽。主にナラの木を使用して作られています。ワインにエレガントな風味や余韻を与えてくれます。

  • 原産国:日本
  • 産地:山形県
  • 格付け:-
  • 品種:シャルドネ
  • タイプ:白ワイン
  • 生産者:高畠ワイナリー
  • 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
  • ボディ:-
  • 容量:750ml
  • 平均価格:5,500円~6,000円

日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種|エリア別に特徴を解説
画像引用:サントリーワインインターナショナル

【山梨県】

登美の丘ワイナリー (とみのおか)

(サントリーワインインターナショナル株式会社)
1909年山梨県に設立されたワイナリーです。当時鉄道参議官をしていた『小山新助』という人物が、山梨県の登美(現甲斐市双葉地区)に小山開墾事務所としてブドウを栽培したのがはじまりです。1913(大正2年)に会社を『大日本葡萄酒株式会社』と改めました。その後1936年に寿屋(現在のサントリー)が『寿屋山梨農場』として登美農園の経営を継承しました。1964年には本格的辛口ワイン『シャトーリオン』を発売し国際コンテストで金賞受賞しました。

甲州など日本の固有品種の栽培のほかに、1950年代にヨーロッパ系の国際品種の栽培を開始しました。現在栽培されている国際品種は 『カベルネソーヴィニョン』『メルロー』『シャルドネ』などで、日本ワインとして世界でも注目されるワイナリーとなりました。

【主な受賞歴】
日本ワイナリーアワード2020 ★★★★★5ツ星
レ・シタデル・デュ・ヴァン2003(フランスボルドー開催)
登美 赤 1997 金賞(日本初)
レ・シタデル・デュ・ヴァン2013
登美 白 2011 日本ワイン特別賞/金賞など

登美の丘ワイナリー 登美(とみ)


登美の丘ワイナリーのフラッグシップワインです。自園産の『メルロ』『カベルネソーヴィニョン』『カベルネフラン』『プティ・ヴェルド』というボルドースタイルの品種に『マスカットベーリーA』を加えた独特のブレンドです。チョコレートのようなエレガントさに、マスカットベーリーAの甘やかな風味が溶け込んだ程よいタンニンのミディアムフルボディタイプです。

ステーキやグリルなどの肉料理はもちろん、魚のあら炊きや味噌煮込みなどコクのある和風の料理にもよく合います。

  • 原産国:日本
  • 産地:山梨県
  • 格付け:-
  • 品種:メルロ:52.6%、カベルネソーヴィニョン:23.9%、カベルネ・フラン:12.7%、プティ・ヴェルド:10.5%、マスカット・ベーリーA:0.3%
  • タイプ:赤ワイン
  • 生産者:登美の丘ワイナリー(サントリー)
  • 味わい:-
  • ボディ:ミディアムフルボディ
  • 容量:750ml
  • 平均価格:13,000円~15,000円

まとめ

今回の日本のワイン#2『日本ワインの代表的な産地と国際ブドウ品種』はいかがでしたか?

今や世界中で栽培醸造されている『国際ブドウ品種』ですが、近年では日本でも数多くの産地で栽培されるようになりました。また、それに伴い海外のワイナリーにも匹敵する高品質な『日本ワイン』を生み出すワイナリーも増えてきています。

更に海外のワイナリーなどで修業を積み重ねた『新進気鋭の若い生産者』のワイナリーも注目されています。今後の『日本ワイン』への期待は益々高まっていくことでしょう。

次回は日本のワイン#3『新進気鋭!日本の話題のワイナリーとおすすめワイン』をお送りします。